![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33609668/rectangle_large_type_2_9e6d15b35c4a314b021a6e517d0f9075.jpg?width=1200)
内藤市政の代替案は、子育て世代のニーズに合っているのか?
来年度からの市立幼稚園の時間延長を発表した徳島市
8月29日付の徳島新聞で、徳島市は保育所待機児童解消対策として、
来年4月から市立幼稚園7園で保育時間を延長することを検討していると報じられました。
これは、6月議会で内藤佐和子市長が「自らの政策判断」として見直しを決めた私立認定こども園・保育園の施設整備補助事業の代替案となるそうです。
徳島新聞によると、
現在午前8時半〜午後4時半となっている市立幼稚園の保育時間を、
来年度から午前7時半〜午後6時に3時間延長するとのこと。
保育時間を延長する幼稚園は
助任、福島、千松、八万、加茂名、川内北、国府の7箇所。
また、この時間延長と併せて、県外から徳島市の私立保育施設へ就職する保育士に50万円の一時金を支給し、保育士を増やすことも検討していると報じられています。
そもそも幼稚園の時間延長が、待機児童解消となるのか?
「幼稚園」「保育園」「認定こども園」は管轄する省庁が異なり、その目的も大きく異なっています。
「幼稚園」は文部科学省が管轄する「学校」
「保育園」は厚生労働省が管轄する「児童福祉施設」
「認定こども園」は文部科学省や厚生労働省とも連携しながら内閣府が管轄する「幼児教育・保育を一体的に行う施設」です。
子どもを預ける保護者の立場から見てみるとその違いは明白です。
保育園は就業している親に代わって「保育」を行うところ。
よって保護者が就労していないと預けることができません。
一方、幼稚園は決められた年齢になれば入園することができます。
そして2006年に制度がスタートした認定こども園は保護者が働いている・いないにかかわらず子どもを預けることができます。
《出典》住まいの情報ナビ
https://www.e-life.jp/column/nursery_school_or_preschool/page02.html
保育施設などの利用を希望する場合は、住んでいる市町村から利用のための認定を受ける必要があります。内閣府のホームページに記載されている「認定区分」と利用できる保育施設は下記の通りとなっています。
認定こども園は「次世代育成支援」の施策(=国策)の一つ「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」に基づいて行われます。
内閣府のホームページには、地域の実情に応じて「認定こども園」の普及を図ると記載されています。
《参考》よくわかる「子ども・子育て支援新制度」(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/sukusuku.html
今の時代の市民ニーズに合っている...?
内藤市長は、なぜ「幼稚園」にこだわり続けるのか
3月議会で徳島市が決定していたことは「私立認定こども園・保育施設」を7施設新たに創設すること。
総工費約16億円の事業のうち多くは国・県からの交付金などで賄え、徳島市の負担は2億円でした。
4月に新たに徳島市長に就任した内藤佐和子市長は、この補助事業を財政難を理由に既に内示が決まっていた厚生労働省からの交付金を「自らの政策判断」として6月議会で取り止めを決めました。
《参考》厚生労働省からのアドバイス...?
https://note.com/pftokushima/n/n5f3be1a4303b
そうして代替案として出されたのが今回の案です。
保育時間が午前7時半〜午後6時に延長されたとしても、子どもを預ける幼稚園が職場や家庭から遠ければ、この時間内に送り迎えすることは難しいです。
そして、ネックとなるのがお弁当の問題。
現在、徳島の市立幼稚園では給食がないため、毎日お子さんにお弁当を持たせなくてはなりません。それは働く保護者の方々にとっては大きな負担となり、現代の子育て世代のニーズに合っているとは言い難いです。
もし市立幼稚園で給食を提供するとなったら、そのためにかかる費用はイニシャルコスト・ランニングコストも膨大に必要となります。
また、市立幼稚園の教員の人件費は徳島市の税金で賄われます。保育時間延長や新規雇用が増えると、退職金も含めて生涯賃金として徳島市が職員に支払う費用はこれまで以上に増えることになるのではないでしょうか。
とすれば、「財政難」を理由に民間保育施設の補助を取りやめた内藤佐和子市長の政策との整合性が図れません。
なぜ内藤市長はここまで「幼稚園教育」にこだわり続けるのでしょう...。
市民の声
この報道を受けて、Twitterでは徳島市政に関心を寄せる多くの方々から冷静な批判の声が多く寄せられました。
こんなやり方するなら最初から撤回した案を進めていればよかったのでは?幼稚園の時間延長しても毎日弁当作る余裕あるお母さんがどれくらいいるの?森本議員に忖度?幼稚園の署名には答えても、撤回反対の署名はスルー。所詮絵に描いた餅の改革にしか見えない。勿論これを2億以内でやるんよな!? pic.twitter.com/D6t7aMYqXn
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
これは幼稚園教諭の確保の目処が立っての計画か?でなければ正規職員の残業代とからちゃんと計算してるのか?
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
県外から就職する保育士に一時金50万だけの意味が分からない。保育士の月額の給料が増えなければ、意味がない。結局、ニーズが高い保育園ではなく、幼稚園を推進するのはなぜなのでしょう。あと、この政策を行う上で予算がどれぐらい掛かかるのか?
— ライスマン (@NNXyhVRT5VerX07) August 29, 2020
幼稚園を推進する理由→他に案が無かったから。内藤市長を応援されてる森本市議の意向を組んだ、ではないでしょうか?(一個人の見解です)
— toya (@seabluetoyaO12) August 29, 2020
森本市議もこれが対案になるかどうかわからないとご自分で書いていたと思います。
明らかに苦し紛れです。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
失敗したら必殺事務方が…。
でまた職員のしっぽ切りでしょうね。
ブラックボックス
— toya (@seabluetoyaO12) August 29, 2020
延長だけでは、保育所から幼稚園に、行かせよう!とはなかなかならないです。実際、福島幼稚園が数年前にテスト的に延長保育してましたが、利用者は少なかったそうです。
— ポテト (@potetohedka) August 29, 2020
そうなんです。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
徳島市のPTAは何年も前から預かり時間の要望をしてきて市がそれに答えてないのは総合的に判断してメリットよりデメリットが多かったからですよね。
この対案を喜んだり受け入れてる方もいますが、7事業所の民間主体の案より優れているとは思えません。結局ランニングコストは全て市が負担でしょう。これのどこが官民学の力を頼っているのか。
— toya (@seabluetoyaO12) August 29, 2020
他に案がなかったとしか思えません。
森本市議の説明がうやむやだっただけに、疑問を感じます。
表面上ランニングコストを懸念して撤回したはずなのに、ランニングコスト大きいですよね。ここでも辻褄が合いませんね。幼稚園の3歳児の受け入れが増えたのはいいと思いますが、幼稚園教諭新規採用でもしなければ人員足りないでしょうね。そのお金も含めてどれだけ予算が膨れ上がるんですかね。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
新居記者も『それでも足りてない』って意味合いの事を書いてくれたらいいのに…
— 阿波錦 (@awanishiki) August 29, 2020
ほんとに10年以上も前から言い続けてきて出来なかったことが今更出来るはずもなく、何故それを今頃こども園やめて幼稚園に園児を増やそう!と、いう考えになるのか。今までの動きを全く知らない人たちばかりなんでしょうか。時間と税金の無駄遣いばかりしてます!!
— ポテト (@potetohedka) August 29, 2020
まったくその通りです。私も幼稚園に関わって来た事もありました。毎年PTAの代表が教諭の増員、預かり延長、給食実施を教育長や市長に直接要望してきたけど、今までずっとゼロ回答でした。だからもっと実現の可能性のある事を要望したらって指摘もしてきました。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
そうですよね…毎年毎年、延長保育!給食!って言ってきて10年以上経ちました。閉園の幼稚園がこれから出てくるから教諭の確保は大丈夫!と言ってるそうですが、何とも腹ただしい😣結局税金かけて延長保育しても衰退に向かうと思ってしまいます。そもそも保育所と違ってPTA活動が負担になりますから。
— ポテト (@potetohedka) August 29, 2020
しかも小中のPTAと違って保護者の方がはっきり言ってヌルいです。話が前に進まない。建設的な話が出来ない。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
ある意味今の市政に似てるかも。あくまで私の関わっていた時代の話です。
PTA活動に加えて、幼稚園の行事も仕事をしている親からするとかなり厳しいです。
— chambord (@chambord3098) August 29, 2020
そうかもしれませんね。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
私は子どもたちのためにそれが当たり前と言う感覚でやってましたが、皆さんがそうではないですよね。視野とかも広がって私にはよかったんですが、いろんな事情抱えてる方もいますよね。反省です。
いえ、親と子で一緒に学べる環境はいいと思います。それが出来るご家庭とそうではないご家庭があるのが難しいですよね。逆に言うと認定子ども園だと1号認定の方が少ない割合になるので、
— chambord (@chambord3098) August 29, 2020
続く
遊んでいても先に帰らないとならず、子どもが寂しそうだという声も聞きます。子どもたちも親も無理せず、穏やかな気持ちで子育てできるのが一番だと思います。
— chambord (@chambord3098) August 29, 2020
苦肉の代替案のような気がしますね💦まぁ代替案にもなってませんが!前進どころか逆戻りです😥延長するなら同時に給食もしないと結局幼稚園は全て閉園に向かうと思いますね。
— ポテト (@potetohedka) August 29, 2020
給食やるとなったら予算膨大ですよ。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
だから市は今まで子ども園に動いてましたからね。
私も幼稚園教育大賛成ですが、徳島市での現状ではニーズに合わなくなってきてますね。だからこそのハイブリッドな子ども園なんだと思うんですが。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
親の負担がすごく大きいですよね😅それが良い!という保護者は最初から延長保育なくても幼稚園を選んでると思います。幼稚園入園して、ついていけずに保育所に転園する人も多かったです。
— ポテト (@potetohedka) August 29, 2020
内藤市長が一般の会社の実情をわかっていないと言うことがよくわかります。この時間延長って8〜5時の就業時間前提ですよね。世の中全部それだと思ってます?
— ゆめパパ (@yumepapa419) August 29, 2020
最後の方に新築とか何とか書いてるけど市が補助金出したりしないですよね。 https://t.co/1yYzhEw2qb
この案で行くので、国から援助を受けなくても大丈夫ですって言って、そうですか分かりましたってなったんだろうか?
— ゆめパパ (@yumepapa419) August 29, 2020
納得できてないから、ちょっと考えたら?みたいな返答がきてるんじゃないの?あと、数字を使って説明は良いけど分かりにくい。もうちょっとまとめて図にするとか工夫してほしい。 https://t.co/1yYzhEw2qb
一時金にしても配るのはいいですが、必ずそれ目当てで応募してくる人も居ます。条件を付ければある程度は防げるでしょうが厳しくするとどこかの自治体のように応募があまり来ないなんて事もあるかもしれません。他にやり方があると思います。#徳島の未来を守ろう#徳島市長#内藤佐和子 https://t.co/xUT082QVrE
— seano_篠村 (@seano_shinomura) August 29, 2020
まだまだ詳細がよくわかりません。国府で始めたとして3歳児で増えるのは30人?勤務時間は8時半から17時までなので、それ以外の預かり保育に対応するためには、早出遅出で対応するしかない。が、徳島市では、会計任用職員のみでの勤務はしていないので、正規職員が交代で早出遅出にあたることになる。 https://t.co/x4r7dWJ983
— chambord (@chambord3098) August 29, 2020
子育て事業にお金を使うのはいいことだと思います。
— あきら (@akira052777) August 30, 2020
が2億をもったいないと言っておいて公務員保育士の増加による人件費は65歳まで雇用するといくらになるのか?話の整合性に疑問を感じます。 https://t.co/rTLCCOtqnY
そうですよね。市役所職員として採用すれば、最初は安いけど、昇給あるし退職金の支払いもある。どっちが得策なのか。内藤市長は東大出て、頭いいのだから、私みたいに頭悪い市民にも分かるように、具体的に計数比較して説明してもらいたい。
— うーやん (@veKMnyqHiLHLnKZ) August 30, 2020
幼稚園も保育所と同じく正規職員のみでは、回せていません。今年度4月採用の幼稚園の会計任用職員は、幼稚園教諭免許が必須でした。が、今見たところ「幼稚園教諭免許又は保育士資格」となっており保育士資格で採用可能となってました。希望者がいなかったからでしょうか。
— chambord (@chambord3098) August 29, 2020
現場の先生も慢性的に人員が足りないと言ってました。産休の先生が出ても補充ができなかったりしてるみたいです。そんな中人員の確保の目処立ってるの?って話です。
— tirol (@tirol29324656) August 29, 2020
公立の幼稚園に関して言えば、増員予定はありましたっけ?それこそ将来の少子化や統廃合も視野に入れて、従来の欠員の補充はあっても、施設無くして、増員の予定は無いでしょうね。大儀名分はPTAも積極的に子供の教育に関わるとし人手不足を保護者参加で補ってるのが実情。対案は単なる詭弁としか…?
— J (@Kuiper_Beltz) August 29, 2020
幼稚園の新規採用は来年度はありません。正規が少ない分、会計任用職員に頼っているんだと思いますが、現在も募集中となっていることから人手不足なんだと思います。
— chambord (@chambord3098) August 29, 2020
そうですよね、つまり公立の幼稚園等、国政を鑑み時代のニーズと共に、将来的に縮小させる方向で動き始めているんだと思います。それに代わるものとして民間と連携した認定こども園の存在に期待がかかっているんだと思います。
— J (@Kuiper_Beltz) August 29, 2020
給食が無かったら結局民間のこども園を選ぶ人が多い気がします😓少しでも負担を減らせるようにサービスの良い園を選べるのも市民の権利ですし、今回の見直しはそんな権利を奪っているように感じます💦 https://t.co/MfIKiFV9S8
— インカ (@inka_2020) August 30, 2020
内藤市長にはこういった子育て世代の市民の声はきちんと届いているのでしょうか。そして9月議会では今後の保育事業に関してどのような発言を行うのでしょうか。
内閣府のホームページには以下のようにも書かれています。
待機児童問題は解消されるのですか?
新制度ではお住いの市町村が、今は働いていないが保育所に入ることができれば働きに出たいというような潜在的なニーズを含め、地域の幼児教育・保育のニーズを基に「事業計画」を策定し、受け皿の確保を計画的に進めています。
国においては、平成25年度(2013年度)から「待機児童解消加速化プラン」により、保育の受け皿整備に取り組んできました。 平成30年度(2018年度)からは、これまで以上に1、2歳児の受け皿整備を強力に進めるため、新たに「子育て安心プラン」による取組が開始されます。本プランでは、意欲的な自治体を支援することにより、保育の受け皿をさらに増やし、遅くとも平成32年度末までの3年間で全国の待機児童を解消することを目標としています。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/sukusuku.html#chiikishien
"これまで以上に1、2歳児の受け皿整備を強力に進めるため"との記述がありますが、徳島市の市立幼稚園の入園は3歳児以上。
そして、平成32年度末..つまり2021年3月末まで、あと7ヶ月。
果たして徳島市の待機児童は解消されるのでしょうか。
参考資料
内閣府「認定こども園概要」
https://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomoen/gaiyou.html
文部科学省「認定こども園について」https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200601/002/002/001.htm
【幼稚園・保育園・認定こども園】通わせるならどっちがいい?ワーママにはどちらが便利?比較してみた(しゅふJOB)
https://part.shufu-job.jp/news/solution/8990/
幼稚園と保育園は何が違うの? 両園を知る先生に聞いてみました(mamari)
https://mamari.jp/23241
令和2年度 保育所・認定こども園等の利用申込みについて(徳島市)
https://www.city.tokushima.tokushima.jp/kosodate/youchien_hoikujo/hoikusho_n-kodomoen/r2_tousho.html
市内の幼稚園一覧(徳島市)
https://www.city.tokushima.tokushima.jp/kosodate/youchien_hoikujo/youchien_shinai/ichiran.html
2020年8月30日現在、最終更新日は2019年10月25日。
備考欄には以下のように記載されています。
大松幼稚園→令和2年度 勝占認定こども園に統合
不動幼稚園→令和元年度は休園
北井上幼稚園→令和2年度 北井上認定こども園に統合