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ブデソニド(ゼンタコートカプセル®)はプレドニゾロン換算するとどれくらい?プラスα豆知識

 ゼンタコート®が発売される以前から、ブデソニドは吸入薬としてシムビコート®などで使われていたが吸入薬にはプレドニゾロンが製剤化されてないので、プレドニゾロン換算ができなかった。

 2016年11月、内服のブデソニド製剤(ゼンタコートカプセル®)が上市された。
 MR情報によると、ブデソニド(BD)9mg ≒ PSL 40mgだそう。
 ただしこれはあくまでもクローン病の「寛解導入率」として(ゼンタコート®は今のところクローン病にしか適応がないから)。
 消炎効果としてではないことに注意。

 ゼンタコート®(BD徐放カプセル)とPSLの体内動態比較は以下の通り(インタビューフォームより)。
 消化管吸収率・・・BD:PSL=100%:16.6%
 FPE・・・・・・・BD:PSL=大きい:ほとんど受けない
 BA・・・・・・・・BD:PSL=10~20%:82%

 であることから、BDは腸管側から患部を直接消炎すると思われるが、PSLは体内側から汎消炎作用と考えられるので、効果を換算するのは難しいかも。

 ちなみに、ゼンタコートの常用量は1日9mgだが、6mgに減量した際でも副作用の発現率に有意差はなかったとのこと(寛解導入率効果は不明)(MR情報)。
【2018/01/19】

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 ブデソニド(BD)はほぼ100%腸管から吸収はされるが、作用部位は腸管粘膜での局所的直接作用!
 血漿コルチゾール値を下げすぎないからPLSよりも副作用が少ないとされている。
 また、IFには「肝初回通過効果が大きい」、「BAは10〜20%」、「腸管から完全またはほぼ完全に吸収される」、「主活性代謝物のグルココルチコイド活性は未変化体の約1%」などと記載があることから、腸管粘膜内において直接作用で炎症を抑え、その後完全に吸収はされるがすぐに活性を失うので副作用には繋がりにくい、というイメージだと思われる。
 だから徐放錠になっていて、長く腸管内に留まるよう設計されているのだろう。

 ちなみに、PLSの消化管吸収率は約16.6%(ラット)、FPEはほぼ受けずBAは82%とIFに記載されている。
 また、o/wはBD:PLS=540〜620:35.48なので、FPEの影響はo/wと相関あり。
【2017/11/30】

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薬備(ヤクビ)〜保険薬局薬剤師のアカデミック備忘録〜鎌田貴志
仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。