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IoTでトイレ使用状況を通知&分析するぜ リアルタイム通知編1

とりあえず「分析」や「家の外からわかるようにする」というのは横においといて、トイレに近づかなくても無線でわかるようなものをまず作ります。

トイレの明るさを調べよう

我が家のトイレ昼夜問わず真っ暗なのです。

なので用を足すときには必ず明かりをつけざるを得ないのです。つけっぱなしだったら? うーんそれは別の方法で問題を解決しよう。なので今回はトイレの明かりを調べて

明るい場合は > トイレ使用中
暗い場合は > トイレあいてる

ということにします。

どうやって調べるのか?

明るさを調べる方法はどうやらいろいろあるようだが、今回はCdSを使います。フォトレジスタというやつです。

仕様の読み方はまた今度説明するとして、これはどういう機能を持つのかというと

・これに光が当たらず暗い場合には電気抵抗が「大きく」電流が流れない
・これに光があたって明るい場合は電気抵抗が「小さく」電流を流れる

というものです。つまり電気抵抗が「大きいか小さいか」がわかれば明るさを調べることができます。

どうやって電気抵抗を調べるのか

人間ならばテスターを使います。測定用端子をこのフォトレジスタの両足にそれぞれ接続し「何オーム」と表示されますのでそれでわかります。

しかしながらトイレの外から中まで届く長さの測定用端子を伸ばすのはさすがにかっこ悪すぎ & 使いにくので、マイコンを使ってこれを測定し、電波で飛ばして外で受信できるようにしてみます。

マイコンでどうやって電気抵抗を調べるのか

TWELITEというマイコンがあります。いろんなことができるのですが、今回使う機能を簡単に説明すると

・2台のTWELITE(それぞれをXとYと名付けます)TWELITE-XとTWELITE-Yを買って設定すると
・XとYはお互いが無線でつながって
・Xに入ってくる電圧をYに出力することができます

つまり

・Xにフォトレジスタをつなげる
・トイレに設置して電気抵抗を調べる = トイレの明るさを調べる
・トイレの外においてあるYに無線で送る
・無線で離れたところからトイレの明るさがことができる

というわけです。

電気抵抗? 電圧? オームの法則

TWELITEでは電圧を知ることができるので「トイレの明るさを電圧に変換する」ことで無線で明るさを送信することができます。

フォトレジスタの抵抗値の変化が電圧の変化に大いに関係します。中学校で習うオームの法則です。

「電圧 = 電流 x 電気抵抗」

部品の選定を真面目に行うならこれをガチで計算しないといけませんが、今回使う計算は

フォトレジスタにかかる「電圧が高い」 > 電気抵抗が大きい > 暗い > トイレあいてる
フォトレジスタにかかる「電圧が低い」 > 電気抵抗が小さい > 明るい > トイレ使用中

という理解でよいでしょう。

実験とテスターの練習と保護抵抗

人間が単三電池1本の+と-を指で挟んで持ってもビリビリきません。しかし単三電池が大量の場合にはもちろんビリビリきますし、一定のビリビリを超えると死んでしまいます。

実は電子工作の部品もこれと似たようなもので、最大電圧、電力が決まっています。これは部品のデータシートに書いてあります。これを守らないといけません。

これを守るにはどうしたらよいでしょうか?

電力は以下の公式です

W = V x I

そして直列回路のそれぞれの部品に流れる電流は等しいです。なのでそれぞれの部品にかかる電圧をコントロールしてやることで部品が壊れないように考えてやります。

そのために取り付けるのが「抵抗」です。保護のためにとりつけるために「保護抵抗」とよぶようです。

さて、まずはマイコンなしで回路を作ってテスターで試すところからやってみます。テスターはソフトウェア開発におけるデバッガなので活用法・慣れると便利です。

まず抵抗(10kΩ)とフォトレジスタを配線します。

抵抗を測定してみます。だいたい10kΩになるはずです(そりゃそーだ)。

フォトレジスタの抵抗を測定してみます。何Ωかが表示されます。私の手元では7.7kΩでした。

次は暗くなったときのフォトレジスタの抵抗を測定してみます。私はサインペンのキャップを使いました。真っ暗だと測定不能なぐらい抵抗が高いようです。

さて電池2本直列は3Vです。オームの法則はE=IRですが、直列につなげた回路はその部品までで電圧が下がっています。

つまり

電池+ > 抵抗 > フォトレジスタ > 電池-

と接続すると、電池+から-までに3V使い切っているのであって、抵抗とフォトレジスタにはかかる電圧が違っています。

3V = 抵抗にかかる電圧 + フォトレジスタにかかる電圧

です。今回はフォトレジスタが壊れないように抵抗にかかる電圧を上げたり下げたりして電力の調整をしたいです。

オームの法則とキルヒホッフの法則を使うと

3V = (抵抗 x 電流) + (フォトレジスタの抵抗 x 電流)

となります。

それでは抵抗とフォトレジスタの抵抗値を測定してみましょう。抵抗 + フォトレジスタの抵抗値になるはずです。

電源は電池2本を使いますので

3V = (10kΩ x 電流) + (フォトレジスタの抵抗 x 電流)

となります。そしてこれもオームの法則で、回路全体に流れる電流は等しいです。つまり、フォトレジスタに流れる電流も、抵抗に流れる電流も同じです。ということは、例えばここでフォトレジスタの抵抗値を明るいときの10倍 60,000Ωとすると

3V = (10k x 電流) + (60,000 x 電流)

となり、フォトレジスタのところに1,000Ωの抵抗にかかる電圧の6倍、電圧がかかることになります。

そして明るくなってフォトレジスタの抵抗値が6,000になったとすると

3V = (10k x 電流) + (6,000 x 電流)

となり、今度は逆にフォトレジスタにかかる電圧の1/6倍しか電圧がかからなくなります。

フォトレジスタの最大電力を見ると50mWとあります。(最大電圧は100Vとありますが今回は電池2本を電源とする予定なので考慮しなくていいですね)

W = V x A

なので

0.05W = 3V * ?A
?A = 0.016A

となります。これが電池2本3Vを使っている場合、このフォトレジスタに流しても大丈夫な最大電流です。

オームの法則を使って計算すると

3V = 0.016A x ?Ω
?Ω = 3V / 0.016A = 187.5Ω

となります。保護抵抗とフォトレジスタの抵抗値の合計が187.5Ω以上あればフォトレジスタが壊れる最大電力を超えない回路ができるということになります。

一応保護抵抗なしを考えてみます。明抵抗 5k〜10kΩ(10Lux時)とあるので、最小5kΩ・最大10kΩです。

3V = ?A x 5,000Ω
?A = 3V / 5,000Ω = 0.0006A = 0.6mA

10k の場合は分母が倍ですので 0.3mA ですね。

となり、その電力は 0.6mA 〜 0.3mA x 3V で 1.8mW 〜 0.9mW になります。ということは3Vで使ってる限りは 50mA 流れることはありませんね。

電圧の測定実験

それではついに電池を接続してみます。閉じた回路を作成したらテスターで抵抗値を測定するのは難しくなるので電圧をみるようにします。(どうして難しいかは http://startelc.com/elcLink/tester/elc_nArtcTester2.html あたりを参照してください、とてもわかりやすく書いてあります)

まず電源を測定してみます。酷使した電池のせいか2.69Vです。

フォトレジスタにかかっている電圧は1.17V、抵抗にかかっている電圧は1.51Vでした。

電池2.69V = 抵抗電圧 1.51V + フォトレジスタ電圧 1.17V

抵抗は10kΩ、フォトレジスタは6kΩなので、ちょっと電流を計算してみます。

1.51V = ?A * 10kΩ
よって ?A = 0.151mA

1.17V = ?A * 7.7kΩ
よって ?A = 0.152mA

法則通りですね。抵抗は 0.151mA x 1.51V = 0.228mW 、フォトレジスタは 0.152mA x 1.17V = 0.178mW で壊れることもありません。

マイコンにつなげる

ここまで理解できたらマイコンにつなげて電圧を測定できるようにしてみます。長くなったのでマイコンにつなげて設定と実験は次の記事にします。

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