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ヒラリヒラリと舞い遊ぶように姿見せたアゲハ蝶


曲が始まった瞬間の衝撃は忘れない。まずこれは日本の曲?という趣旨の気持ちがあった。今までに聴いたことがないラテン系のメロディに、またしても聴いたことがない特徴的な歌声が合わさって聴こえる。

例えるなら、赤ちゃんが生まれて初めて世界の音を聴いたかのような衝撃だった。(例えが大きい)


何年も経って見つけたけど、その時見ていた番組は「1番ソングSHOW」。

歌っている人は有名な歌手で、曲も過去に売れた名曲らしい。曲の途中、ひな壇を見ると他の歌手も手拍子で盛り上がっていた。そんなにみんな知っている曲なんだな、曲名はなんていうんだろう……

ぼうっとテレビを眺めていた頭に、

「アゲハ蝶」「ポルノグラフィティ」という単語が刻まれる。


今、その時の記憶を掘り起こしながら書いているけど、なんとなく照明がオレンジ色だった事も思い出した。オレンジ色のライトに照らされる男の人が2人、衣装は確か黒っぽくて、歌声がとにかく聴いたことがないもので……とにかくこれは一大事だ!って頭に危険信号が鳴ったような感じだった。


小学5、6年生だった当時、周りの友達はみんな好きなアーティストがいて、私はそんなみんなが羨ましかった。テレビから流行りの曲は何度も流れてくるから、見ていればいつの間にか覚える。でもそれだけだなあと思っていた。私もアーティストにハマりたい!と常日頃思っていた。

そんな時、何となく付けていたテレビから流れてきた音楽。これは本当に一目惚れの耳バージョンだった。何このメロディと声!聴いたことない!子ども心にボーカルの人の声と歌い方は只者じゃないと思った。

今考えても本当に只者じゃない。

ヒラリヒラリとどころではない。


その日から私は歌番組の出演者の欄を見て「ポルノグラフィティ」の文字を追い始めた。Mステを見るようになったり、夏の特番の音楽番組も楽しみになった。


夏のMステスーパーライブでポルノグラフィティが聞いたことのない歌を歌っていた。

ボーカルの人がなぜか走りながら歌っている。客席を一周するとステージに戻ってきてバズーカを発射させた。あまりの速さにびっくりしていたけど、歌手の人って走りながら歌えるものなの?と目を疑ったことを覚えている。

この時聴いた曲は「ハネウマライダー」だった。会場はとても広い所でお客さんもたくさん入っているのに、対して、演者は二人。

それなのに、この空間に隙間が感じられないぐらい熱気でパンパンに思えた。この盛り上がりようを創るのが一流アーティストか!と思った。


歌番組を何となく見る、からポルノグラフィティが出るから見る、に変わった。これは私にもハマったアーティストが出来たんじゃない?と本当に嬉しかった。



そして現在、ロマポルに行った私から。

表題が「狼」じゃなくて良かった!!!!(個人的に)

当時ガキンチョの私は「男なんてララララ」には惹かれなかった可能性大だから。

もしその時出会わなくて、今も知らなかったら…なんて事を考えると軽くゾッとしてしまう。あの時テレビを見ていて良かった、人生が軽く変わったと思う。11歳の私にナイス!って言いにタイムスリップしたい。

一生大好きなアーティストに出会えたよ、私、珍しくやるじゃん!ありがとうって。

おわり








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