札幌の再開発で盛り上がるマンション事業。JR北海道の不動産事業参入で駅近物件が増える?
1.活況する札幌のマンション事業
札幌の分譲・賃貸マンション販売は今年に入ってから活況のようだ。
2022年3月の状況を見ると、3月の売れ行きは過去5年間で最高。
■分譲マンション
例えば3月の販売状況を見ると、16棟194戸のうち162戸が契約済み。
新築分譲マンションの平均価格が4,885万円に達したにもかかわらず、である。
■賃貸マンション
マンション賃料の高いエリアをタイプ別に挙げてみよう。(※データ引用)
・ファミリータイプ(60㎡換算): 12.6万円 → 地下鉄大通駅
・コンパクトタイプ(40㎡換算):8.4万円 → 市電西8丁目駅
・シングルタイプ(25㎡換算): 5.9万円 → 地下鉄大通駅
コロナの震災で住宅購入や引っ越しを見送った人たちが、今、行動に移したのかもしれない。
春は環境が変わる時期であり、それに合わせて市場も動いた結果かもしれない。
しかし、活況のマンション事業は今後も続くのではないかと予想されます。
その理由をいくつか挙げてみましょう。
2.増え続ける駅近物件
マンション増加の要因のひとつに、駅近物件の増加がある。
JR北海道の本業である鉄道事業は、コロナの影響で赤字が続いており、ローカル路線を見直したものの収支均衡の見通しは立っていない。
そんな中、JR北海道は不動産で利益を上げようとしているのか、社有地を活用した不動産事業に参入した。
JR北海道が所有する土地を管理しているのは、北海道JR都市開発株式会社である。
もちろん、所有する土地は鉄道の駅周辺にあることが多いので、そこにビルやマンション、商業施設などを建てて利益を上げようということでしょう。
"駅近 "はJR北海道の "武器 "であり、私たちが不動産を探す際にも候補に挙がる物件が多い。
また、陸橋下は駐車場や貸し倉庫、看板などに利用されると見ている。
そして現在注目されているのは、JR桑園駅前の社宅(約3515坪の広大な施設)を解体し、AからC街区に区分けして分譲マンションや賃貸マンションを建設し再開発する予定です。
3.再開発の波によるマンション建設の増加
現在、札幌市内では多くの再開発が進行中で、商業施設、ホテル、マンション、病院などの大型プロジェクトがいくつも検討・建設されている。
例えば、札幌駅北口に直結する予定の北8条西1の「ONE札幌ステーションタワー」は、駅近・高価格にもかかわらず、資料請求時で人気が高かった。
札幌駅の反対側ということもあり、購入者には投資目的の人が多いのかもしれない。
周辺にはホテルや劇場、商業施設なども計画されている。
4.まとめ
以前に比べると、札幌もマンションや住宅の賃貸価格が非常に高くなっている。
現在、価格が下がることはなさそうだが、これは建築用鋼材の高騰が一因である。
一方で、札幌では空き家問題も顕著になってきている。
倒壊の恐れのある場所や景観上の問題がある場所は放置され、便利な場所ばかりが開発される傾向にあるのかもしれない。
どこの街でも同じことが言えると思うが、採算が見込めないと再開発はしない。
ただ、少子高齢化が進んでいるのであれば、マンションが増えれば空き家が増えるのではないかという疑問も残ってきます。。
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