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活版印刷体験レポ

in 印刷博物館

という訳である。


まず結論。とっても楽しかった!



概要


という訳で、今回私が参加したのは、飯田橋から徒歩13分の印刷博物館で行われたこちらのイベント。

 印刷工房のイベント 活版印刷体験
https://www.printing-museum.org/experience/studioevent/



所要時間30分。 

参加費は入館料の400円のみ。

それでコースターが5枚も作れてしまうのだ。

素晴らしすぎる。


参加者は6名まで。


ガラス張りの工房の中で、スタッフさんに教えていただく。



いざスタート






まず何を刷るか考えていかなかったのだが、今回選べたのはアルファベットのみ

大文字と小文字、あとは複数の記号などだ。


ちなみにコロナ前は和文で栞やレターセットなどの体験もあったらしい。
落ち着いたらぜひ参加したい。


まず自分の位置に案内され、このような感じにセットがされていた。


選べる文字はこの中にあるものとなる。



そして、コースターの柄はこの5種類。
公式の画像を拝借。


と思ったら柄が違った。
今回はこちらの5種だった。

がんばってみたが画像は曲がった。



①文字決め

最初に活版印刷の歴史や置いてあるものの説明などをさらっと説明を聞き、さっそく作業に突入する。

まずは、何を刷るのか文字を決めるところからだ。

だいたい20文字以内とのこと。


決められなかったら、例文として「HAPPY BIRTHDAY」などがいくつか張り出されていたのでそちらでも良さそうだ。



私が刷ることにしたのは「CLUB UNDERWOLD」という単語。
一定の層にはピンと来るはずだ。そう!ポルノグラフィティの曲名だ。

曲名にすることは決めていて、コースターときたらこれしかない!!と即決した。

バランス的には、せっかくだから小文字や記号が入ったものでも良かったかな(Let's go to the answerとか)とも思ったが、コースターだから今回は良し!


決まったら真ん中に置いてある紙に単語を書く。

この紙を確かめながら文字を並べていくことになるのだ。


②文字組み

続いて、紙を見ながら、棚から順番に文字を探す。

そして、手前にある金属の定規のようなものに並べていく。

幅は、今回作るコースターの大きさに合わせてスタッフさんがあらかじめ設定しておいてくれた。


文字が自分から見えるように、そして活版についた溝(ネッキという名前らしい)は上(奥側)に向ける。

ネッキは活版の下側の印なのだが、つまり元の文字を頭から順番に選んで、この向きで並べていくと、逆さに進んでいくという訳だ。

ここが少し頭が混乱する。

置かれていた組版を例に取るとこういうことになる。

ややこしい。でもそこが好き。


さて、文字を組んだら隙間を埋めます。


この上が切れている説明にチラッと載っています。


さっき並べた文字を左詰めから真ん中へ移動して、両脇にこのクワタ(こめもの?と呼んでいたかも。「米もの」かと思って聞いていたが「込め物」かもしれない)を大きい順に詰めていく。


③セッティングと印刷

さて文字が組めたら、最後に定規の右にある薄い板で蓋をして、そこからはスタッフさんの華麗な手さばき!まさにあれよあれよだ。

まず引き出しからすっと出した金づちと箱のようなもので、活版の頭を揃える。

でこぼこだと印刷にムラができてしまうので。

そして整えた活版を左にあった印刷機にはめていく。
これはどうやらコツがいるらしい。

紙(今回はコースター)も手前にセットする。


今回使用した印刷機はこちら。

「あだな」というらしい。

左の脇に表記があると教えてもらった。

かわいい。

さて、スタッフさんの実演を見て、さっそく印刷へ。


手前のハンドルを合計3回下ろすのだそうだ。

ハンドルを下ろすと下に降りているローラーが上がってきて、黒い丸い部分のインクがローラーに付く。

最初の2回は丸の半分にかかるくらいまで、完全におろし切らないところまででハンドルを戻す。

そして3回目でハンドルを下ろしきり、紙にインクを圧着させる、ということらしい。



試し刷りを含めて計6枚、意外と硬いハンドルを18回押し込んだ。

インクは油性で、乾くまでに1日かかるとのことだった。

お持ち帰り用のわら半紙にそっと挟んで、袋にしまって、体験は終了となる。


ちなみに、希望者は残ってスタッフさんにあれこれ質問もOK。写真撮影も自由にOKとのことだった。



終わってみて

色んなことを知れた!

・活版が原材料に鉛も含まれていてやわらかいから、大切に扱うこと
・イラストなどはパソコンのデータから樹脂で版を作れること
・ルビ用の本当に本当に小さい活版も、ピンセットなどは使わず(傷がついてしまうため)手で扱うこと

などなど…

ちなみに私がいちばん感動したのはこのルビ用の活版の小ささだ。

ピントが合わないほど小さかった。

爪楊枝の先くらい。

こんなに小さなものを、例えば新聞なんて毎日あるものなのに、毎回毎回集めて並べて、揃えていたのだろうかと。

そう思うと本当に気が遠くなるような作業である。

今回はコースターだからまだなんとかなったが、本当に、漢字やひらがなを探して集めて、となると本当に大変そうだ。

でも、そういう作業が嫌いじゃない。

また挑戦してみたいなと思った。

そして、大人の科学の小さな活版印刷機にそそられているなんてそんなことは無い。無いったらない。

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