なつめ奥様のストーリー②
早速なつめさんの予約を取って、数日後。その日がやって来た。
待ち合わせの場所として指定した駅前では、無数のカップルが行き交っていた。
若くて活力に満ち溢れたそんな人々を見送っていると、余計に人恋しさが際立ってしまう。
無論それを顔に出すようなことはしないが、やはりどうしても寒々しさを感じてしまうのは仕方ないことだ。
ただ、そんな虚しさを感じていたのも、なつめさんが現れるまでだった。
そろそろ時間だと腕時計から顔をあげた時、なつめさんらしき女性がこちらに向けて歩いて来ていた。
正直、デリヘルのホームページで掲示されている写真なんて加工ありきだと思っていたし、地方で利用した時には写真と実物が似ても似つかない、そういう嬢に当たったこともある。
だから今回も写真はある程度の基準程度に考えていた。
それよりは、自分の感じている人恋しさを少しでも埋めてくれさえすればいいと。
そんな風に考えていた。
けれども実際に現れたなつめさんは――
「お待たせしましたっ。本日はご指名ありがとうございます!」
一瞬で心が惹き付けられる、輝かんばかりの笑顔で、そう挨拶をしてくれた。
出会ったその瞬間から、私は彼女の虜になってしまったのだった。