《Youtube》内藤市長が前市長に4億6千万の請求?! ❸ 不可解な高額請求を徹底検証
新町西地区開発問題は3回シリーズでお伝えしています。
3本目は「遠藤前市長への不可解な4.6億円もの高額請求を徹底検証」についてお伝えします。
映像は全部で約12分です。
これまで、2回の動画で新町西再開発事業の問題点、遠藤市政が白紙撤回をした経緯を解説いただきました。
続いてこの3回目の動画では、その遠藤元市長に対して4億6千万円の高額請求をした内藤市長の主張と論点を検証します。
今回のテーマはこちらです。
行政から個人に対してこのような高額請求をすることはよくあることなのか
(桐山)
7月に徳島市から遠藤前市長のところへ4億円6千万円もの請求書が届きました。とてつもない金額です。
この請求書に対し、内藤市長は「前市長が自身の不法行為により市に損害を与えたことを認め、期限内に納付されるよう求めます」と記者会見で述べています。
このように市から個人に対して請求をする事自体はよくあることでしょうか?
(久次米)
市会議員を30年以上続けていましたが聞いたことはありません。
(桐山)
遠藤元市長の不法行為と言っていますが、それはどのような行為でしょうか?
(久次米)
不法行為というと、法律上で間違った行動という印象を与えますが、今回の場合はそういう行為ではありません。
ちょっと複雑なので順を追って説明をします。
今回は徳島市という行政機関と遠藤元市長を分けて考える必要があります。まず、徳島市と組合の間で起こった不法行為についてです。
前回の動画でもお伝えしましたが、新町西再開発白紙撤回を公約に掲げた遠藤前市長は、就任してすぐにこの認可申請を不認可にする処理をしています。
組合からみれば、これまでは市が先導して事業を進めてきたのにそれを突然中止にされた。「どういうことだ!」となるのは当たり前ですよね。
市としては、とりやめる形にならざるを得なかったので、その不法行為に対して支払ったものが内藤市長が支払った和解金だったわけです。
一方の裁判では遠藤市長の不認可処分は適法であったと認められている。
だから本当はこの徳島市から組合への支払いは損害賠償ではなく、損失補償です。
(桐山)
損失補償と損害賠償は違うんでしょうか。
(久次米)
適法な行為にともなうものが損失補償で、違法行為に伴うものが損害賠償です。
今回は2つの裁判があったのでややこしくなっていますが、先の裁判で遠藤前市長の不認可処分は市長の裁量権で認められるとされてるのだから、適法な行為にともなう損失補償です。
(桐山)
例えばどのようなことが今回のケースに当てはまりますか?
(久次米)
今回は適法な行為にともなう損失補償なので、例えばコロナ禍における飲食店への時短要請がありましたよね。時短営業すると売り上げが落ち、大変になる。時短要請を出した県の方から飲食店に補償金を出す。こうしたことが適法な行為にともなう損失補償です。
もちろん、遠藤前市長も組合に対して損失補償をすると何度も明言されています。
じゃあいくら出すのか?
新町西再開発は莫大な金額が動いていましたので、すぐには金額は決められない。その金額を裁判所に決めてもらおうということで遠藤前市長は動いておられました。
組合が最初に提示したのは、6億5千万円でしたが、裁判所が初めに提示したのは3億5千万円と倍に近い開きがありました。
実は、組合が請求をした金額は領収書もなく額がでたらめだったため裁判所に決定をしてもらったという背景があるようですが、裁判所の決定は妥当だと思います。
▼遠藤市政時に出た第一審の判決は3.5億円の賠償でした
▼内藤市長になって出た第二審は4.1億円の賠償でした
(桐山)
組合に対して徳島市が損失補償金を支払ったことは理解できました。
それがなぜ遠藤元市長個人に請求をされるんでしょうか?
(久次米)
それが不可解なんです。
組織の決定に対して遠藤元市長が業務の範囲を超えて関与したり、あるいは徳島市にとって明らかにマイナスになるような決定をしていれば個人の責任になる可能性はありますが、この決定が市長の業務として適法だったことは裁判の判決で確定しています。
裁判所は、「進みかけていた事業を止めたので法的責任の範囲内で和解金は支払いなさい」という判断ですね。
(桐山)
内藤市長の記者会見での印象と大きく違いますね。
(久次米)
少なくとも市長としては民意を受け公約を守るために職務をまっとうされていたわけですから、記者会見で主張されている通りだと思います。
事実を知っている人間からすると、とてもじゃないが個人への請求はあり得ないし、理解ができない。
(桐山)
遠藤さんの会見でもありましたが、請求書には請求に対する背景や法的根拠は書いていない粗雑な請求書であったそうですね。
また、支払期日を過ぎても遠藤さん側に何もアクションをしていないとも言われています。
徳島市は本気で請求をしているのでしょうか?
(久次米)
本気で請求する気はないんでしょう。
遠藤さんが2度記者会見しているにも関わらずそれに対して一切の反論がない。自分たちでも請求の根拠がないことを分かってるんじゃないですかね。裁判に持ち込んだら負けるのは自分たちなので。
(桐山)
内藤市長はなんのためにこんなことをしてるんでしょうか?
(久次米)
本当に誰も幸せにならない行為。目的はまったくわかりません。
ただあるとすると、ここからは推測でしかありませんがあるとすると2つくらいでしょうか。
一つ目は、今度の選挙を視野に入れて、対立候補となる遠藤元市長の悪印象を皆さんつけること。新聞でもTVでも大きく取り上げられましたからね、遠藤元市長の悪印象はだいぶ広まったんじゃないですか?
(桐山)
私も新聞で見たときは、あたかも遠藤元市長の過去の悪事が暴かれたような印象を持ちました。そういった誤った印象が定着しなければいいんですが。
(久次米)
マスメディアは既存権力の味方ですからね。
そこを超えて自分で情報を掴む方でないとなかなか正しい姿の把握が難しい。困った社会になってしまっていますね。
(桐山)
もう一つの内藤市長の狙いとは何でしょうか?
(久次米)
もう一つは新町西地区の再開発をもう一度進めること。
遠藤市長に強硬な姿勢を見せていた新町西地区の組合の方ですが、
内藤市長が「対話」に向かった時、とても和やかな雰囲気で話をしているように見えます。
あれほど民意で反対をされていた事業なんですが、ほとぼりが冷めたら復活を狙っているんじゃないでしょうか。
現に今、新町西にマンションを2つ建てる計画や明治安田生命ビルをホテルにする計画が持ち上がっています。
(桐山)
なるほど、確かに新町西地区の再開発を止めた遠藤元市長が悪いような印象を受けたので、事業そのものが適正だった印象を持った方も多かったかもしれませんね。
(久次米)
まさしく我々が危惧する事です。
特に今回の遠藤元市長への請求に関しては、遠藤元市長個人だけでなく、過去の多くの方々の反対運動や運動を支援した方々の気持ちを踏みにじる非常に悪質な行為だと思いますし、マスメディアを使って市民の印象を操作する卑劣な市長を許しては本当にいけないと思います。
このままだと徳島市政は大変なことになると思います。
(桐山)
久次米さん、ありがとうございました。