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Ingress Swagの取扱をどう考えるべきか?

本稿は2019年4月13日にMediumにて投稿した物の転載です。

《大前提》
本来であれば著作権保護の見地から企業がSwagやファンアートを公然と認めることはなく、殆どの企業は黙認している/見て見ぬふりをしている状態。公然と認めているNianticは色々とおかしい。
Nianticは「公式頒布会、メルカリでの頒布を認める。ただしコミュニティ内での頒布は関知しない」としている。
これは日本国内のみ適用され、海外では事情が違うことに留意して頂きたい。
海外ではAnomalyのシリーズによって様々なデザインのSwagがリリースされているが、日本で同じようなことをやっても容認されない恐れがあるということである。

《用語定義》
用語の解釈に差異が生じるのを防ぐため、この投稿限定で用語に特別に定義を行う。
・配布:金銭のやりとりが発生しない無償提供
・頒布:金銭のやりとりは発生するが、原価+工賃+諸経費=売価としたもの。
    商用、非商用を問うものではないことに注意。
・販売:金銭のやりとりが発生し、原価+工賃+諸経費+利益=売価としたもの。

《考察》
Nianticは著作権に関しては曖昧なままにしておきたいように見える。
CEOのジョン・ハンケ氏はオタク気質であり、ファンアート等の文化を大事にしたいと考えているようだが、著作権の問題になると企業としてナーバスにならざるを得ない。
そこで形だけでもいいのでライセンス方式を採り、公式頒布会とメルカリでライセンス料を徴収するという形にしているように思える。

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・代価に関する問題
商用、非商用(趣味限定)の区別は、いちいちNianticも調査するのは非現実的である。このため、販売と頒布の区別をエージェントの自己申告制にしたと思われる。
ここで肝要なのは「金銭のやりとりが発生するか否か」と「代価は利益が乗っていないか」という2点に集約すれば商用に悪用しようとするエージェントに対する牽制として有効であるように思える事である。
「配布」は全く問題ない。「頒布」もどれだけ諸経費に掛かっているかは分からないが(Nianticもいちいちチェックは行わない)、極端に利益が上乗せされていなければ問題ない。極端に利益が上乗せされている「販売」はNGというわけである。

・適用範囲-デザインの著作権、意匠登録と商標
Nianticは公式のデザイン、Resistanceの鍵盾とEnlightenedの真実の眼とイングレスロゴ、とIngressという商標に関して権利を有するという旨をコミュニティガイドラインに明記していた。
他にもNianticの気球ロゴもその範囲内であろうことは想像に難くない。
また、ミッションメダルのデザインや名称として弾かれるとされているNL-1331等の名称とデザイン等も同様の扱いだと思われる。
Resistance、Enlightened、XM、ExoticMatter等は一般名詞であり、問題はないと思われる。
また、公式ロゴをカスタマイズし、オリジナルになったようなものも問題がないと須賀氏から明言されたエピソードが残っている。

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↑魔改造の結果、すっかり別物と化したデザインの例

・提供範囲-告知と頒布範囲
公式頒布会とメルカリでの頒布は問題ないと明示されている。
コミュニティに関しては規模や範囲が明示されていないため、解釈の差異が発生する。
しかし、安易にFaction=コミュニティと解釈するのは危険であるように思える。
Nianticがコミュニティを例外としたのは、「クローズドなコミュニティ内で行われる頒布を把握する事は現実的ではない」と判断したからではないかとも考えられる。
従って告知及び頒布範囲であるコミュニティは「クローズドなコミュニティ」を指しているのではないかと推察する。
オープンなSNSでの告知はNianticも目にすることが可能であるし、密告によってNianticも動かざるを得ない状況に陥る可能性もあるため、危険ではないだろうかというのが私見である。

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三軸を文章のみでまとめようとしているため、少々ややこしいが、下記にまとめておく。

代価
配布:無償であるためどのようなデザイン適用範囲、提供範囲でも問題ない。
頒布:デザイン適用範囲外(著作権、商標ともに引っかからない)であれば提供範囲は問わない。適用範囲内であれば提供範囲は公式頒布会、メルカリ、クローズドなコミュニティ限定で許可されると思われる。
販売:デザイン適用範囲外であれば問題ない。他はNG。

デザイン適用範囲
適用範囲外:どのような金銭のやり取り形態であろうと、どのような提供範囲であろうと問題ない。
適用範囲内:配布であればどのような提供範囲でも問題ない。頒布であれば提供範囲は公式頒布会、メルカリ、クローズドなコミュニティ限定で許可されると思われる。販売は当然NG。

提供範囲
提供範囲内:代価は配布と頒布であれば問題ない。デザイン適用範囲はどのようなものでも問題ない。
提供範囲外:配布、または適用範囲外であれば問題ない。頒布を行う場合でもデザインが適用範囲内である物は公式頒布会、メルカリ、クローズドなコミュニティ以外はNGだと思われる。販売は当然NG。

商用と非商用の区別、頒布と販売の定義、コミュニティの範囲については異論あると思われるが、本稿はあくまでもわたし、かじぃの私見に基づいている旨、ご了承頂きたい。

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特に注意して頂きたいのは不特定多数に訴求する告知、SNSでの拡散であり、反感を持つ者からの密告や余計なお節介によりNianticが動き出すことにある。
大前提にも記したが、Nianticが著作権に緩いのは間違いなくファンアートやSwagに対する理解の現れであり、企業として本来はしっかりと対応しなければならない問題を無理やり捻じ曲げている状態である。
従って、いつこの状態が破綻し、ファンアートやSwagが禁止となるかはNiantic次第という状況にある。
この状況下において、虎の尾を踏み、Nianticが動かざるを得ない状況に陥る事だけは避けて頂きたく思う次第である。

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