薬歴に必要事項を記載しておけば、調剤録は印刷しなくてもよくなる?
昭和36年6月14日に発行されてずっと変わらなかった「保険薬局の分割調剤及び調剤録の取扱いについて」(保険発第57号)が令和2年11月10日に「保医発1110 第1号」として改訂されて、
調剤録は、調剤済となった処方箋又は患者の服薬状況や指導内容等を記録し
たもの(薬剤服用歴等)に調剤録と同様の事項を記入したものをもって代えることができること。
と明記された。
条件は以下の4つ
(1)薬剤師法施行規則第 16 条に規定する事項
(2)患者の被保険者証記号番号、保険者名、生年月日及び被保険者被扶養者の別
(3)当該薬局で調剤した薬剤について処方箋に記載してある用量、既調剤量及び使用期間
(4)当該薬局で調剤した薬剤及び当該調剤等についての請求項目、請求点数及び患者負担金額
(1)に関連する条項は以下の通り。
(処方せんの記入事項)
第十五条 法第二十六条の規定により処方せんに記入しなければならない事項は、調剤済みの旨又は調剤量及び調剤年月日のほか、次のとおりとする。
一 調剤した薬局又は病院若しくは診療所若しくは飼育動物診療施設の名称及び所在地
二 法第二十三条第二項の規定により医師、歯科医師又は獣医師の同意を得て処方せんに記載された医薬品を変更して調剤した場合には、その変更の内容
三 法第二十四条の規定により医師、歯科医師又は獣医師に疑わしい点を確かめた場合には、その回答の内容
(調剤録の記入事項)
第十六条 法第二十八条第二項の規定により調剤録に記入しなければならない事項は、次のとおりとする。ただし、その調剤により当該処方せんが調剤済みとなつた場合は、第一号、第三号、第五号及び第六号に掲げる事項のみ記入することで足りる。
一 患者の氏名及び年令
二 薬名及び分量
三 調剤並びに情報の提供及び指導を行つた年月日
四 調剤量
五 調剤並びに情報の提供及び指導を行つた薬剤師の氏名
六 情報の提供及び指導の内容の要点
七 処方せんの発行年月日
八 処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師の氏名
九 前号の者の住所又は勤務する病院若しくは診療所若しくは飼育動物診療施設の名称及び所在地
十 前条第二号及び第三号に掲げる事項
第十六条の十は、「第十五条の二と三」のことで、要は疑義照会の内容のこと。
これらの要件の中で最も問題となるのは、(4)当該薬局で調剤した薬剤及び当該調剤等についての請求項目、請求点数及び患者負担金額
の解釈の仕方かな・・・。
うちの薬局の薬歴に表示される点数項目関連は、
となっているので、はたしてこれで(4)の条件を満たしてることになるのか・・・。「請求点数」は合計点数しか出てこないので、各項目の点数まで必要となると、うちの薬局では調剤録は印刷しないといけない。
いいなと思ったら応援しよう!
仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。