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透析中の腎機能(透析能)と健常人の腎機能とを比較

 健常人は24hr・7日間ずっと腎排泄を行っている。腎血流量はおおよそ100mL/min。
 なので、健常人の1週間の腎排泄能は「100mL/min×24hr×7」で表せる。

 一方、透析患者さんは1回4hr程度の透析を週に3回実施するので、1週間で約12hr程度の腎排泄を行っていることになる。
 透析速度(腎血流速度)は施設によりけりだが、だいたい200~500mL/min。
 よって、透析患者さんの排泄能は、「200~300mL/min×4hr×3」くらい。

 これらを比較すると、(200~300mL/min×4hr×3)/(100mL/min×24hr×7)≒ 1/7~/2.8となる。

 つまり、透析を受けている患者の排泄能は、高性能な方で健常人の1/3、環境によっては1/7程度しかない場合もあると推測できる。
 
大まかな目安にしかならないが、緊急時など何かの指標にならないだろうか。

【2018/02/26記載】

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薬備(ヤクビ)〜保険薬局薬剤師のアカデミック備忘録〜鎌田貴志
仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。