EC療法・副作用フォローアップTel
特定薬剤管理指導料2
とは、2020年診療報酬改定で新設された点数になります。
院内ケモの患者さんに、次回受診までに体調や副作用の確認の電話を入れ、それを文書でフィードバックするところまでで算定できます。
算定するための病院側の条件が整っていないとできません
※連携充実加算
連携充実加算を算定している病院は、化学療法のレジメンをホームページで公開します。
それを見て院内ケモに弱かった薬局薬剤師も勉強をして、指導に当たるわけです。
院内ケモって何してるんだろうー?
なんか色々対症療法の薬出てるけど、なんの副作用があるんだろうー?
やっぱり吐き気かな?
くらいの知識の薬剤師が多かろうと思われます。
私はEC療法の患者さんに、副作用フォローアップの電話かけをしています。
EC療法、乳癌に対する化学療法になります。
エピルビシン
と
シクロホスファミド
で、ECです。これに5ーFUが加わったFECというのもよく見ます。
乳癌の化学療法で脱毛がある、というのはよく知られていますが、この組み合わせではほとんどの患者さんが脱毛します。
本などを読み込んでいくと、ものすごい数の副作用が書いてあります。電話して、一体何を聞くんだろう?副作用で苦しんでいるんじゃないかな?電話したら、迷惑じゃないだろうか?
ちなみにECの患者さんによく出る処方は、(うちの薬局の場合)
イメンド、デカドロン、ムコスタ、ナウゼリン
です。吐き気止めですね。やっぱり吐き気するんだ、ということは猿でもわかります。
イメンドはでっかいやつを当日院内で飲んできており、大抵処方は二日分か三日分です。デカドロンも三日程度、ムコスタは五日程度、ナウゼリンは頓服、というパターンをよく見ます。
つまり吐き気が辛いのは最初の一週間くらいということです。
では私が実際にかけたフォローアップ電話の内容をざっくり紹介します。
時期はケモから一週間~十日程度経過したあたりでアポを取ります。
・吐き気や嘔吐の有無
・食欲
・その他消化器症状(下痢や便秘)
・倦怠感
・皮膚症状(発疹や、手足の皮むけ、吹き出物など)
・発熱の有無
・動悸息切れ
・血尿の有無
・口内炎の有無
・他、気になることない?
・薬は指示通り飲めたかということ
・頓服の服用状況
こんな感じだったかな…
程度をきく場合は4~5段階に分けてきいています。
最初に聞き取りの項目を決めて、薬局内で共有しておくといいでしょう。
初めての抗がん剤で不安になっている患者さん、意外と迷惑がらずにむしろありがたい、わからないこと不安なことをどんとんきこう!というモードに入ってくれまして、スムーズに聞き取りができました。
随所で「そういえばこれはどうなの?」「関係ないかもだけどこんなこともあったの!」と色々きいてくれるので、私もできる限り答えました。
例えば髪がほぼ抜けたけど新コロのせいでかつらも買えてない、とか言われたら、残った髪の毛は無理に抜かず自然にまかせて、肌に優しい素材の帽子かぶって過ごしましょう、とかね。
トレポには
私が電話した患者さんは吐き気が少なく、便秘や下痢などに悩まされていましたのでその辺の薬の提案と、頓服も吐き気少ないのであまり飲まなかったという情報をフィードバックしました。
今まで抗がん剤の患者さんの処方に対して「あんな副作用出てるのにどうしてあの薬出してくれないのかな!」とか「あの薬ほとんど飲んでないのになんで毎回出すのかな!」みたいな気分になることがありましたが、トレーシングレポートだとスムーズに処方提案が出来るのでいいな、と思っています。
フォローアップ電話をかけるといっそう詳細が聞けるので、意外と思ったよりいい制度だな!と感じています。
まだECの患者さんだけしか電話をかけていませんが、
ECは4クールでその後ドセとハーセプチンに行くと本人から情報がありました。
抗がん剤が変わるとまた副作用の出方も変わるので、また変更になった時にもうまくフォローアップできたらいいなと思っています。