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Old Taal Church Ruins, San Nicolas, Philippines, 旧タール教会跡、サンニコラス、フィリピン
旧タール教会跡は、ルソン島の南部のバタンガス州のサンニコラス(San Nicolas)という町にあります。サンニコラスはマニラから約100キロの位置にあり、人口2万4千人程の小さな町です。町はタール湖に面し、タール湖にある火山島の一部も含んでいます。現在はサンニコラスと呼ばれていますが、昔はタールという名前だったそうです。
16世紀後半にスペインが入植した際、アウグスティノ会がこの地に町を作り、教会も建てますが、18世紀半ばに発生したタール火山の噴火により大きな被害を受け、町と教会共に数キロ離れた現在のタールの町がある場所へ移動したそうです。タール火山は活発で直近では2020年1月に噴火、被害をもたらしています。
建物が放棄されてから約270年経過していますので、壁が残るだけです。想像となりますが、会堂の後方から前方を臨みます。幅は約15メートル、奥行きは約40~50メートル程でしょうか。小さく感じますが、16世紀に建てられたそうですので、当時は大きな教会だったことが伺えます。会堂に入ると一段低くなるような形状です。
壁の一部は崩れ、崩れた壁から草木が力強く生え、不思議な光景です。
会堂の中央辺りから後方方向。段差が見られます。
入口だったのか、壁が途切れているような箇所もあります。
会堂の前方。草が刈り取られ、管理されているようです。
会堂の前方部、カーブがかった壁が見られます。
再び会堂の後方方向。シンプルな長方形の会堂だったようです。
右側の壁が一段盛り上がり、こんもりとしています。鐘楼の跡なのか、いろいろと想像してしまいます。
会堂の外へ。
会堂の外には最近建てられたものと思われるいくつかの聖像が並んでいます。後で知りましたが、壁に丸く見えるものは珊瑚だそうです。
タール教会は、4世紀頃の聖人トゥールのマルティヌス(St. Martin de Tours)に捧げられており、言い伝えのマントの伝説の一場面を表した像。ヨーロッパでは守護聖人として有名だそうです。
立派な高い壁が残っています。
会堂跡の角を曲がるとタール湖までは直ぐです。
タール湖畔へ。強風で荒れ模様ですが、美しい風景が広がります。
数百メートルほどボードウォークがあります。
沖合にタール火山がある島が見えます。岸から島まで数キロ程だそうです。2020年1月の噴火から約1年経っていますが、いまだに荒れた様相。
地元の人や観光客らしき人もちらほらいます。
フィリピンでよく見かける町の名前を示すシンボル的なモニュメント。日差しにより白い文字が輝き美しい。フォトスポットになっています。
ボードウォークの端から直角に桟橋が伸びています。波が打ち寄せ、しぶきが入ってきます。
近くに雑貨屋などがあります。噴火やコロナで大変な日々ですが、穏やかな暮らしが守られることを祈ります。
2021年1月訪問。