令和5年度6月議会 船越智子市議の質問
日本共産党徳島市議団の船越智子市議が6/16に登壇した際の質問原稿をいただいたので紹介いたします。
質問内容は大きく以下の2つ。
1.マイナンバー法一括法について
2.阿波おどりについて
なお、理事者である徳島市からは正式な議事録ができるまで「未定稿」は掲載しないよう依頼がありました。
一方で、内藤市長は市議会本会議での発言削除を要求したとも報じられています。
以下、適宜見出しや補足資料を添えつつ質問原稿を紹介します。
1.マイナンバー法一括法について
日本共産党の船越智子です 6/16 通告に従って質問してまいります
マイナンバー法一括法の施行に伴う、自治体での課題や対応についてですが、昨日マイナンバーカードについては、小野議員の質問もありましたが、
質問してまいります。
デジタル化を進める政府は、当初夢のようなことばかり「だれ一人取り残されない」社会をと言いながら、全国で、13万件もの、本人ではない家族名義の口座。また、他人名義口座21件と当初言われていたものが→35倍以上増えて748件あったとの報道がありました。
5/11日には、徳島市のマイナンバーカードで、コンビニ発行でのトラブルも報道されました。
内藤市長は翌日5/12日に定例記者会見で「情報漏洩は無かった」と直ちに公表しなかった対応に問題はないとの認識を示されました。
これは、3月27日に徳島市民が、小松島市内のコンビニで住民票の発行をマイナンバーカードで申請した際に、高松市のコンビニで同時刻に、マイナンバーカードで申請された別の方の戸籍証明書の一部が、小松島市のコンビニで発行されたもので、徳島市民が自分の書類でないことに気づき、店員に戻して、事なきを得たそうですが、どちらも必要な書類は発行できなかったそうです。
便利だと言われて使ったマイナンバーカード、身近なコンビニで全く別の地域の方の重要な情報が出てきたのです。
3/27日に起きたマイナンバーカードの不具合を、5/11日の報道まで、徳島市民は知らされませんでした。
連日トラブルが報道される中、不安を感じている市民に対して、直ぐに報告することは、行政が、市民の個人情報保護の立場でどう動いてくれているのかを、市民が見る大事な指標となります。速やかに報告するべきだったのではないでしょうか。
お尋ねします。
全国で、13万件本人ではない家族名義の口座があったことなど、次々とトラブルが報道されていますが、このような家族名義の口座など、徳島市でのトラブルについて、どのような事例があるのかについて、小野議員の質問に、報道された1件のみで、徳島市でのトラブルについてありませんというお答えでした。
これだけ連日報道されているに、その実態が自治体でつかめないのは何故かお答えください。
2.阿波おどりの変遷について
次に 阿波おどりの変遷について質問して参ります。
徳島市の阿波踊りは、市観光協会と徳島新聞社の共催で長らく開催されてきた。しかし、協会の事業特別会計に4億円余りの累積赤字が発覚。
主催する阿波おどり実行委員会は赤字の穴埋めに公金を投入しない方法として、2019年から民間委託することを決めました。
2019年に阿波おどり事業が初めてキョードー東京共同事業体に民間委託されました。
2020年世界的なコロナ感染拡大の中ではありましたが、その時点では、実行委員会も、市も夏の阿波おどりを実施するという方針に変更はありませんでした。
同年4月の市長選挙で、市長が交代し、実行委員になった内藤新市長は、共同事業体が負担している費用については、阿波おどり実行委員会の場で費用負担する旨発言、その後実行委員長となった市長は、戦後初めて、夏の阿波おどりの全日程の中止を決めました。
キョードー東京共同事業体からは、実行委員会や事務局の市に対しての、再三の準備費用分担の協議の申出があったにもかかわらず、直接協議も、合意もすることの無いまま、実行委員会事務局の徳島市は、「費用負担は一切しない」とした。
この姿勢は、実行委員会と共同事業体との基本契約35条や41条など「突発的な事件・事象が起きた場合に双方協議の上、免除する」にも反するものでした。その上、共同事業体が納付金や準備費用を支払わなければ今度は、突然契約を打ち切る。この行為は、行政のトップが実行委員長を務め、徳島市が事務局を務めていた徳島の一大イベントである阿波おどりの信頼を対外的に大きく損ねました。
阿波おどりを5年間の約束で業務委託をしていたキョードー東京共同事業体との契約を一方的に、たった2年で解除しました。
実行委員会事務局の徳島市は、その理由として、赤字補填に税金は投入できないと言い、また、市長は、市民の税金は使えないからと言い切ってキョードー東京共同事業体にコロナの減免措置をすることはありませんでした。キョードー東京共同事業体の代表の前田三郎氏は、「いろんな仕事をしてきたが、こんなことは正直言って初めて」とコメントされていました。この言葉から、異常な対応が伺えます。
しかし、その後は毎年、阿波踊り開催に公的な補助が出されています。
共同事業体への対応と矛盾しています。
お尋ねします。
2021あわおどり「ニューノーマルモデル」開催に徳島市や県からの補助金等いくら入れましたかお答えください
昨年2022年は、コロナ禍で、有料桟敷の収容率は75%として、開催されました。
お尋ねします。
去年2022年のコロナ対策費用等補助金の状況についてお答えください。
今年はコロナが、5類に格下げされてから初めての夏の阿波踊りの開催となります。
お尋ねします。
今年、2023年の夏の阿波踊りの、補助金等について、お答えください
15000円席が今年設定されるそうですが、徳島の有料桟敷の観覧料の変せんについてお答えください。
ご答弁いただきまして続けて参ります。
〜理事者(徳島市)の答弁〜
1.マイナカードについての再問
お答えいただきましたので、続けてまいります。
マイナ保険証について、健康保険証の廃止は中止を
「マイナンバー法等一括法」では、’24年秋から猶予期間1年延長で、従来の健康保険証が廃止され、マイナ保険証に一本化されます。
病院でマイナ保険証を使うと、別人の情報が出てくる事例が(2021年12月~2022年11月の1年間)に7312件もあったのに 、岸田政権がこの重大事実を 今年5月まで 国会に説明していなかったことがわかりました。
全てのデータはデジタル庁に行くので、市には何もトラブルの情報ははないとのことですが、マイナンバーカードのトラブルは、連日のように報道されています。
●マイナカードを作ったのに、他人の医療情報が紐づけされれば、薬の処方や治療内容で、命の危険もあります。保険料を払っているのに、トラブルがあれば10割負担になり、医療がまともに受けられなくなります。国はカード普及優先の為、個人情報の保護をないがしろにしています。
お尋ねします
情報が、デジタル庁に直接送られる関係で、自治体には直接トラブルの実態が把握できにくいようです。また、そのトラブルの処理も委託された事業者がするので、自治体では、市民の情報がつかめないのです
あやまった入力で、市民が暮らしや、命の危険につながることが無いよう、自治体の責務として、市民、医療機関などに現状の調査や、デジタル庁などからの情報収集、情報の共有、改善をすべきだと思いますが如何でしょうかお答えください。
また、多くの医療関係者が■国民皆保険制度が崩れてしまいかねないと、健康保険証の廃止に反対しています。マイナ保険証で、医療現場ではトラブルが頻発しています。
●大阪府保険医協会の調査では、5月に、医療機関の半数以上で「トラブルあり」、70%以上が従来の保険証の廃止に反対しています。
開業医の 63%が加入する 全国保険医団体連合会(略称、保団連)の直近の調査では、オンライン資格確認でトラブルがあった と回答した医療機関が6割にも上り マイナンバー 保険証が無効と判定された などのトラブルへの 対処で最も多かったのは 「健康保険証で確認した」というのです。
保険証が廃止され マイナ 保険証のみで受信する患者が増えたら 対応できない 健康保険証を残してほしい 廃止されたら患者が窓口で10割負担を求められるケースが増えることは避けられず、 負担が重く 必要な受診ができなくなります。
4月に、保団連では、高齢者施設にも反対の声として、病院受診に必要な保険証は、現在84%の施設が預かっていますが、マイナ保険証には暗証番号も必要です。個人情報の紐づいたマイナ保険証と暗証番号、両方の管理は94%の施設が「できない」と主張しています。
・さらに、障害のある方はマイナンバーカードの申請さえ難しいと訴えています。たとえば顔写真に車いすのヘッドレストが写っているために申請を却下されたり、全盲で黒目がない方が「黒目が見えない」と何度も撮り直しをさせられたり。障害に対する配慮がまったくありません。
・高齢者も、病院に行くたびに必要なマイナ保険証を紛失したり、申請時に登録した暗証番号を忘れたり、★更新できずに無保険に陥る方が増えていって、国全体に「無保険でもいいか」という空気が広まる恐れがあるのです。
・マイナンバーカードは、18歳以上は10回目の誕生日まで、18未満は5回目の誕生日までごとに更新が必要です。若い方のなかには、忙しさから更新のタイミングを逃す方や、健康だから保険など不要と考え更新手続きをしない方がいるかもしれません。徐々に無保険者が増えていくでしょう。と言っています。
さらに暗証番号があるマイナ 保険証を保管する介護施設などにとって これまで以上の 重い 負担となる 施設入居者のマイナ 保険証申請を誰が行うのか具体的な方策がなく 訪問 在宅医療 高齢 独居の人の申請管理も 未解決で、 受診時に顔認証がエラーになる 暗証番号入力が困難など 障害者も困難に直面するなどの問題点をあげ、
デジタル庁は 誰一人取り残されない人に優しい デジタル化 などと言うが 介護 高齢者や 障害者など最も弱い立場にある人々を取り 残すもので、保団連では、保険証 1枚で誰もが医療を受けられる国民皆保険制度の崩壊につながるものだと批判しています。
健康保険証の廃止は、無保険扱いとなるものを 政策的に作り出す 愚策だと厳しく批判しています。
保険証情報の誤登録について
マイナ 保険証をめぐり 保団連では、現場で発生しているトラブル事例の最新集計分で、2481 医療機関でトラブルがあったと公表
「マイナ 保険証で医療の質を上げる」どころか 手間やトラブルだらけで日常診療で取り扱うのは困難なのが現実です。
★十割負担の解決策なし 保険証 廃止は中止を
健康保険証を廃止すればマイナ 保険証による医療現場のトラブルはさらに深刻になります。
保団連の調査で IC チップが壊れるなど 本人の資格確認ができず 窓口 10割負担を求めた例が393件に上りました。
●マイナ 保険証が1 医療機関 あたり 1日に1人から2人程度の利用にとどまっていながら トラブルが続出しているそうです。マイナ 保険証を使う人が少ないのに高い確率でトラブルが発生しています。
民間ならば、とっくに返却・回収されるのではないでしょうか。
★マイナンバーカードを使った行政手続きに欠かせない「マイナポータル」の利用規約には、「利用者が負った損害は、デジタル庁の故意や重過失によるもの以外は責任を負わない」と記載されています
国は殆ど責任をとりません。
★保険料を納め マイナ 保険証を提示しているのに様々な不備によって 窓口 10割負担を求められるようなことはあってはならないだと思います。
お尋ねします。市民の命とくらしを守るために自治体の責任として、健康保険証の廃止はやめるよう、国に求めるべきです。如何でしょうかお答えください。
2.阿波おどりについての再問
次に阿波おどりの変遷についてですが、
21年の補助は、市が主催で、臨時交付金395万、ふるさと納税1.700万円
22年はぴあ株式会社による、コロナ対策費用で、国から約4000万円、市2000万円、県952万円の補助金を入れていきました。
23年の今年は市2000万円、県は952万円程度、阿波踊り運営安定化補助金の3000万円おうち、1000万円入れる予定とのことでした。
キョードー東京には税金はいれてこなかったにもかかわらず、その後は、毎年投入してきて、今年も入れるのは矛盾しています。
観覧料も上がっていている中、いよいよ市民には遠い阿波踊りになってしまうのではないでしょうか。
2021年、阿波踊り実行委員長をしていた内藤市長から一方的に契約解除されたキョードー東京共同事業体の前田さんは、2019年の段階から、「お祭りは市民の手元に戻したい」と思い、それに応じた規模でつくり直していきたい。と取り組んでおられました。
「阿波おどり興業化に拍車」のタイトルで、この夏の15000円の観覧指定席が新設されることを取材した毎日新聞の記事では、「徳島の人にとって、阿波踊りは、地域のまつりという意識が強い。町内会ごとに受け継がれてきた本来の踊りの意義が薄れてきている」と危機感をあらわにするのは「本家大名連」の清水連長。だ、清水さんは「男踊り」の踊り手歴50年。「近所の顔見知りが飛び入りで一緒に踊ってくれるのが嬉しい」「おどる阿呆に見る阿呆」と言って、「踊り手と観客が一体となることに意味がある」と強調。「高額チケットを地元の人買うわけない」「県外の観光客に見せるだけの興行路線を突き進んでいる」と批判する。とありました。
阿波おどりが、市民の手から離れていくこと、衰退していくことを危惧する声が、報道されていました。
清水さんは、改革をもう一度と、市民の声を聞いて、まず桟敷を市民で満席にしてから、「来年も来たいですか?」とお客さんの声を聞き、毎年工夫しリピーターを増やしていくことをするべきだと話されていました。この思いが、改めて、今、私たちに響きます。
お尋ねします
興業に走るのではなく、市民の声を聞いて、まず桟敷を市民で満席にしてから、このようなお祭りを目指すべきだと思いますが如何でしょうかお答えください。
〜理事者(徳島市)の答弁〜
マイナカード再々問
マイナンバー法一括法の施行に伴う、自治体での課題や対応についてですが、「マイナポイント事業」は、中止、トラブル続きのマイナンバーカードは住民の命とくらしを脅かすものです。速やかに利用を停止するべきです。
徳島市は、国の意向を受け、マイナポイント第2弾事業の申込期限が令和5年9月末まで延長され、マイナポイント事業費12.912.000円をつけて、任意であるマイナンバーカードに口座や、保険証などを紐づけし続けようとしています。
地方自治法の第1条の2、及び2項に定められたように、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広くになうものとする」とあるように、
市民のいのちや暮らし守るのが自治体の仕事です。これだけトラブル続きで、信用を無くしているマイナンバーカードの利用拡充を行政が勧めるわけにはいきません。「マイナポイント事業」は、直ちに中止すべきです。
健康保険証は廃止すべきではありません。強制的にマイナ保険証に切り替えれば、医療現場での混乱や、高齢者・障害をお持ちの方、など、多くの方が取り残され、国民皆保険制度は、足元から崩れてしまいます。ここは、地方自治体として、市民を守る立場に立って、効率より安全性第一で、国にトラブル続きのマイナンバーカードの廃止・マイナ保険証の中止、健康保険証の廃止はやめることを強く求めておきます。
阿波おどり再々問題
最後に、阿波おどりについてですが、
私も県外から徳島に来て、お盆の4日間、町中がぞめき酔いしれる阿波踊りの魅力に取りつかれた一人です。お盆が終わると昨日までの喧騒は無かったかのように日常に戻っていく、季節の変わるのを楽しみました。
連もオリジナルゆかたも仲間とともに作り、お盆に向けて共に汗をかきながら鳴り物や踊りの練習を楽しんできました。
県外のお客さんにもタオルケット一つで、合宿し、安く、気軽におどっていただいた経験もあります。
地域ではご近所から三味線の音などが聞こえていました。
こうした風情(ふぜい)のある身近な阿波踊りも楽しんできました。
興業にはしらず、先ずは、市民の声を聞いて、市民が気軽に参加できるあわおどりにもどしていただくことを要望します。
最後に、昨年は、出演者の4人に一人がコロナに感染するということが報道されました。コロナは5類に移行されましたが、駅前の定点観測では徐々に増えているようです。くれぐれも同じことを繰り返すことがないよう万全の対策をするよう要望し、私の質問を終わります。
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