卵巣腫瘍
パソコンのカルテに映し出された「巨大卵巣腫瘍」の文字
そのとなりに映る 私の真っ白な腹部のMRI画像
覚悟はしていたから あ、そっか、そうだよね くらいだった
きっかけは夏休みを楽しんでいた9月ごろ
「おなか出てるな~」「太ったなぁ」と思ったことだった
もともと太ったらおなかに脂肪がつきやすい体質だと思っていたし、学校もなくて少し生活リズムが崩れていたこともあって、単純に 太ったんだなぁ と思っていた
それからは、少しダイエットしようと思って腹筋をしてみたり 生活習慣を戻そうとしてみたり 気にかけながら残りの夏休みを過ごした
10月、学校が始まってから毎日忙しくなって、学校、バイト、あそびが充実していたから、すっかりおなかのことなんて気にかけることはなくなっていた
そんなある日の朝、布団から出て起き上がろうと思ったときにふと自分のおなかを触って あれ? と思った
普通、仰向けで寝ていたら重力でおなかはへこむはずなのに、おへそから下の部分がへこんでいなかった というか、ぽっこり出ている気がした
なんとなく嫌な予感がして鏡で見てみたけど、起きている姿勢だと見た目は今までとそんなに変わらない気がしたし、スカートもパンツも今まで着ていた服たちは全部着ることができていたから 気のせいか と思っていた
はじめて異変を感じたのはそれから2週間後くらい
急に便秘がちになって、トイレが近くなった はじめて おかしいと思った
とりあえずおなかが出ていたから家の近くの内科を受診
エコーで診てもらったときの第一声は「なるべく早く婦人科に行ってください」だった 胃ではないところが10㎝くらい腫れている、と言われた 急に不安になった
その数日後、予約の取れた婦人科を受診した
優しい看護師さんの問診のあとのエコー 先生は無言で私のおなかをぐるぐる診て、ひとこと「、、これは大きいね、、」
見たくない気持ちもあったけれど、先生のその言葉に自分の真っ白なお腹を見てしまってショックだった 見なきゃよかったとさえ思った
この段階では おそらく15㎝くらいの卵巣の腫瘍であるということ、この大きさになると手術で取ったほうが良いということを告げられた
大学病院を紹介するのでそちらで診てもらってください、と紹介状をもらうことになり 一気に現実味が増した
1週間後、はじめて大学病院へ
今までと同じようにエコーで診てもらった
前の2回のエコーでの先生のリアクションが傷ついたから、今回先生が特にリアクションをせずに淡泊だったことが逆に少し嬉しかった
初回の診断は 卵巣の腫瘍が疑われること、エコーで診ることができる範囲を超えているため MRIでの結果を見たいということ、腫瘍が良性か悪性かは手術で腫瘍をとってみないとわからないということだった
この日は血液検査にレントゲン、心電図、、久々にいろいろな検査をして疲れて、帰りに好きなおやつを買って帰った
1週間後、MRIを撮りに再び病院へ
生まれてはじめてのMRI 撮影場所が腹部のため、腸管の動きを抑えるための筋肉注射と 映りやすくするための造影剤を入れる針を腕に刺した状態で検査室へ
うるさいという話は聞いていたのでなんとか耐えたけれど、造影剤が血管に入ってくるあの冷た~い嫌な感じ もう味わいたくはないなぁと思った
そして先週金曜日、結果と今後の方針についてのお話を聞きに病院へ
診断結果は「両側卵巣腫瘍」
左右に1つずつある卵巣の両方に腫瘍が発生していると考えられ、MRIの画像から、いずれも奇形腫と呼ばれる卵巣腫瘍が最も考えられる というものだった
奇形腫には成熟奇形腫(良性)と未熟奇形腫(悪性)とがあり、私の右卵巣は成熟奇形腫、左卵巣は大きさやMRIの所見から未熟奇形腫の可能性が疑われ、手術による治療が必要である ということだった
右卵巣は9,0cmの腫瘍が1つ、
左卵巣には17,3cm、8,5cm、8,1cm の腫瘍が3つと腹水、その他組織(?)
左側が良性であったとしても、卵巣がおなか全体を覆うまで腫れあがってしまったため、再発などの危険性を考えて 卵巣そのものと卵管すべてを切除することになった
はじめに異変を感じた便秘も、すべてこの卵巣が圧迫してしまっていたことによるものだと知って驚いた
右側は良性であれば腫瘍の部分だけ摘出し、卵巣は温存することができるらしい
悪性腫瘍だった場合、段階によって手術のみで治療完了になるか、抗がん剤治療が必要になるかを判断する ということだった
片方の卵巣を失うことにはなるけれど、将来の妊娠・出産の可能性を残して治療ができるということに私は感謝しないといけないし、この現実をちゃんと受け止めないといけないと強く思った
2か月後には成人式が控えているし、なんとしても元気な姿を両親に見せたい
そして綺麗な振り袖姿の友達にも会いたい
手術は2週間後
今のうちにおいしいものたくさん食べておこうかな、がんばろう