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スタートアップには日本の経済成長を加速させる可能性がある。官僚から社員ゼロのPathfinderで挑戦したCoSのすべて

はじめまして。Pathfinder株式会社で Chief of Staff(CoS)を務めている、原広大(はらこうた)と申します。2023年12月に第一号社員として入社し、現在は代表直属のスタッフとして、会社全体を見渡しながら様々な業務に携わっています。

私の経歴は、一般的には「珍しい」と言われることが多いんです。なぜなら、国家公務員、いわゆる「官僚」からスタートアップに飛び込んでいるから。

この記事では、なぜ安定した仕事を手放し、創業間もないスタートアップに転職したのか。数多くあるスタートアップの中で、なぜPathfinderを選んだのかをお話します。

学生の頃から憧れていた「官僚」のキャリアを、5ヶ月で手放した理由

学生時代に日本経済の成長と「失われた30年」について学ぶ機会があり、その経験から「社会に出たら日本経済の再生に貢献したい」と強く思うようになりました。当時の私は、その夢を実現するために政治家になることが最適だと考え、そのためには官僚からのキャリアパスが近道だと思い至りました。そこで、多くの官僚を輩出していることで有名な東京大学法学部に進学し、卒業後はマクロ経済政策を所管する内閣府に入府。まさに夢だった国のマクロ経済政策「骨太の方針」を作る部署に配属されました。

ところが、入府してわずか5ヶ月で退職を決意することになります。きっかけは、国家公務員試験を終え、無事に内閣府の内定を得た頃から少しずつ芽生えていた、「本当に国家公務員が、日本経済の成長のために最適な道なのだろうか?」という疑問でした。

日本経済の成長を支える側ではなく、加速させる側になりたい

その疑問に大きな影響を与えたのは、世界的に著名な経営学者・ピーター・ドラッカーが著した『マネジメント』という本との出会いでした。この本を読んで、「本気で日本を変えたいなら、日本の経済を直接支えている企業のマネジメント層を経験すべきではないか?」と考えるようになったんです。

そこから経済や経営、スタートアップの本を読みあさり、次第に「自分自身が起業することが、日本経済に対する最大の貢献になるのではないか」と思うようになりました。その過程で何人かのベンチャー企業の経営者ともお話をさせていただけることになり、彼らの社会や経済に対する熱量に圧倒され、自分も起業したいという思いは日に日に強くなっていきました。

さらに内閣府に入府後、経済政策の立案過程を実際に見ていく中で、あるとき「経済成長をサポートする政策を作る側ではなく、経済成長にイノベーションを起こすプレイヤー側になりたいんだ」とハッとして。それに気付いたら、もういても経ってもいられなかったですね。まだ入府して数ヶ月と間もない頃でしたが、スタートアップに飛び込む決意をし、5ヶ月で国家公務員から離職しました。

その後は、将来の起業に向けて「まずはスタートアップで代表直下で働きたい」と思い、転職活動を始めました。そんな中で出会ったのがPathfinderです。

最初は、社会人経験も実績もない私が代表直下で働けるところならどこでも良い、くらいの気持ちで転職活動をしていました。しかし、Pathfinderが掲げる「人・物・車のマッチングを通じて、自動運転時代のMaaSプラットフォームとなる」という壮大なゴールに惹かれました。日本の基幹産業であるモビリティ業界で、こんな大きな絵を描いているスタートアップがあるかと思うと、なんだかワクワクしたのを今でも覚えています。

Pathfinderは、日本の経済の成長を加速させる可能性を持っている会社です。その代表の元で経験を積めば、「日本の経済を成長させたい」という願いに一歩近づけるかもしれないと考え、2023年12月にPathfinderに第一号社員として入社しました。

CEOと同じ視座の高さが求められる「CoS」とは?

現在はPathfinderでCoSという肩書で働いています。CoSという職種、皆さんはご存知でしょうか?私も転職活動をするまで知らなかったのですが、シリコンバレーでは良く知られた職種なのだそうです。簡潔に言えば、「CEOをサポートするポジション」です。

さて、CoSとして約10ヶ月ほど働いた今、CoSの役割は大きく2つあると考えています。まず1つ目がCEOの成果を最大化させること。そして2つ目は、会社が拾えていないボールを拾うことです。

CEOのサポートというと、「COOの役割と何が違うの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。私は、COOは事業をグロースさせることに責任を持つポジション。一方のCoSは、CEOが活動しやすいように責任を持つ、つまりCEOの成果をグロースさせるポジションだと考えています。

また、スタートアップのアーリーステージでは、CEOはあらゆる業務に忙殺されがちです。「やらなければいけない」と分かっていても、手が回らないことも多い。そこを先回りしてキャッチし、サポートするのもCoSの役割です。そういった意味で、CoSは疑似CEO体験ができる職種だと思っています。CEOのフォローをするためには、CEOと同じ視座の高さが求められます。会社全体を見渡す幅広い視野を持ち、フットワーク軽く動く必要があるので、大変なことも多いですが毎日刺激的です。特に私のような起業家志望者にとっては、得られるものが大きい役割だと感じています。

ここから、CoSの具体的な仕事内容についてもお話させてください。入社直後は、前職が国家公務員だったこともあって、ロビイング活動を行っていました。他にもマニュアルや各種KPIの整理など、各チームで「やりたいけど手が回っていない」ことに対応していきましたね。そして現在は、マーケティングとファイナンスをメインに動いています。

その時々によって必要な業務が変わってくるのも、CoSの面白いところです。また、社会人経験が少ない私にも「まずはやってみて」と任せてくれる、Pathfinderの環境にも感謝しています。

シリコンバレーのCoSは、2、3年で次のステップに進む人が多いと聞いています。CEOの元で幅広く経営やビジネスを経験したあと、独立・起業したり、新規事業を立ち上げたりする人が多いようです。私自身も、そんなキャリアパスを描いています。

現在は、平日はPathfinderにフルコミットし、週末は起業に向けた準備をしていましたが、ついに法人を設立いたしました。そこで、私はPathfinderを離れることになりました。ただ、見失ってはいけないと思っているのが、私は「起業したいから起業家になるわけではない」ということ。「日本の経済を成長させたい」という、当初の目的を見失わないようにしていきたいですね。

日本を良くしたいなら、スタートアップの選択肢に入れてほしい

Pathfinderに入社後、「官僚の次のキャリアとして、スタートアップを選択する人が増えてほしい」という新たな夢もできました。

官僚には、優秀かつ日本を良くしたいと思っている人がとても多いんです。そして多くのスタートアップは、新しい技術で日本を良くしていきたい、成長させていきたいと思って創業されていますよね。つまり、官僚の考えとスタートアップのビジョンは、相性が良いはずなんです。しかし、企業規模も組織も働き方も、すべてが真逆の組織だから、転職先としては選ばれづらいのが現状です。そんな人たちにも、スタートアップで働く魅力を知ってほしくて、若手官僚と若手スタートアップのメンバーの交流会を主催しています。

官僚に限らず、若くて優秀な人たちが、キャリアの選択肢としてスタートアップ、そしてPathfinderを視野に入れてくれると嬉しいですね。私は自分の会社にコミットするためPathfinderを離れてしまいますが、ここでの10ヶ月は人生にとってもかけがえのない日々でした。これからは起業家として自分で日本の経済を加速させたいと思います。

ウェビナーのご案内

PathfinderのCoSは非常に魅力的なポジションでした。10月21日(月曜日)の19時〜20時で、代表の小野崎と初代CoSである私で対談を行うので、ぜひ興味ある方はご参加ください!!!


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