Coheed and Cambria "Vaxis – Act II: A Window of the Waking Mind"-かじぃの2022年に買ったアルバム 第10回
アメリカのプログレッシブ・ロック/スクリーモバンド、コヒード・アンド・カンブリアの通算10枚目のアルバム。
評価は☆5。
今年リリースされたアルバムの中でも一番期待していた一枚。
その期待は間違っていなかった。
名盤と言っても差し支えないと思う。
是非色んな人に聞いてほしい。
まぁ、言うても3枚目のアルバム"Good Apollo, I'm Burning Star IV, Volume One: From Fear Through the Eyes of Madness"には勝てない。あのアルバムは特別。特別すぎる。
プログレッシブ・メタルと言っても様々だ。
それは前回のSeventh Wonderでも語った。
Meshuggahのようにリズムが変態だったり、Dream Theaterのようにプレイアビリティと構成が神がかってたり。
このコヒード・アンド・カンブリアは一味違う。
どんなバンドに似てるかと言えば、RUSHに似ている。
しかも80年代のRUSHだ。
つまり、骨太のロックでありながらテクニカル、そしてキャッチー。壮大さは世界観のみで、無駄な冗長さはない。そして難解さもない。
このバンドのコンセプトははっきりしている。
宇宙を舞台にした壮大な物語が根底にある。
その物語の全体のコンセプトは「愛」だったりする。
そのVaxisという章のパート2である今作は、巨大な圧政を敷く社会から逃げ出した二人の男女の物語から続き、その子供が登場する。
だからこそ、このアルバムには緊張感と未来に向けた希望が同居している。
Good Apollo, I'm Burning Star IVのような悲壮な叫びはないが、優しさが所々に顔を出す。アルバム全体に漂う緊張感と優しく開放感のあるメロディのコントラストが素晴らしい。
Voのクラウディオ・サンチェスのエッジの効いた高音が苦手でなければ、誰にでも受け入れられる要素はあると思っているんだけど…。
日本での知名度はなぜか低い…なぜだ。
見聴の人はPVでもいいから見て。
そして気に入ったらアルバム全体通して聞いてみて。