12月議会 加戸悟市議の質問❶〜新町西再開発について
2022年12月本会議で、日本共産党徳島市議団の加戸悟市議が「新町西再開発」「ごみ処理施設」「徳島都市開発」について質問をしました。
加戸市議より質問原稿をいただいたので、説明や関連記事を交えながら3回に分けて紹介します。
多くの市民の方にご理解を深めていただくため、一部編集を加えています。
はじめに〜内藤市長に議会のルールを守るよう苦言
日本共産党徳島市議団を代表し、質問してまいります。
まず、「反問権・反論権」についてですが、昨年の9月議会で、内藤市長が「12月議会での制定を求める」と発言されましたが、徳島市議会では、未だ、「反問権・反論権」は、制定されていません。
ところが、制定されていない、この「反問権・反論権」を、今も平然と使っているのが内藤市長です。
私がコロナで欠席していた9月議会の本会議、古田議員が代表質問で「議会で了承した阿波踊り縮小案を蹴り、最大規模で行うことに対して、なぜ実行委員会に対して異議を唱え、最後まで説得しなかったのですか。議会軽視も甚だしいものです。お答えください」と質問したのに対し、経済部長が答弁しているのにも関わらず、内藤市長、貴方も発言を求め、遠藤前市政の桟敷取得の件等という、全く別の案件を持ち出して、古田議員の質問の中の、議会軽視という言葉にだけ焦点を当てて、反論権を行使しました。
この内藤市長の本会議発言こそが、議会軽視そのものです。
議長からも注意を受けた、内藤市長
内藤市長、貴方は、昨年9月の産業交通委員会で、当時委員長だった宮内議長から「市長からは質問できない」と、反問権について注意を受けています。徳島市議会では定められていない「反問権・反論権」について、問題発言を繰り返しているのは、内藤市長、貴方しかいません。
議会のルールを守るよう、内藤市長には強く求めていきます。
また、こうした発言を許さないよう、議長にも強く求めておきます。
新町西再開発について
まず、「新町西再開発」について質問致します。
数年前、原市政時に市民の税金を2億円も使って生命保険会社のビルを買い取り、徳島市は、新町西再開発地区で最大の権利者に、のし上がりました。
ゼネコンと徳島市が主導、跳ね上がる再開発費用 と
徳島市の負担額
徳島市は、組合の中でも、最大の権利者の「顔」を持つと共に、事業認可や権利変換計画書の認可権限を持つ、新町西再開発事業の管理監督者の「顔」という、二つの顔を持っています。
この二つの顔を盾に、組合・徳島市とゼネコンが一体となって推進しているのが、新町西再開発事業です。
管理監督する側も、される側も、莫大な利益を上げる側もが、混然一体となって推進する事業ですから、無茶苦茶な実態が、次々と噴出してきます。
権利変換について
先日開催された都市計画審議会で、明らかになった主な点ですが、一つは、再開発区域を1.8ha.から1.3ha.に縮小し、権利者を64名から36名に削減する、というものですが、36名のうち30名が、莫大な補償金を手に入れて、再開発区域からいなくなることです。
もう一つは、この計画から除外される方々に、「組合からの退会希望申出書の提出」と「マンション・ホテルの新しい再開発計画を説明し、意向調査を行う」と、再開発組合から文書を出しているのに、幾人もの組合員に、「マンション・ホテルの再開発」の説明を全く行わず、退会希望申出書を提出していない幾人かの組合員を、再開発区域や施工区域から除外していることです。
こんな理不尽な「やり方」を、今年7月ごろになって判った組合員の方々は、徳島市と組合に「除外するのを止めてください」という文書を提出しましたが、何の返答もない、とのことです。
再開発に「賛成」しているのは、再開発後街を出ていく人たち
もう一つは、再開発区域から除外される方々のうち、8割を超える方々が、この地区で営業し、居住されています。
一方、「マンション・ホテルの再開発」事業が行われる地区は、6割以上が空き家で、他の地区で住んでいる方が多いことが、権利者有志の方々が、登記簿等を調べた結果、判りました。
本来、再開発は、そこで営業したり、居住したりしている方々が、今後とも、安心して営業し、住み続けられるために、莫大な税金を投入して行うものですが、今回の「マンション・ホテルの再開発」の「やり方」は、大金を手にして、地区からいなくなる人が中心で、再開発地区で営業したり、居住している権利者が除外されるという、異常な「逆立ち再開発」です。こうした無茶苦茶な再開発の実態が、都市計画審議会の質疑を通して、明らかになりました。
不正確な土地調書に基づく権利変換
さて、新町西再開発事業では、権利者の土地、建物の「資産の額」に応じて、新築されるマンション等の床の権利や補償金が与えられます。
これが権利変換です。しかし、資産の額を決める土地の面積等を記した土地調書や、建物の構造等を記した物件調書が正確でないと、権利変換計画書は無効になります。
原市政が推進し、遠藤市政が中止した「ホールを核とした再開発」ですが、その権利変換計画書作成のため、新町西再開発組合が作成したのが土地調書・物件調書です。その土地調書が不正確なものであることが、建設委員会の質疑で判明しました。
「土地調書に記載された、登記簿面積と実測面積とに違いがある人は、権利者64名のうち、借地権者8名を除く56名中45名」と答弁‥実に80%の土地調書に違いがある、不正確なものであることが判りました。
土地調書に記載された登記簿面積ですが、これは「徳島都市計画復興土地区画整理事業」で確定した、法に裏打ちされた、重みのある面積です。
この区画整理事業は、徳島市の中心部を軸に、新町西地区も含めて実施されたもので、いわゆる、普通の登記簿面積ではありません。
その登記簿面積と、組合が作成した実測面積に違いがある、こんな不正確な土地調書で、権利変換計画書を作成したんです。
これは、憲法第29条第3項に定められた、個人の財産権の正当な補償を侵害する大問題です。
このことに気が付いた権利者の数名が、今年の10月下旬から、組合が保管している、自分の土地調書のコピーを下さいと、都市再開発法に基づいた請求を、繰り返し行っていますが、組合の理事長は拒み続けています。
お尋ねします。
理事長が、土地調書のコピーを、請求している権利者の方々に渡すよう、市は指導すべきです。
お答えください。
地権者からの異議を検証・立証しない再開発組合
組合が作成したNさんの土地調書にも、登記簿面積と実測面積に違いがありました。Nさんは、その内容を具体的に書いた異議を、調書に付記して、提出していました。
しかし組合は、その異議を検証・立証しないまま、現在に至っています。
お尋ねします。権利変換計画書が作成される前に、正確な土地調書・物件調書が作成されていなければならない‥それが、都市再開発法第68条、収用法第36条~第38条に基づいた手続きではないんでしょうか。
お答えください。
〜徳島市側の答弁〜
未定稿が入り次第、掲載します。
新町西再開発について、再問
ご答弁を頂きましたので、質問してまいります。
まず、「新町西再開発」についてですが、
都市再開発法第27条には「組合役員の職務」が定められていますが、その第9項には「組合の理事長は、組合員から総組合員の10分の1以上の同意を得て、会計の帳簿及び書類の閲覧、又は謄写(コピー)の請求があったときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない」と定められています。
土地調書のコピーを請求した10月下旬の組合員数は64名です。
その10分の1以上は7名以上です。権利者の方々は、7名の連署を添えて、土地調書のコピーを繰り返し請求しているんですが、組合は、「理事会が拒否しているから出せない」の一点張りで、「なぜ出せないのか」の理由を言いません。
だから、徳島市が管理監督の職務として、組合の理事長に、土地調書のコピーを権利者の方々に渡すよう求めたんですが、【組合に責任を転嫁したまま、市の責任を果たそうとしない】自分の土地調書を下さい、と要求しているのに渡さない‥徳島市や組合の態度が物語っているのは、如何に不正確な土地調書であるか、ということです。
本当に許せません。
また、【権利変換計画書が作成される前に、正確な土地調書・物件調書が作成されていなければならないのでは】、と質問したのですが、【明確な答弁はありません】でした。
私は、平成28年9月の本会議で、土地調書・物件調書に異議を申し立てたNさんの件を採り上げて質問しました。
その時の都市整備部長は「土地調書・物件調書は、権利変換計画書を作成するにあたっての前提になるもの‥調書が適切に作成されていないのであれば、この調書をもとに作成された権利変換計画は正確なものとは言えない」と、答弁されています。
Nさんの調書が、正確なものでなかったことは、組合のアーレックスの結城氏がNさんと交わした「約束書」に「再調査を行うことをお約束します‥再調査により、数量の誤り等があれば、直ちにこれを修正します」と、明記されており、Nさんの土地調書に誤りがあったことを認めています。
しかし、Nさんの再調査は行われず、土地調書で、登記簿面積と実測面積の違いが2.41㎡もあるのに、その原因が不明のまま、現在に至っています。
この違いは、現在推進している「マンション・ホテルの再開発」計画内の、Nさんの隣の土地等にも、違いが生じていることを意味します。
原市政が推進した、ホールを核とした再開発の権利変換計画の際、80%もの土地調書に登記簿面積と実測面積に違いがありました。不正確な土地調書のまま、権利変換計画書を作成し、市に提出したんです。
お尋ねします。
登記簿面積と実測面積との違いの原因を明らかにする立証責任は組合にある、と土地収用法に定められています。立証責任を果たすよう、組合を指導すべきです。
お答えください。
「マンション・ホテルの再開発」の正確な権利変換計画書を作成すべきですが、そのためには、正確な土地調書が必要不可欠です。現在の組合が、法に基づく正確な現地測量を行うよう、組合を指導すべきです。お答えください。
また、建設委員会の答弁では、原市政時の「ホールを核とした再開発」の権利変換計画書作成の際、80%もある登記簿面積と実測面積との違いを脇に置いて、「実測面積で権利変換計画書を作成した」と答弁されました。
お尋ねします。
実測面積を権利変換に使ったのは、どの法律に基づくものなんでしょうか。お答えください。
また、先日のまちづくり対策特別委員会で、「マンション・ホテルの再開発」で、お金だけもらって再開発地区からいなくなる権利者30名に支払われる補償金について質問しました。
土地の補償金が5億1900万円、建物の補償金が16億5500万円とのことです。
特に驚いたのは建物の補償金です。一人当たり平均5500万円です。
都市計画審議会に提出された資料では、「マンション・ホテルの再開発」区域では、すべての建物が、築後41年以上経っている老朽建築物です。
また、権利者の方々と一緒に調査したところ、空き家が6割を超えています。
都市再開発法の権利変換を定めた第80条では、「近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格などを考慮して定める相当の価格とする」と定められています。
お尋ねします。
近傍同種、つまり、近い場所で同じ種類の取引価格を考慮して定める、というのが、権利変換計画の建築物の価格なんですが、近くにある、41年以上経過した建築物で、取引価格が5500万円もする建築物は、どこにあるんでしょうか。お答えください。
〜徳島市側の答弁〜
未定稿が入り次第、掲載します。
再度質問
続いて「新町西再開発」についてですが、
【土地調書の登記簿面積と実測面積に違いがある‥この違いの原因を明らかにする立証責任は、組合にある‥組合が立証責任を果たすよう、指導すべき、と質したんですが、明確な答弁はありませんでした。また組合が正確な土地調書を作成するために、法に基づく正確な現地測量を行うべき‥と質したんですが、これにも、明確な答弁はありませんでした 】
登記簿面積と実測の違いがある場合
原因を明らかにしなければならない
土地調書に、登記簿面積と実測面積との違いがある場合、その違いが、なぜ生じているのか、明らかにしなければなりません。
その立証責任は起業者・組合にあります。そのことは、土地収用法、逐条解説にも明記されています。
組合は、違いの原因を明らかにし、この違いを無くす責務があります。
測量は「組合がした」→効力がない地調書が80%も占めている
建設委員会で質しましたら、再開発区域内の道路等のデーターは、平成19年、20年に徳島市が測量したものを活用し、それ以外は、組合が測量した‥と答弁されています。
こんな、法に基づかない「やり方」をするから、登記簿面積と実測面積の違いが大量に発生するんです。
土地収用法には、事業ごとに組合が測量し、土地調書を作成する責務が定められています。法に基づく正確な測量を、組合が行うよう、市が指導すべきです。
登記簿面積と実測面積とに違いがある土地調書には効力がありません。
効力がない土地調書が80%も占めているんです。
その土地証書を、原因を調べもせず、正確な測量を行わず、原市政時の「ホールを核とした再開発」の土地調書を、「マンション・ホテルの再開発」に準用するようなことがあれば、その権利変換計画書も無効です。
また、【「ホールを核とした再開発」の権利変換に、実測面積を使った法的根拠を示すよう求めたんですが、示されませんでした】法的根拠のない権利変換計画書は、当然、無効です。
その権利変換計画書を不認可とした、遠藤市政の正当性は、この点からも明らかです。
また、権利変換を定めた都市再開発法第80条を示し、【近傍同種、つまり新町西地区の建物がある場所に近く、41年以上経過している建物で、取引価格が5500万円もする建築物は、どこにあるのか】と質したんですが、【これに対する、明確な答弁はありませんでした】
41年経過した建物に5500万円の値段が
普通、マンション等が建設される場合、老朽化した建物を自分が除去しないと、土地も買ってくれない、というのが一般的です。
それを、建物も除去してくれた上、41年以上も経っている建物を5500万円という、ビックリするような値段で買ってくれる再開発‥しかも、マンション・ホテル建設のために、すぐに取り壊す建物なんです。
こんな事業に、50億円もの税金を投入すべきではありません。
多くの住人が大金を手にして街からいなくなる「再開発」
新町西再開発地区で営業し、居住している権利者を、本人の知らないうちに組合から除外し、推進する新町西再開発‥「マンション・ホテル再開発」地区の権利者36名中30名が、大金を手にして地区から居なくなる新町西再開発‥高層マンション、高層ホテルを新築し、徳島市民の誇りである「眉山の景観」を壊す新町西再開発‥こんな事業に、50億円もの税金を投入する新町西再開発は、中止すべきです。
何を言っているかさっぱりわかりません…
質問した内容に対し、理事者である徳島市がまともに答弁せず、思わず加戸市議も登壇中に「何を言っているかさっぱりわかりません」との言葉が漏れました。
昨年(2021年)の9月議会で、内藤市長は「私は、あなたたちが考えるすり合わせに応じる必要はないと考えている」 と言いました。
そして「市民の方にわかるようにするのが議会。 内藤市長が日本共産党と自民党とは事前すり合わせを一切しないからと言ったから、このようなことになる」と加戸市議は言いました。
また未定稿が入り次第、こちらでも共有いたします。
市議会の様子はCATVで再放送されます。
けれども、Youtubeで当日や後日に視聴することができません。
徳島県会議はYoutube中継も行なっているし、後日アーカイブされたものをYoutubeで視聴することができます。
また県内他市町でもアーカイブ視聴できるようにしているところが多いです。