The National Shrine of Our Lady of the Candles and Jaro Belfry, Iloilo City, ハロ教会、イロイロ、フィリピン
フィリピンのパナイ島のイロイロ市にあるNational Shrine of Our Lady of the Candles、ハロ(Jaro)地区にあることからハロ教会、Jaro Churchとも呼ばれます。イロイロもそうですが、ハロやモロといった名前が見られます。教会は16世紀後半に建立。18世紀に現在の場所に移り、1874年に現在の会堂の構造が建てられますが、1948年に発生した地震によりダメージを受け、1956年に再建。建築様式は、Romanesque Revivalだそうですが、ゴシック風の塔も見られ、リノベーションによりいろいろなスタイルが混在しているようです。通りを挟んだ向かいに鐘塔があり、教会から離れた位置にあります。
教会はOur Lady of the CandlesとSaint Elizabeth of Hungaryに捧げられています。Our Lady of the Candlesはキャンドルの聖母というのでしょうか、カナリア諸島の14世紀頃の伝説を発祥とし、スペインの隆盛により南米やカリブ海諸国に広まったようです。フィリピンにももたらされたと考えられますが、言い伝えでは16世紀後半に地元の漁師が浮かんでいる石造りの聖像を発見、引き上げ、ハロ教会に祀られるようになったそうです。石造りの聖像が浮かんでいた、引き上げる時や運ぶ時に重さが変化したといった不思議な話があるようです。西ビサヤ地方の守護聖人となっています。また、1874年に聖人の一人のSaint Elizabeth of Hungary に捧げられるようになったそうです。2012年にNational Shrineのステータスを得ています。
ドームや尖塔がある大きな教会です。
会堂正面にバルコニーのような構造物があり、階段を上った場所にOur Lady of the Candlesの聖像が設置されています。
会堂の中へ。青色の天井、薄黄色の壁、金色を基調とした祭壇が美しい調和となっています。会堂内の柱には、男性の聖人の聖像が設置されているそうです。同じイロイロ市のモロ(Molo)地区にあるParish of Saint Anne教会(モロ教会、Molo Church)には女性聖人の聖像が設置されており、意識されたものなのでしょうか。
右側から祭壇と左側の翼廊を望みます。祭壇部分は明るい彩による天井画や壁画が描かれています。
正面の祭壇。Our Lady of the Candlesの聖像が設置されています。右手に蝋燭を持っています。
天井ドーム。
左側から祭壇、翼廊を望みます。
翼廊は祭壇とは異なり、華やかな壁画や天井画は無く落ち着いた空間です。こちらは右側の翼廊。
左側の翼廊。バラの奇跡を示すSaint Elizabeth of Hungaryの像が設置されています。
会堂の後方。後方にも美しい天井画が描かれています。
会堂内には大小いろいろな像が設置されています。柔らかな光につつまれ穏やか雰囲気です。会堂右後方に設置される像。
会堂の入り口付近。
バルコニーに向かいます。左側から登り右側が下り口のようです。ケースの中にOur Lady of the Candlesの聖像が設置されています。
バルコニーは広くありません。少ししか上がりませんが、眺望はよく、正面に鐘塔、Jaro Belfryを望みます。
尖塔やバルコニーは後から追加されたようです。
Jaro Belfryと呼ばれる鐘塔は、18世紀半ばに建てられ、教会の鐘楼としてだけでなく、見張り台や時計台としても使用されたそうです。18世紀後半に発生した地震による被害を受けますが、19世紀に再建。その後も地震の被害を受けますが、1948年の地震の際の被害は軽微だったそうです。会堂の前から塔を望みます。3層の立派な塔です。
教会の前の公園、Jaro Plazaからの鐘塔。手前にフィリピンの国民的英雄ホセ・リサール像が見えます。
近くで塔を見ると時を経た風合いや傷みがみられます。塔の周辺では園芸用品が売られていました。
通りの反対側から教会を望みます。
2019年3月訪問。