ウイルスは不織布マスクの繊維の隙間を通る?通らない?
いきなり答えを表示しますが・・・
※「マスクの穴5μm」は不織布マスクの場合です。布マスクやウレタンマスクはもっと大きな隙間があります。
※表記してるそれぞれの大きさはあくまでも平均的な数字です。
ここに描かれている一番左の灰色部分は髪の毛の「断面」です。花粉もミクロの世界だとこんなに大きいんですね。
こうしてみると、ウイルスはけた違いに小さいことが分かります。
ただ、自然界でウイルスが1粒だけで存在していることは皆無です。「飛沫核」のような塊で存在しています。飛沫核1つは、だいたいウイルス15,000個くらいの塊です。
この飛沫核は、マスクの隙間を通ってしまいます。
ただし、今の2022年の地球でマスクをする主な目的は、自分の口や鼻から出てきた「飛沫」(20μm)を周りにばらまかないことです。
たいていの飛沫はマスクの隙間より3~5倍くらい大きいので、マスクの隙間を通れません。
飛沫の大部分(上の図でいう水色部分)は唾液・・・つまり水分です。
なので、壁やテーブルなどについた飛沫をそのままにしてると水分が蒸発して飛沫核だけになります。
こうなると、マスクの隙間を通りやすくなってしまうので、飛沫がついたと思われる所は早め早めに消毒用アルコールで拭いておくことが効果的なんですね。
仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。