市民には公にされない、「アミコビル地権者管理組合」の約7.5億円の修繕積立金
こちらの写真は昭和47年のJR徳島駅前。
駅前にはロータリーがあり、左手前にはかつての名店街ビル、その向かいにまだアミコビルは建っていません。
提供:石井 敏雄 様
(徳島市の昔の写真/はこらいふ図書館)
アミコビルが建つ土地には、内町小学校やさまざまな商店が建っていて、ビル完成後には地権者による「地権者管理組合」が結成されました。
この地権者の集まりである「地権者管理組合」には、徳島都市開発株式会社から地権者に支払われる賃借料から天引きして「修繕積立金」というものが積み立てられています。
この積立金はビルの管理やメンテナンス、また経年変化による設備の交換工事など施設の修繕のために、都市開発が天引きをして組合組織として、プールしているお金です。
過去12年間では、少ない時で年間に約6千万円、多い時で年間に3億円強が使われながらも、令和2年度末で約7億5千万円の残高があるそうです。
こちらの資料は地権者の方々に今年度配布された資料です。
R2年度の期末で修繕積み立て残高が747,600(千円)と記載されています。
徳島都市開発もアミコ管理組合の組合員
この情報は「アミコ管理組合(=アミコ地権者)」の方から提供されました。
そして、その方はこう言ったそうです。
「自分たちが所有しそれを貸して収入を得ている施設の再建の為に徳島20億円もの税金に迷惑をかけるのが心苦しく、本来なら税金より先に組合側の積立金をまず使うのが当然ではないか」
そしてこの「アミコ管理組合」は徳島都市開発株式会社も組合員として所属しており、その組合運営の事務局や役員を担っています。
それにも関わらず、「アミコ管理組合」の中で7億5千万円ものお金を留保していることは、これまで一度も市民に公にされなかったのはどうしてなのでしょう。
本来ならば、徳島市から20億円の貸付融資を借りる前に修繕費として使用するべきお金ではないのでしょうか。
業者選定もすべて「徳島都市開発まかせ」
そして都市開発が主導で支出し、地権者には特に事前承認もなく。業者もその選定基準も不明、毎年前年度の結果だけを「取崩し一覧表」として配布されるだけだと言います。
そして地権者に配布された令和2年度「修繕積立金取崩一覧表」には「東棟9階空調工事」「アミコ東館1階トイレ工事」「アミコ東館3階トイレ工事」といった項目が記載されていました。
これまさに「徳島市からの融資が必要」であると臨時議会まで開き、融資が決まった20億円を使って行う、アミコ東館リニューアル工事と区別のない施設工事ではないでしょうか。
なぜこの「積立金」の存在を明らかにせず、市税を投入させたのでしょうか?
世間の常識で考えると、土地建物の所有者がこうした修繕積立金で老朽化したビルを修繕し設備交換し、新テナントを募集するのが当たり前です。
徳島都市開発そして地権者の方々は、各自が所有する土地と建物から高額な賃料収入を40年間も得てきたのだから、そのビルの改築工事は「修繕積立金」から使うのが常識ではないでしょうか。
アミコビルは誰のもの?修繕積立金は「資産」
アミコビルは都市開発の「所有物」ではありません。
その証拠に、事務局を都市開発が担うアミコ管理組合(地権者会)の「令和2年度通常集会議案書」の「修繕積立金取崩一覧表の工事科目」には「資産又は工事名」と明記されています。
つまり、アミコビルは通常の民間のビルと同じように、たくさんの土地建物の所有者がいるビルであり、それを都市開発が又借りをして家賃の中抜き(サブリース)で運営している建物です。
そのビルの施設の改築を地権者の費用負担より先に税金を使って20億でするなど、あってはならないことではないでしょうか。
この情報を提供してくださった方はこういったと言います。
このビルの一大事の時に、また市民の皆に多大な迷惑を掛けてしまう時に、なぜ都市開発は今あるお金を全て正直に公にしないのか。
隠すのか。信用できない。言葉がない。
コロナが理由で地権者会は中止、でも...
今年度のアミコ管理組合の「令和2年度通常集会」はコロナが原因で「中止」となりました。
そして、アミコ管理組合が地権者に送付した封筒の中には、この「修繕残高推移表」と「アミコビルの近況報告『御報告』」「返信用はがき(議決賛否表記用)」と数千円の「ギフト券」が入っていたとのこと。
「議案書承認のお願いギフト券では?」と勘ぐる声も上がっています。
そして、徳島都市開発株式会社は、同じコロナ禍でもあるにも関わらず「株主取締役会」は強硬に開催。
そこで「定款変更」「社名変更」の承認を得たと言います。
「株主取締役会」と数日違いで開催される予定だった「テナント会」は「地権者総会」と同じく、コロナが原因で中止。
テナント会・地権者会はテナントや地権者から現在の進捗状況や今後の予定等、多くの質問が出ることを避けて中止をしたのでしょうか。