見出し画像

古田みちよ市議の百条委員会報告書の反対討論

日本共産党市議団のふるたみちよです。
ただいま上程されています「市の事務執行に対する市議会議員の関与に関する調査特別委員会調査報告書に対する修正案」については、提案説明で述べたとおりです。
ここでは、「市の事務執行に対する市議会議員の関与に関する調査特別委員会調査報告書委員長報告」に対して、反対の立場で討論いたします。

調査特別委員会の設置自体が問題では?

私は、そもそも調査特別委員会設置自体が問題だと反対してきました。
平成28年12月に提案された一般廃棄物処理業の不認可処分に関する調査特別委員会は、確定した裁判記録等や不当な働きかけをした裏付けがあり、除斥された岡議員を除いて全会一致で設置されました。  

(参考)
原市政時代に岡孝治市議が不当な働きかけをされたとする
一般廃棄物処理業の不許可処分に関する調査特別委員会報告書

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11459840/www.city.tokushima.tokushima.jp/shigikai/100jouiinkai_kekka/index.files/1.pdf
この報告書はもともと徳島市のHPに掲載されていたもの。
内藤佐和子氏が就任してすぐに徳島市のHPから削除されました。

今回の案件については、報告書の検討結果の中で、不当な要望等・不当要求と認定することまではできないと結論付けています。また、総務委員会での委員の質問に、報告書を提出した専門委員からは、職員に対する聴取レベルで、確定的な事実認定には至らなかった以上、議員に対する聴取をするまでには及ばなかったと説明を受けていると答弁されました。さらに、総務委員会中に専門委員に改めて議員に聴取する意思はないと確認したと総務部長が答弁されています。

そうした中でも多数決で決めて強引に進めてきたのです。
まずその点を指摘し、討論します。

認定に際しての問題点

まず、認定に際しての問題点についてです。

十分な手続きが保障されていないこと

第1の問題点は、3名の議員に対しては、十分な手続き保障をした上で、実施しなければならないことは明らかなのに、されていません。
要望等記録様式を含めた原資料を開示し、嫌疑をかけられた事実に対し、十分な弁明の機会を与えるべきでした。
しかし、各議員は結局、情報公開手続きによりそれらを入手しているものの、一部分を非公開とされ、十分な情報を得るに至っていません。そんな中で、違法不当な働きかけがあったとの認定をすることは、本当に重大な問題です。

尋問対象者の適確性の問題

第2の問題点は、尋問対象者の適格性の問題があります。
本委員会で、3議員以外に証人尋問を行ったのは、鈴田氏、石川氏、日下氏、高島氏です。
鈴田証人は、各事実を直接体験し見聞したものではありません。
証言で、委員長の尋問に対して、「おおむねこのような内容であったことを確認しております」という趣旨のことを連発していて、裏付けされる証拠はありません。
それどころか、鈴田証人は、間違った証言をしているのです
偽証を問うなら、証拠もきちんとそろっている鈴田証人です。
介護事業者の過誤額に関するところです。
鈴田証人は、「この件に関しまして、令和元年8月に、過大給付の約、確か1000万だったと思う。1000万が判明してから1年2か月後の令和2年10月に返還をしていただいたと報告を受けております」と証言しています。
判明してから1年2か月後に返還したというのは事実ではありません。

問題の額が確定したのは、徳島県国民健康保険団体連合会から事業者に対して、事務連絡があった令和2年10月2日です。
その後、その支払いに対する事業所の意思確認を同年10月6日期限で求めたのに対し、事業者は同年10月5日に精算することを了解する旨の文書を返送しています。
その後、同年10月7日に、国保連 理事長 内藤佐和子氏から返納額977万2727円、振込銀行、納期限同年10月20日とする徳国保連第128号4の返納依頼書面が事業者に送られています。それに対して、事業者は、同年10月12日に、徳島大正銀行から指定口座に全額振り込んでいます。

実に、支払い不足額が確定してから、わずか10日間の短期間で、多額の支払い不足分の支払いをしているのです。鈴田証人の証言は全くの偽証です
鈴田証人の証言を受けて、書かれたと思われる報告書の17ページ最終行から18ページ先頭行に「返還請求額の全額が返還されるまでに通常よりも長い期間を要していることは事実であるし、」の記述は、全く事実と違っているのです。事業者の方から提出された証拠資料はすべて揃っています。
事実と違う箇所のある報告書は、信用できません。

高島証人についても同様で、議員と直接やり取りをした事実はなく、すべて、伝聞にとどまっていることは明らかです。
議員が何らかの言動をしたという裏付けには、到底なりません。
弁護士2人による報告書では、関係職員15人から合計21回の聴取を行いながら、裏付けとなる証拠が不十分で、「疑いがある」以上の認定をすることができなかったのに、その時よりも証人は少なく、しかも伝聞という人の証言で、同報告書を超えた認定をできないのは明らかです。

立証責任の事実上の転換

第3の問題点は、立証責任の事実上の転換があります。
一般的に、ある事実を証明するにあたっては、それがあるという側に立証責任があります。
これは、あると主張し、嫌疑をかける以上は、嫌疑をかけるだけの裏付けを持つべきですが、何の証拠もありません。
ないことの証明は、「悪魔の証明」と言われ、立証は事実上不可能です。

ところが、各証人尋問では、委員長が、次のような尋問をしています。
「先ほどお話した内容につきましては、いろいろ述べた後、その事実がなかったと否定する根拠を、証人はお持ちですか」
「平成31年度中に認可できないかとの要望はしたことがないとおっしゃいましたが、このことについて、報告書や鈴田証人の内容、証言内容を否定する何らかの根拠をお持ちでしょうか」
などと尋問しています。
これらはいずれも、本委員会がそもそも調査手法について、原則に立脚せずに調査していることの証左とならざるを得ず、明らかに妥当なものではありません。

《Youtube》「不当な働きかけがあったと3市議実名公表。
内藤市長宛に提出された調査報告書の内容や調査手法の信憑性は?
https://note.com/pftokushima/n/n7548c8542e3c

このような尋問は、結局、尋問者の意図として、調査報告書の内容がぶれることなく、その通りに認めてほしい旨を暗示していることにほかならず、かつ、証人に自分の口で、具体的な内容を語らせない以上、専門家の調査報告書の内容よりもさらに具体的な内容は一切明らかにされないことになります。

本委員会による調査には、問題点が多くこれを踏まえて何らかの認定を行うことは不可能です。
よって、委員会から提出された「市の事務執行に対する市議会議員の関与に関する調査特別委員会調査報告書」には、反対です。

最後に、あくまでも偽証と多数決で決め、刑事告発をするおつもりのようですが、「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をしたものは、3月以上10年以下の懲役に処する〈刑法第172号〉」虚偽告訴等罪に当たることを申し添えるものです。
よって、修正案には賛成を、調査特別委員会委員長報告には、きっぱり反対されるよう、議員各位が良識あるご判断をされるよう申し上げ、私の討論を終わります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?