【9/6勉強会記録帖-11】県外から就職の保育士に一時金50万円についてどう思いますか?
2020年9月6日に「徳島の未来を守る会」が主催した、山本武生徳島市議会議員を招いてのオンライン勉強会の記録を共有いたします。
Zoomで参加してくださったみなさまからも、直接山本市議にたくさん質問をいただき、とても活発な意見交換ができました。
《山本市議への質問11》
県外から就職の保育士に一時金50万円支給すると言われていますが、これに関して山本さんはどう思いますか?
《山本市議の回答》
文教厚生委員会でもその話がありました。
「保育士を確保するために県外の保育士の就労促進補助」という提案です。
県外の保育所やこども園等で3年以上経験のある方が徳島市の私立の認可保育所またはこども園に就職した場合は一時金として50万円支払うという計画で、20人程度を想定しているとのことです。
そして、1年間は勤めてもらわないといけないので、勤め始めて1年経ったら50万円支払います、という計画だそうです。
そもそも賃金の高い都会から
移住してまで徳島市で就職をする経験者がいるのか?
これに関しては文教厚生委員会で私も意見を言わせていただきました。
関東なんかですと、徳島市と比べ給料でだいたい6万円くらい月給が高いです。
さらに住宅補助というのが行政から支給されているので、恐らく待遇面だけを考えると関東圏からはたぶん1人もこないと思います。
そして、住宅手当とかもともとの給料の違いで言えば徳島と比べて年間150万くらい違いますので、50万円もらっても赤字ということになります。
どうやって告知するのかも疑問
さらにもうひとつ委員会で尋ねました。
「50万円支給します」ということを、どうやってお知らせするのですかと。
そうすると「中四国関西に約200近くの養成校があるので、そこにご案内させていただきます」というお話でした。
私はかつて大学を営んでいる学校法人で勤めてた経験があり、こうした保育士・幼稚園教諭の養成もしていました。
で、実際こういった通知はくるんですけども、今回の場合は「3年間の経験がないといけない」ということなので、在校生に声をかけることができません。
卒業生に声かけるということは、ほぼ無理です。
もし卒業生がたまたま相談にきてくれたら、「こんなんあるよ」ということは説明はできるかもしれませんが、養成校として多くの卒業生に対して徳島市の情報だけを案内するのはかなり難しいと思います。
ですので「この50万円もらえる人」っていうのは、たまたま結婚等で徳島市に来られて、保育士(資格)持たれてて、就職したから、50万もらえたみたいな人になると思うんです。
雇う側の心情も
そして、雇う側の徳島市で保育施設を営んでいる方に話を聞いてみると「この50万円をもらう人を雇いたくない」と言ってました。
なぜかというと、例えば2人3人同時に雇った場合、徳島市出身者でそのままその施設に就職した方は50万もらえないんですね。
一方で同じタイミングで県外から就職した人は50万もらえます。
同じ仕事をしているのに、もらえない方はいい気分がしませんよね。
なので「雇えません」と言っていました。
こうしたことから、この「50万円の一時金を支給」という事による保育士確保は非常に難しいのではないかと感じています。
統計的に見ても残る疑問
委員会で配布された資料をみると、「約20名の方」に「50万円の一時金を支給」することで0才から2才児が約60人から120人の受け入れの拡大ができると書いてるのだけれども、これは難しいかなと。
たまたま条件に当てはまった人が入ってきてくれることはあるかもしれないけど、それを言っていたらたまたま出ていく人もいます。
残念ながら今の徳島市人口の流入と流出を見て割合というか統計学で言ったらどう考えても出て行ってる人の方が多いです。
そうするとたまたま保育士が入ってくる確率より、たまたま出ていく可能性の方が高いと言えます。
だから「この50万円を目指して保育士が増える」ということは難しいのではないかと、私自身は思っております。
山本市議の「紙面演説」もぜひ併せてご覧ください
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