ソコタノ日記:退職記念に買ってよかったモノ……それは、油絵。
退職後の新しい生活をそこそこ楽しむ「ソコタノ日記」です。
退職を機に色々と買ったモノ
退職を機に、買ったり買い換えたりしたモノがあります。
一番大きなモノは、自動車です。私の ND ロードスターと、妻のデミオを下取りに出して、MAZDA3を購入しました。ロードスターはとっても気に入っていたのですが、仕事をやめたら通勤の必要がなくなり、そうなると車に乗ることがほとんどなくなるので、やむなく手放すことにしました。5年間乗りましたが、全くあきないよい車でした。
メインのパソコンも買い換えました。Thinkpad X220 を P14s にしました。 X220 は、とってもよいマシンで、故障したパーツを自分で交換したり、SSD を換装したり、さらにSSDをセカンドストレージとして追加したりして10年以上使いました。今でも、メモリー大食らいの Chrome を同時に5つ以上同時に開かねばそこそこ使えるよいマシンです。現在は、リビングに置いてサブマシンとしてつかっています。新しいP14s の方は、モバイル・ワークステーションと呼ばれるだけあって、 AMD の RYZEN を心臓部に持ち、メモリーも多めに積んだ強力なマシンです。X220 よりも、パワフルなので、 Chrome の多重起動にもへこたれません。満足しています。
その他に、燻製作りを再開したので、スモーカーを購入し、 AirPods 2 に代えて、 AirPods Pro を購入しました。
どれも、それなりに考慮して購入したので、満足しています。でも、一番のお気に入りは……
山本宗平さんの油絵が大のお気に入り
上記のモノは、どれも道具として購入したものであり、ないと困るというものです。だから、退職記念の品という感じではありません。純粋に退職記念として購入したのは、山本宗平さんの油絵です。
山本さんとは、尊敬する大先輩を介して知り合うことができました。年に何度かその大先輩と山本さん、その他の仲間と一緒に飲むことがあり、いつか山本さんに絵を描いてもらいたいなぁと思っておりました。
退職を機に、孫娘を描いてもらおうか? などと勝手に思っていたのですが、妻が
「また孫が生まれたら、その子の絵がないってことになるでしょ。」
というので、それは、やめました。たしかに妻の言うとおりです。孫が生まれるたびに絵を購入できるほど金持ちではありませぬ。
2020年の10月、新型コロナウィルスの感染の心配もないわけではありませんでしたが、どうしても「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」を観たかったので東京に出かけました。そのとき、山本さんが東京のギャラリーで個展を開かれているというので、それも観に行きました。
その個展では、山本さんがよく描くポルトガルの風景や人の作品が多く展示されていました。私は、そういった作品も好きなのですが、それ以上に、山本さんの子どもの絵が大好きでした。ご自身のお子様をモデルにして描いた絵は、美しくかわいらしい作品ばかりでした。
ギャラリーで山本さんに
「今日は、子どもの絵はないですか?」
とたずねると、わざわざ2枚の絵を出して下さいました。どちらもかわいらしくて素敵な作品でした。
一緒にいた妻が
「退職祝いとして絵を描いてもらおうかと考えていたくらいなのだから、気に入ったら買えば。」
といってくれたので、購入することにしました。
どちらにしようか散々迷って、上にある絵に決めました。
タイトルは、「いざ」です。今からセミを取ろうとしている男の子のやる気が伝わってくるような作品です。
この絵を選んだ理由は、色合いがいいのと、子どもの頃の息子を彷彿とさせてくれたからです。
お気に入りの絵がある生活
退職したことで、時間的な余裕ができました。やらねばならぬタスクがあっても、締切に追われることはなく、まあ明日やればいいじゃんくらいのお気楽な気分でいられます。それは、心に安堵をもたらせてくれました。
そして、その生活の中に、お気に入りのモノがあると、心を豊かにしてくれます。
山本さんの作品は、リビングにおいてあるのですが、食事のとき、私の席の正面に観ることができます。
自分が気に入って選んだものが目の前にあるってのは、本当にしあわせなことです。心の中で「いいなぁ。」ってつぶやかずにいられません。
絵画のような美術作品は、生活する上でなければ困るというものではないのかもしれません。けれども、心豊かに生きるためには、やはりあるべきものなのだと感じます。どこかのエラい人が「不要不急」と声高に何度も言っていますが、およそ人が作り上げたモノの中に「不要不急」なモノなどないのだと考えます。
もし、山本さんの作品を、退職記念に購入しなかったら、今の自分のしあわせは、少なからず痩せたものになっていただろうと思います。
コロナ禍で、山本さんにお目にかかることがなかなかできません。でも、次に飲むことがあったら、しっかりと感謝の言葉を伝えたいと思っております。
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