かんな奥様ストーリー②
明日、大宮駅で目当ての土産を購入する余裕はない。
だが、買い忘れたとなると妻の機嫌を損ねてしまう。
「えっと、駅の土産店は――」
スマホで検索すると、駅の土産店の閉店時間は二十二時。
レンタカーで行けば、今夜中に揃えられる。
運転手役を面倒だと思っていたが、今回ばかりはよかったと思えた。
「ぱっと行って、帰ってくるかあ」
その時の俺は、目当ての土産を買ってすぐにホテルに帰ろうと思っていた。
机の上に無造作に置いた、レンタカーのキーへ手を伸ばす。
キーの下には、無料シネマのチラシがあった。
俺はそのチラシをじっと見つめる。
「そういや、ここ、無料で動画見れるんだっけ」
俺はテレビのリモコンを握り、無料動画のページを開いた。
そこで俺は目を疑った。無料動画のタイトルの中に、大人向けのものが含まれていたからだ。