見出し画像

宅録での音声外注の際、「編集」はどこからか

今日は、編集について…を軽く勉強していきたいと思います。
既に詳しい人には全く意味のない上に、ツッコミどころの多い記事になりますので、お帰り下さい。】
全く知識がないよ…という方が作品を制作する場合、
宅録での依頼だと、編集作業も声優がやるのが当たり前…と思ってしまうことが多くあります。

宅録ができる声優=編集技術を持っているという考えはそもそも間違っていて、録音をすることがギリギリできる…程度の知識しか持っていない人も多くいます。
プロの編集者にとっては簡単なことでも、編集についての知識を多く持っていない、編集素人の声優がその作業をやるのにはとても多くの時間がかかります。
また、単純な作業の繰り返しや長時間の作業はとてもモチベーションが必要な作業になります。
まずは、編集とはどこからか…をチェックしてみましょう。
今回はバイノーラル音声についてではなく、一般的な音声…モノラルマイクでの収録についてで進めていきます。希望が多い場合、バイノーラル音声の編集についてもまとめるかもしれません。

***

これが録りっぱなしの音声になります。
今後の説明で音声を使い回しやすいように、わざとノイズなどを含む、クオリティの低いファイルをサンプルとして使います。

さて、聴いてもらってわかるかと思いますが、音量が小さいですね。
また、ページをめくる音や、NGテイクがそのまま入っています。
移動時の服の音も入っていますね。
音が割れていたり、マイクをボフボフと吹いていたりもします。
マウスのクリック音もそのまま入っているようです。(全部わざと入れたんだけどもw)

しかし、声優側に編集を何もお願いしていない場合、この音声が届いたとしても、【強く】文句は言えません。
何故なら、本来、スタジオで収録を行う場合、声優は声を出すこと…演技をすることだけが仕事だからです。
ただ、宅録での依頼の場合、声優側の最低限のサービスで、このまま提出されることは少ないです。
多くの場合、クオリティが低いと言われ、リテイクが発生するので、二度手間になるため、声優側が避けます。
依頼者側は、相手が完全に素人の方でない限り、この音声は2箇所リテイクを出していい部分があります。
・音割れしている部分
・マイクを吹いている部分
これらは、収録の時点で入ってしまうNGで、明らかにクオリティが低くなってしまう原因にもなるので、これをやった場合、このまま放置せず、録り直しをするのが一般的です。
そのため、もしこのままの音声が提出された場合、音割れとマイク吹きについては、リテイクを出しても問題ありません。
ちなみにその他の移動時の服の音やNGテイク、ページをめくる音が入っている…ということについては、依頼時に編集をお願いしていない場合、対応してもらえない部分です。
これをお願いしたい場合には「NGカットをお願いします」と依頼しておかなければなりません。

ちなみになんですが、スタジオ収録を行った場合、細かな編集をお願いしていないと、このような音声ファイルを持ち帰る…ということもたまにあります。
(流石にきちんと最初にセッティングするので、音割れとマイク吹き状態でもらうことは無いですが、その他はそのまま入っていることも)
勿論サービスで対応してくれるスタジオさんもありますし、別料金でお願いしないといけない場合もあります。
なので、ここから先の作業に関しては、本当はお金がかかる作業なんだな…ということを頭に入れておいてください。

***

次は、多くの声優が宅録の場合、無料で対応してくれている編集サービス。
無料で編集されている部分を紹介していきます。
勿論有料対応している方もいるので、無料で対応させることを強制することはできません。

先程の音声のままだと、音割れやマイク吹きを、編集素人の声優が消し切ることは難しいため、その部分だけを録り直し、自己リテイクとして対応します。勿論対応できる技術を持っている声優さんもいますが、その技術を持っているのは非常に少ない一部なので、今回はできないものとして扱います。

NG部分がカットされており、マウスのクリック音やページをめくる音、服の音も消えていますね。
相変わらず音は小さいですが、音量を上げるくらいであれば、素人でもできるので、依頼側で調整が可能です。
分数が長くなれば長くなるほど大変な作業ですが、多くの方が無料サービスしてくれています。非常に有り難いお話ですね。

***

ここから先は、編集の料金が変わってくる部分…を個別に紹介していきたいと思います。
まず、今まで2つの音声は音量が小さかったと思います。
これを上げる作業について、触れていきます。
普通に上げるだけにすると…こんな感じになります。

音量を上げた分、とてもノイズが増えますね。
また、ただ全体の音量を上げただけなので、音の大きな部分がとても大きく感じてしまいます。
編集について詳しくない人が、とりあえず音量を上げておくか…とやると、こういったファイルになります。

これを…ノイズが増えた分、ノイズを消し、大きな音の部分は大きくせず、小さな部分だけ音量を上げる編集作業。これは普通別料金が発生します。

私の場合、ここまでの作業は無料対応範囲として、勝手にサービスで行っています。正直とても褒めてほしい…。
(実際このファイルはもっとキレイにノイズ消すで!とかもできるけど、めんどくs…サンプルですしね…うん。軽めの編集で申し訳ない)

***

さてさて、先程の編集がされている場合、正直もうそのまま販売できるレベル…ではあります。
しかし、作品のクオリティを考えた時には、やはり少し低いと感じてしまう出来だと思います。

くちゅっといった、リップノイズ。これは、効果的に使う場合、そのまま残すこともありますが…
キャラクターが近くにいない場合に聞こえてくると不自然です。
そのため、くちゅっ…という部分を編集で消していきましょう。

どうでしょうか?消しただけで、だいぶファイルのクオリティが上がりましたね。これは結構面倒な作業なので、確実に編集料金が発生すると思います。

しかし、まだまだ編集としてできる作業はたくさんあります。
変に間が詰まっている部分や、逆に長いと感じる部分がありますね。
間を調整して、良いバランスにしてみましょう。

だいぶ変わりましたね。

次は、セリフとセリフの間の不要なボイス…
例えばこれ…を消してみます。


これらを消すと、とても作品としてのクオリティが上がります。

仕上がりはこんな感じです。

これを声優に無料でやってもらって当然!と思っている依頼主の多さよ!こうやって見たり聞いたりしてみて、大変だったのでは??
声優から音声を納品された場合、これをやるのが依頼側の役目です。
勿論この作業をサークルの人間がやってもいいですし、
技術的に難しいのであれば、編集者を外注しても良いです。

技術を持っている声優の場合、別料金でお願いすれば対応してくれることもあります。
ちなみに「なんか思ってた編集と違うなー」となったとしても、編集のプロに頼んでいない場合、編集料金を別に支払っていても、「ここまでやってよ!」とは言えないので、○○削除と○○編集でいくら!とか、このクオリティまでやってくれないと追加料金は支払えない…等、事前に相談してしていないと、我慢する…以外に方法はないです。

***

簡単に編集…といっても、色々ありますね。
例えば、こんなものも編集です。
BGMを入れてみたり…効果音を入れてみたり……

※BGM作/yukiさん
こういう作業は完全に声優の作業ではありません。(それ以外も既に声優の仕事ではありませんが)
これもお願いする…となると、確実に別料金がかかります。(他に比べると結構高いかも)
また、BGMを探したり、効果音を探したりする作業も必要になってきますね?元からこれを入れてほしい…と用意していればまだ別ですが…
それすらも探してほしい…作って欲しいまでお願いしていると…もっともっと料金が高くなります。
つい簡単に編集をお願いしてしまいがちかと思いますが…時間も技術も必要なお仕事です。自分ができないことを他人に時間をかけてお願いするのであれば、きちんと料金を支払いましょう。

***
その他、ボイスカット・リネームなんかも編集作業です。
そこら辺については、Togetterにまとめがあるので、わからない方は目を通してみて下さい。

ボイスカットについて
リネームについて

***

そっかぁ…編集は大変なのか…自分で覚えるのもなかなか大変そうだし…
お金は出せるから外注したい…と思った方。偉い!そんな人ばかりならいいのに…!
そうなった場合、実際そういうのはどこで頼めばいいんだろう…となりますね。
収録スタジオに料金を払って編集もしてもらう…というのは、場所によっては引き受けてもらえますが…宅録だった物を持ち込んで編集してくれるよ!というスタジオは結構少なめです。(録音状況がかなり悪い物等対応が難しいからだと思います)
編集1つでかなり作品のクオリティが下がってしまうので、お金に余裕があるのであれば、できればプロにたくさんお金を払ってやってもらうのが良いですが…忙しくて受け付けてないよ!と断られてしまうことも結構あると思います。
そんな時に、結構色んなサイトで仕事の募集をしているフリーランスの方や、素人だけどちょっとだけ作業をお手伝いをするよ!という方、普段スタジオ勤務の方だけどこういうサイトでも受け付けているよ!という方もいます。

プロが比較的見つかりやすい
https://crowdworks.jp/
https://www.lancers.jp/

安く済ませやすい
https://skima.jp/
https://coconala.com/

などで見つけることもできます。
また、ジャケットイラストの制作等もこの辺りで外注することができます。

ご自分で編集をお勉強したい!という方は…今回の編集は全て「RX7 ADVANCED」を使っているので、10万程度のソフトを購入するだけで、編集者を雇わなくても、自分で編集することができます☆
販売サイトの方では、結構セール等もやっているので、もっと安くゲットできることも。(結構出てすぐに買ったので、普通に10万払った私かわいそう…)
ちなみに、バイノーラル音声の編集の場合、ほぼ必須と言えるので…自分で編集するぞ!という方は、セールの際にポチっておくことをオススメします。
「編集なんて簡単!」と思っていらっしゃるかもしれませんが…結構複雑ですし、ソフト自体もとても高いです。
しかもこのソフトは英語版しかないですし、日本語に変換するソフト等もありません。また、細かな説明をまとめてくれているサイト等も一応あるにはありますが…基本的には全部自分で少しずついじり、少しずつ覚えていくしかありません。
そんな大変な作業をしてくれている声優さん、編集者さんにきちんと感謝をし…クオリティの高い作品作りを頑張って下さい。

***

ちなみになんですが、恐ろしいことに有料で作品を売るのに、フリーソフトの「Audacity」を使っている…という方。あれはわりとやべぇソフトで、他のソフトと比べると「滅茶苦茶音質が悪く聴こえます」同じ音源で聴いてもびっくりするほど違うので、まずは聴き比べしてみて下さい。遠い昔に使うのをやめたので、「今はめっちゃアプデされてすげぇ良くなってんだよ!」とかあったらごめんなさい…。
フリーだからやれることにもある程度制限はあるし、一応一通りのことはできるものの…「実際の音と違って聴こえる」という現象が起きるので、
絵師さんとかであれば、Adobeシリーズをポチっていたりすると思うので、「Adobe Audition」を使うとか、音関係をいじっている方であれば「Cubase」を使ってる!て方も結構多いですよね。(そもそも音いじってるならこの記事は読んでないはずだが)
あとは、やっぱプロだし!有料で出すならしっかりしないと!とスタジオと同じ「Pro Tools」を使うって人もいると思います。「よくわからんけど機材についてきた!」て人もいるんじゃないでしょうかw
ノイズ処理関係に関してはやっぱり「RX7 ADVANCED」が強いですが、BGM入れる!とか効果音入れる!とかなってくると「使えたっけ??」「そういうソフトじゃないね」て話なので…他にも持っていると良いかと。
ちなみに、「ADVANCED」でなく「Standard」と「Elements」ていうちょっと安い版がありますが、いくつかの機能が削られていて、「こういう処理をしたいのにこれがない」となることが多分後々出てくるので、そうなってくると「また新しいのを買わなきゃ」とか「追加しなきゃ」(できるんだっけ?しらんけど)てなるので、体験版とかをいじってみて良かったら、安い方を買わずに「ADVANCED」を買うといいですよ。バイノーラルだと尚更「ADVANCED」の方がいいと思います。
「ハイレゾ!」「高音質!」とか言ってるのに、TwitterとかでAudacity使ってる画像とか載せてると、草…て詳しい人ならなるので、編集側もしっかりしたソフトを使うのがオススメです。(別にそれを売りにしてなければフリーソフトでもいいと思いますが、違う聴こえ方して声優さんの音源無理にいじったりすると悪くなるだけなのでオススメはしません。)
あとは、聴く側の話になりますが、DLsitePlayerとか使って、スマホにイヤホン直挿しで、1000円くらいのイヤホン使ってる人。もっと悪ければ100均のイヤホン使ってる人。…あれも「ハイレゾ」とかただただ重いだけで、何も意味がないので、そのような作品タイトルに踊らされず、股間と相談して音声を選んで欲しい。
空気な「SoundEngine」ちゃんのこともたまには思い出して欲しいですが、ほんとに趣味で遊んでる人がちょっと使ってるな…くらいで使用者の数がそもそも少ない気がしているので…触れずにそっとしておきます。

何でもそうなのだけど…専門の物は専門の人へ。
声優だって外注したでしょ?編集だって外注するべき。
余裕がなければ自分で必死に勉強してやったらいいと思います。…まぁでも結局他人に頼んだ方が早くてクオリティが高いことに気付きます。
無知を理由に相手に無理させるのを当たり前に通すのはやめろ。学べ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?