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サボテンへの思いの丈を語る
フォロワーさんのツイートで思い出したんですけど、今日12月6日はサボテンのリリースから24周年の日らしいので、 ここで好きなだけ曲についての愛を語ってみようと思います。
というのもわたし、サボテンがポルノのシングル曲の中で5本指の中に入るほど好きな曲なので、まだライブでは聴いたことないもののかなり思い入れのある曲なんですよね。
愛語りでもすればいつか生で浴びれるだろうということで、長々と書いていきますのでどうぞよろしく
あとこの文章の中ではポルノのインディーズ時代やデビューから間もない頃の話も長々としますが、わたしはそのとき普通に生まれてなかったので、新規ファンが当時を知ったかぶってるみたいに見えたらほんとごめんなさい。
インディーズ時代から大切にされてきた曲
サボテンの何が好きかって、まずインディーズから何回も歌詞とかアレンジが変わってるから、いちばん聴く人の心に響く形で、しかもMアワとサウダージが爆売れした後の最善のタイミングでリリースしようっていう風にメンバーからとにかく大事にされてるところですよ。
特に歌詞はインディーズ時代から何度も書き換えられてて、デビュー後のサボテンでは晴一さん自身が思うこの曲につけるべき歌詞にやっと納得できたというか、この曲で伝えたいことがはっきりした、みたいなところがあると思うんですよ
(インディーズ版の歌詞が劣ってるとかそういうことを言いたいんじゃなく。なんならサボテン'99はめちゃくちゃ好きです)
Tama流の"沁みる"聴かせかた
曲に関してもたまちゃんさんにしか書けない唯一無二な雰囲気がありまくりで、サボテン'99のポップな雰囲気とは打って変わって"沁みる"ってことを重点的に作られてる感がありますよね。
インディーズのジレンマとか聴いたことある人なら共感してくれると思うんですけど、それと比べればサボテンではポルノ特有の尖りぐあいがかなり削られてる気がします。
だってもうめちゃくちゃ泣かせにきてるじゃないですかあのメロディ。とてもJazz upの人とは思えないですね。
イントロの溢れ出るnang-chang感も、間奏のゆったりしたギターのメロディもサボテン'99にはないし、なんならキーも違うし、ベースの動きもなんかすげえし。
サボテンのベースってほんとすごいんですよ、基本低音でベースらしく曲を支えてると思いきやサビ前やアウトロの途中で唐突に高くなるところとかがあるんです。
じぶん本当にそういうベースライン大好きなんで、マジでこれ見た全員サボテンのベース聴いてきてください。
繊細な「君」を追いかける「僕」
歌詞の話は上の方でもしましたが、サボテンはポルノの曲の中でもトップクラスに歌詞が好きな曲で、あれだけでは足りなかったのでもう一度。。。
個人的になんですけど、この曲って本来なら主人公がさらっと「君」に見限られて終わり、でも何らおかしくなかったはずだと思うんです。「君」が突然雨の中へ飛び出していくほどのひどいことを主人公はしていたはずなので。
恋人という響きに すべて委ねて 顧ることもなくて 君が側にいてくれることも 惜しみない愛にも慣れていたんだね
もしくは、歌詞から見るに、主人公の普段の些細な言動によった傷がだんだんと蓄積していって、ある日突然それが爆発した、みたいなパターンもありそう。
だけど彼のことは傷つけたくないから、そっと主人公の前から姿を消す。それが自分も傷つかないための最善の方法だったんでしょうね。
そう考えると、サボテンの歌詞の「君」って、すごく繊細な人だったんだなぁと。
だからこそ最後に「君」が主人公を許すことができたのもこの「君」の奥ゆかしさや心の広さがあったからだと思うし、
「これからは前よりも君を大切にする」という主人公の誠意が見れたことにもよるんじゃないかと思います。一度失ってしまった信頼を取り戻すのは相当難しいでしょうけどね。。。
あとサボテンの歌詞においての大きな特徴というか、有力な説?というか、そういうのとして
「『サボテン』を『ふたりの象徴』、『水』を『愛情』として書いている」
みたいなのがあるんですけど。
こんな日にでも 君ときたら 水をあげてる 溢れるくらい水をあげてる
「君」はどんな時も「僕」に水、すなわち愛情を注ぎ続けてくれていたけど、僕はいつしかそれに慣れてしまっていたから。。。ってこと。
注がれている愛情に慣れてしまう、これって恋人っていう関係においてマジで最悪なパターンだと思うんですけど、現にこの曲ではそれがもうかなり前から起こっちゃってたわけじゃないですか。
それを思えば主人公は出ていった「君」に合わせる顔なんてないだろうし、「待ってくれ」なんて図々しいこと言えるわけもない。Aokageの歌詞じゃないですけど笑
だけどせめて雨の中君を追いかけることで主人公はもう一度チャンスを得ることができた、けどあくまでもこの後このふたりが円満な関係に戻ることができたかまでは語られておらず、これから再出発というところで曲が終わる。そんな歌詞の絶妙さが好きです。
それでは歌詞パートのさいごに、3つのバージョンのサボテンのラスサビの歌詞を置いておきます。
何処に行くの?こんな雨の中 今日も同じ事して 僕ら同じさどこにもいけない 身を寄せ合うしかないよ 小さな鉢に生きてる
何処に行こうか こんな雨の中 どんな言葉交わそうか 僕らきっと上手くやれるはず ほら薄日も差してきた 小さな花を咲かそう
何処に居るの?こんな雨の中 僕の気持ち見つかった 僕らきっとうまくやれるはず ほら、薄日も射してきた 小さな花を咲かそう
極めつけは涙腺を悉く破壊するボーカル
サボテン'99は比較的ポップなアレンジだとさっき書きましたけど、曲がポップであればボーカルも少なからずそういう方向に寄っていくわけで。
インディーズ版のサボテンは昭仁さんらしいバイタリティあふれる歌い方が特徴的でしたけど、デビュー後のサボテンではそういう荒削り感が完全になくなってて、とにかくしっとりしてる。まさに「雨」ですよね。
わたしサボテンの中で一番好きなフレーズが最後の「小さな花を咲かそう」なんですけど、歌詞だけじゃなくてそこの歌い方もめちゃくちゃ好きなんです。
「咲かそう」の声の伸びがもう。。。綺麗すぎて。。。。
こういう曲はアーティストのキャリアが増せば増すほど曲のほうもよりすんなり入ってくるというか、ボーカルの説得力も上がるので、今の昭仁さんの声で聴くサボテンは最高に沁みると思うんです。
も〜ライブで聴けるまで絶対に諦めない。
「別バージョン」の存在
サボテンにこれだけ触れたのなら、そのカップリングとして収録されてる「サボテン Sonority」にも少し触れておきましょう。
Sonorityのさらにしっとり度を上げたアレンジは大好きで、どこかに「君」を失った主人公のやるせない気持ちだとか、後悔の念だとかが曲に存分に表れててすっごい良き。
言葉を過去形に変えるだけでこれだけ喪失感が増すんだと初見ですごく驚きましたよね、恐るべし。。。
そして、この曲の最後の
「もう 朝日も射してきた 小さな花を見せたい」
っていう一節。
Sonorityでは「ほら、」の部分が「もう」に変わってるんですけど、このバージョンだと一晩中「君」を探し続けていたのに、みたいなニュアンスの文章になってる。
さらに「小さな花を見せたい」、これほんとにやばいんですよ、前の「僕の気持ち何処へ行った?」も相まってね。聴いてるこっちが一番辛いわほんとに。
わたし若干闇深めなストーリーが好きなので、主人公が救われなかったバージョンがあるのはめちゃくちゃに嬉しいです笑。
まとめ
そんな感じで長々とサボテンへの愛を綴ってみました。本当はもっと書きたかったんですけど、日付も変わりそうなので今回はこのへんで。
この曲を初めて聴いたときはほんとに晴一さんの作詞力にぶん殴られた感じがしましたね。
今でも聴くたびに同じような気持ちになるし、飽きるとか考えられないくらい。
歌詞や歌だけでなくたまちゃんさんの作る曲にも深い興味を持たせてくれた1曲、これからも大切に聴き続けます。
それではまた次の記事で!