大地の命は正義とともに生きつづける
10月に訪れたマウイ島のイアオバレーの神々しさはいまも健在で嬉しかった、そしてわたしがこの地球上で大好きな景色のひとつでもあるイアオ針峰の先っぽが珍しく見えていた、いつも分厚い雲に覆われていて、昼でも深いヴァレー(渓谷)は暗い場所なのだ、
神聖があるがあゆえに、物質まみれで邪念のある人間を寄せつけないのだろうか、ハワイの山々は天と連なる聖なる地として今も崇められているように感じる、
この場所にくるとカラダも心も魂さえも解き放たれて落ち着く、日本の神社とはまた違う神々(こうごう)しさがある、ネイティブハワイアンの世界観でもある自然界のあらゆるものが崇拝され森羅万象に神が宿るという考えは、日本の古代神道とまったく同じだけども、この大自然の神々しさはもう日本にはほとんど残ってはいないだろう、大地はすべて人間に都合がいいように開発されてしまい日本国の象徴でもある富士山でさえ中腹までは人工的な手が加えられてしまいゴミだらけ、神社という結界で守られた鳥居の中だけに神々が追いやられるように祀られている、哀しいかなそれが日本国の大地、
ヒロシマからナガサキまで瀬戸内海や九州を漕いだときに何度も心でイメージしていた150年ほど前の日本の山や川、平野、渓谷、島々、海岸線がここ太平洋の南の島ハワイには破壊と開発をまぬがれてまだ多く残っている、ふとオリを唱えたくなる衝動にかられる、天と、神々と、そして母なる地球とつながりたくなる、そんな神秘的な自然とマナ(大自然の生命力)が今もハワイには色濃く残っているのだ、
そんな大自然の生命力が残るハワイの大自然も、場所によっては日本と同じように人間に都合がいいように無惨に破壊され開発され建物やコンクリートに埋め尽くされて、そこには車がひたすら走り続けているという哀しすぎる現状がある、
自然の緑がまったくといっていいほど残っていない人工物だらけのビルの谷間を走る日本の大都市の高速道路も哀しい景色ではあるけども、
神々しくそびえ切り立つ山々と熱帯植物に覆われた神聖でマナに満ち溢れた渓谷のすぐそばを大型の車が高速でせわしく走り抜けるこのハワイの景色もせつなく哀しいものがある、
だいすきなイズ こと ”Israel Kamakawaiwo'ole” の歌声にのせて、
「Hawai'i 78」が今回のマウイ島滞在中、そして焼け野原のラハイナで、わたしの頭からはなれない、
あの透き通るようなイズの歌声とともに、あのメロディーとあのフレーズがなんどもなんども、ずっと流れていたのだった、
"Ua mau ke ea o ka ʻāina i ka pono o Hawaiʻi"
マウイ島を今回5年ぶりに訪ねた、そう、あの世界的なパンデミック以来だった、
前にもこのnoteでは話したと思うが、2019年の年末にマウイを離れるときにこんな事態になるとは思いもよらなかった、私はまたすぐに戻って長期滞在するつもりで友達の家に荷物を置いて帰ったほどだ、
でもそのハワイに行かない5年間で、日本国内でたくさんいろんな場所を島々を漕いでつなぐことができた、日本の海洋民族のスピリットとつながりそれを今の日本に目覚めさせるという道筋がはっきりと見えてきた、
そしてたくさんの新たな人たちとの出会いがあり、クラブのオハナも増えて子どもたちと共に海に出る(Moana keiki )の大切さにわたし自身も目覚めてのだった、
今回のハワイ行きの目的は Molokai Hoe というレースに出るのがきっかけでもあったのだけど、
このレースに関してはこのnote でも過去2回に渡って書いたので興味があるひとはぜひとも読んでほしい、
そして大変有り難いことなんだけども、NHK のBS チャンネルでも12月30日の18時からそのレースの模様を題材にして放映されるのでテレビが家にある人は観てね、
先にNHKの4Kで放映されたのですでに観た人もいるかも知れないけども、、、
「男たちのモロカイ・ホエ」という題名でもイメージできるように、
アメリカの娯楽映画を観て育った年代の人達がNHKの視聴者なのだろう、そんな目にはっきりと見えるものだけを信じる人たちに受け入れられるように単純で浅いつくりになっているのはわたしてきには非常に残念だった、
この番組を機に、もっともっと、わたしの言葉で思いや感じることを伝え発信していかなきゃと強く思うんだよね、
宇宙、祖先、魂や神、精霊や聖霊、人の思いとか、愛とか、、、
ほかの次元、目に見えない存在、を、どれだけ海を漕ぐことで感じることができるのか、人の営みに影響をあたえるのか、そのことを伝える術を身につけなければいけない、
言葉だけではなく、わたしの生き様で伝えていかなければいけない、
と強く感じるきっかけになったのは良いことなのかもしれない、
もちろんSNSでの発信もテレビと変わらず、それ以上に表面的で目に見えることにしか皆にも伝わらないのは確かで、その大量の動画と情報の流れの中に溺れてしまいそうで辛くもあり心苦しいのだけどね、八方塞がりのようで淋しいけども、わたしの思いや祈りが、目に見えない波動となり、すこしでも人の魂に影響をあたえることができると信じて海を漕ぎ母なる地球とつながっていければと思う、
” ヴァアはあの世とこの世を
つなぐたいせつな乗り物
ヴァアは宇宙と人とを
つなぐとくべつな乗り物
ホエ「漕ぐ」ことは海をなでること
漕ぐことで
母なる地球と人は
ふかくつながることができる "
少し前置きが長くなり話がずれてしまったけども、
今回のハワイ行きの最大の目的はそう、個人的にわたしの中では、
被災地でもあるマウイのラハイナを訪ねその大地に祈りを捧げることだった
ちょうど一年前に ” E hoe pu me ke aloha ”というハワイ語を合言葉にして、海を撫でて葉山から太平洋をみてちょうど対岸になるマウイ島ラハイナへ愛(ALOHA)を伝える、
そんなチャリティーイベントで集めたアロハな有志の皆さんからいただいたラハイナの大火災で被災した人たちへのKOKUA(思いやり)として集めたささやかではあるけどもその日本のALOHAの気持ちをお金というエネルギーに変えてマウイに伝えることだったのだ、
オンラインでクリックして、Maui Strong Paddling 基金にクレジットカードでドネーションをしたけども、あまりにもそれがピンとこなくて違う気がして、ハワイに導かれる流れをわたしはまっていた、
KOKUAしてくいれた皆さんの想いはKOKUA BOX(募金箱)にお金を入れていただいたと同時に、そのアロハは時空を超えてすぐにマウイのラハイナに愛のエネルギーとなり伝わった、でもわたしはどうしてもあの被災した大地に自分の足で立ち復興の手伝いをして、祈りをささげ、大変な思いをした人たちの生の声を聞いて、お金という形に変化した皆さんのALOHAを手渡したかったのだ、
そして今回またとないタイミングが与えられたのだ、
ヒロシマ・ナガサキを漕いでつなぎ、この一年で「海を撫でながら母なる地球に愛を伝える」という感覚が身近になり、あたりまえのようにそれが日常的にできるようになった自分がいる、そんな自分のマナがはぐくまれるのを待つ、そんな1年間だったのだろうか、
そしてこの1年間、クラブ内でほそぼそではあるけども事あるごとに同志たちからKOKUAを集めたり " Dear Maui " 「マウイ島を巡る12の物語 」という本を販売したりして、また小笠原父島、母島、平戸、葉山、茅ヶ崎、江の島、糸島、唐津、広島、江田島、など、海をなでるように祈りをこめて漕いだ各地でホクレアの"Moananuiakea "の上映会を開催していただき、そのときに集めたラハイナを愛する日本人のKOKUA「思いやり」の心とALOHA を手渡ししてきました、
2人のある意味でマウイの代表者であり信頼できる友に日本人のアロハのKOKUA(思い)を手渡ししてきました、
ひとりはおなじみのアンクルKIMOKEO、アンクルはわたしのオハナや一緒に漕いでる仲間であれば誰でも知っている信頼できるマウイの星のような人で、つい最近78歳になったネイティブのハワイアンです、
KImokeo Fundation という基金を持っていて、恵まれないハワイアンの子どもたちのために山や渓谷の荒れ果てた土地を州政府から借り上げて開墾してタロイモ畑やTi リーフ畑にし、そこに学校や保育園をつくる活動をしています、ラハイナの火災で家を失った子どもたちのために食事を提供するだけでなく、家財道具や勉強道具を購入して与えたり、大火災直後も家を失い親戚知人などを頼れないテント生活する被災者のために何度も繰り返し炊き出しをしてマウイの消防署からも表彰を受けているハワイ州から許可を受けて活動している団体です、
「ラハイナの大火災で被災した、辛い思いをした子どもたちのためにアロハを込めて使ってください」
とメッセージを添えて、ささやかではあるけどもハワイを愛する日本人からのALOHAとともにドネーションしてきました、
そしてもう一人は、実際に自分の家だけでなく兄弟家族ともに家を消失してしまった、わたしのマウイでのパドリング友達です、彼とはラハイナの自宅の作業所兼倉庫でパドル作りを始めたばかりの頃に出会った友で、情熱的にパドルを作る姿に感動した時のことを今も憶えています、今回もラハイナの自宅兼倉庫があった土地で家族と仲間とともに新たに自分で家を建てている忙しい中再会して日本の有志のアロハをKOKUA してきました、
余談だけど、今回のモロカイホエでわたしたちオーシャンヴァアのクルー全員が揃えて使用したパドルは彼が作り販売しているパドルです(今は東南アジアで大量生産するほどにマウイだけでなくハワイ全土、アメリカ全土で売れています)
今回マウイの大火災で亡くなった人たちへの慰霊の念を込めて、わたしたちはマウイの彼のパドルを使いKaiwi'i チャンネル(遺骨の海峡)を漕いで渡ったのです、
観光地であったなつかしいラハイナの海沿いのタウンの中心地はまだ立ち入り禁止になっていて、今回の滞在中に足を踏み入れることはできなかったけども高台から望むラハイナの街はもう焼けた建物は取り壊されていて更地の状態のままだった、所々に営業を再開しているショッピングセンターもあって、少しづつ活気を取り戻しているのを肌で感じてきました、
ただ、家を失い被災した人たちが皆が昔ながらの古き良き古都ラハイナの復興をのぞみ、そのためにこの土地に残るわけではなく、州政府からのお見舞金や義援金を持って住み慣れたマウイから離れて土地と生活費が比較的安いアメリカ本土のアリゾナやネバタ州に移り住む人があとを絶たないようなのだ、
4年間のコロナ禍の影響もあり、とにかくハワイは物価が高く、お金持ちしか住めない島になっているのは確かなんだけど、、、
昨年消失したラハイナの街には低所得者のハワイアンが住むアパートや家賃の安い昔ながらのマーケットやバーが数多く立ち並んでいてそれがこの街のオールドタウンとしての古都をほうふつとさせていて、さびれてはいるけどもいい雰囲気をかもちだしていた、被災者にはそれぞれの人生があるので引き止めることはできないが、ラハイナが今のワイキキのように金持ちのための高級な商業施設と大規模な観光施設が立ち並ぶ街にならないことを心から祈るばかりだ、
このマウイの大火災では90%近くの住宅地が消失し102人の死亡が確認された、そのラハイナの海と街を見渡せるハイウエイ沿いの高台に地元の住民により自発的に作られた故人を弔うメモリアルな場所で、わたしは大きく広がる空にそして大地に海に向かい祈りを捧げた、
その祈りのエネルギーは千の風になってあのイズの歌声とともに大きな空を吹き渡っていった、
"Ua mau ke ea o ka ʻāina i ka pono o Hawaiʻi"
時空も次元も超え、この神聖な大地のハワイアンの祖霊とつながりながら、火災で亡くなった魂のもとにも、風になって吹き渡っているようだった、
この言霊のようなスローガンはハワイという島に住むネイティブハワイのみにあてはまる言霊でなく、
宇宙に浮かぶ蒼いカヌー、
この母なる地球に住むすべての人類に投げかけることばでもある
「この地球上のすべての大地の命は
天の正義とともに生き続ける」
*大地「地球」のつかいかたは、人に都合がいい法律とか許可でなく、神様の正義がなければ、やがて滅びてしまう、、、、
とわたしは思うのだ、
このたびのマウイへの寄付の内訳
Maui Strong Paddling 基金への寄付送金額 154,000円https://www.mauipaddlinghui.com/mauistrong
Kimokeo Fundation 基金への寄付 259,200円https://kimokeofoundation.org/
Cameron 家への寄付 226,800円
日本からのマウイへのKOKUA総額 640,000円なりチーン