ソコタノ日記:平間至写真展「写真は愛とタイミング!」に行ってきました。
定年退職後の生活を楽しむソコタノ日記です。
平間至写真展「写真は愛とタイミング!」 の初日に作品を観に行くことにした
静岡のグランシップで開かれている平間至さんの写真展「写真は愛とタイミング!」の初日に作品を観に行ってきました。
定年退職後にはじめた写真の勉強はなかなか楽しくて、写真集や写真展を観ることも増えました。
正直を言うと平間さんについてはほとんど知識がありませんでした。でも、ミュージシャンの写真のいくつかには見覚えがありとても気になっていました。
自分の日々の記録を検索してみると、2022年の6月にBillboardLIVE東京で行われた甲斐よしひろさんのライブを聴きに行ったときに、フジフィルムスクエアで『「写真家・平間至の両A面」~アー写(アーティストの写真)/エー写(営業写真館の写真)~』を観ていたことがわかりました。(どちらも六本木のミッドタウンだったから)
そのときかっこいい写真を撮る方だなぁと思ったことを思い出しました。
グランシップの紹介のページでは写真展の初日に平間さんのギャラリートークが行われるとありました。せっかく写真展を観に行くのならば、御本人の話をうかがえるこのチャンスを逃がす手はない! と考え行くことに決めました。
アーティストの写真はかっこいい!
平間さんはタワーレコードの「NO MUSIC,NO LIFE.」のキャンペーンでミュージシャンの写真をたくさんとっています。
「音楽が聴こえてくるような躍動感のあるポートレート」を撮るようにされているというのがよくわかるかっこいい写真がたくさん観られました。
入り口には「NO MUSIC,NO LIFE.」のポスターがいくつも並べられ、それだけで気分が高まりました。
平間さんのギャラリートークは16時スタート……平日なのに中途半端な時間……こういうときに行けるってのは、定年退職した自分の幸福! スタートまでいくらか時間があったので、先に作品を観ていました。
ここ何年も私は積極的に新しいアーティストの曲を聞こうとしていなかったので、知らない人たちの写真もたくさんありましたが、それでもすばらしいと思って観ておりました。「音楽が聴こえてくるような躍動感のあるポートレート」というのにも納得でした。
そして、大好きな忌野清志郎さんがモデルの写真を観て(たぶん2度め)やっぱりかっこいい! と思いました。
平間さんはあたたかい感じの人だった
アーティストの写真をいくらか観たところでギャラリートークがはじまりました。平日の16時なのに結構たくさんの方々が集っていました。
メモをとらなかったので詳細は書けませんが、平間さんはとてもあたたかい感じの方だと思いました。おじいさんの代から続く写真館をついでいるので芸術家というよりも街の写真屋のおじさんという感じでした。
写真と一緒にさまざまな言葉が展示されていましたが、やはりセンスの良い方の言葉ってのには惹かれるなぁと思いました。
展示されている言葉ではありませんが、ギャラリートークの中で、風景の写真について「自分の魂の存在の証明のために撮っているのかも」というような言葉がありました。(記憶によるものです。間違っていたらごめんなさい。)1年ほど体調を崩されたとき、なんとか外に出られるか? となったときに撮った風景写真についての説明で出た言葉でした。
私が自分で風景写真を撮るとき、人が写っていないものをなぜ撮っているんだろう? と思うことがありました。スナップ写真としては人が入っていてその人の息吹みたいなものが感じられる写真の方がステキなのにと思っていたからです。
人が写っていない写真こそ自分の存在の証明になるのかも? っていう見方は、私の中にあった疑問に答えを与えてくれたような気がしました
家族写真からは幸福が溢れ出てくるようだった
上記のフジフィルムスクエアの写真展もそうですが、このグランシップの写真展でも、平間さんの写真館で撮られた家族の写真がたくさん展示されていました。
写真館で写真を撮るってのは、普通に撮る写真とは違います。平間さんの言葉を借りれば「残すために撮る写真」です。七五三とか成人式とかいったハレの日に特別に撮る写真です。
その写真がとてもすばらしかったです。とにかく表情が美しい。撮影のために作ったような笑顔じゃありません。本当に嬉しい! 楽しい! って感じている瞬間を切り取っていることがよくわかる表情ばかりでした。
四角い写真から幸福が溢れ出てくるようだ
と心から思えました。
平間さんによると写真館で写真を撮影するときには先に1時間位話をする時間をとるのだとか。おそらく撮影者とモデルとの間にある心の壁のようなものを取り払うのに必要な時間になっているのでしょう。
私は、アーティストのかっこいい写真を観たくてこの写真展に行ったのでした。が、アーティストの作品以上に家族写真に惹かれました。
特に心を打たれたのは、赤ちゃんの写真と年配の男性が机についている写真でした。意図的になのかどうかはわかりませんが、その2つが並べられているのを見て、今をそして未来を幸せに過ごすであろう赤ちゃんと、それまで多くの幸せを味わってきた男性との対比がすばらしいと感じました。
渋谷のヒカリエでも平間さんの写真展が開かれているようです。
同じヒカリエでソール・ライターの写真展も開かれているので、できれば両方観に行きたいと考えています。
自分で写真を撮るようになるまで、絵画展ほど写真展を楽しむことができませんでした。でも、最近は写真展を観る楽しみってのがわかるようになってきた気がします。