9月15日(火)~18日(金) 町田、川崎
9月15日(火)
『夜のこと』の原稿の直しを今月末までにしないといけない。11月15日発売で、大体発売日の一か月前くらいには原稿を仕上げる必要がある。今月末に原稿を送って、そこから校閲などを入れてゲラを作って、それを直して、とやると結構ぎりぎりだ。
僕は同じ場所で作業をするとやる気がなくなってくるタイプなので、環境を変えてやろうと思い、南町田へ行くことにした。ここは12年前に東京に出てきて初めて住んだ場所だ。上京した当時のこともこの原稿では書くので、当時の気分を思い出すのにちょうどいい。
渋谷から快速で40分ほど。南町田は、よく「あれは東京都じゃなくて神奈川県だ」と揶揄される東京都町田市の一番端にある。町田市というのは東京都が神奈川県に食い込ませた牙のような形をしているのだけど、その牙の先端が南町田だ。田園都市線の南町田駅の隣のすずかけ台駅とつきみ野駅は両方神奈川県で、南町田を通るときだけ一瞬東京都になる、というくらいぎりぎりの県境にある。
当時は「南町田駅」だったのだけど、今は「南町田グランベリーパーク駅」に改名されている。グランベリーパークというショッピングモールが新しくできていて、駅の周りは当時とは全く違う感じになっていた。当時もグランベリーモールというのがあったけど、その頃よりも大幅にパワーアップしている。あまりにも変わりすぎていて全く当時を思いだせない。
ショッピングモールをぶらぶら歩くのは好きだ。だけど、別に買いたいものは特にない。適当にカフェに入って一時間ほど原稿をやった。
関東ではここにしかないという、ケンタッキーの食べ放題の店があったので、ちょっと入ってみたくなったけど、食べ放題といってもどうせ二つくらい食べたら満足しちゃうよな、と思ったので入らなかった。
そのあとスーパー銭湯、万葉の湯へ。風呂に入ってから、食堂で1時間ほど原稿をやる。今日はこのまま泊まることにして、休憩室でしばらくだらだらしたあと、また風呂に入ってから、夜中にまた一時間ほど仕事をする。生活サイクルが夜型なので、24時間空いている施設がありがたい。2時にもう一度風呂に入って、3時に休憩室のリクライニングソファで寝た。
枡野浩一さんが勧めていたので読んでみたけど、文学界10月号に載っている小谷野敦『蛍日和』が面白かった。
小説を読むのにちょっと苦手意識がある僕でもするすると読める感じ。淡々とエピソードを連ねていて、カッコつけず感傷的にならず本当のことをざっくり書いているだけだからだろうか。こういう感じで僕も書いてみたい。
日記を書くときにもこの小説みたいな感じで書いたらいいいのでは、と思う。そうすると、小説と日記の違いはなんだろう、という気持ちにもなってくるのだけど。
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