【歌唱共通教材】おぼろ月夜
歌唱共通教材って子どもたちの印象に残りにくいですよね。
昔と今では目に入ってくる情景が違ったり、親世代の方も歌を知らなかったり・・・
現在のアプローチで子どもにもこの曲を好きになってもらえたらいいなと思い、私が実際に授業で行っていた指導法をまとめてみました。
1. 情景が想像できない!
まず、この曲を教えるときに1番の壁は「歌詞の意味がわからない」です。
教科書は親切に文語体の意味を書いてくれていますが、子どもはそれを見ても情景が浮ばずピンとこない顔をしていることが多いです。
それは一体なぜでしょうか?
こちらは私の推測ですが、特に都会に住んでいる子どもたちは、空を見上げることが圧倒的に少なく、おぼろ月夜というものがどういうものか想像がつきにくいということが考えられます。
確かに昔に比べて、街の明かりで月や星を積極的にみる子どもがかなり減っています。時代の流れなので仕方ないことかもしれませんが…
朧月とはどんなものか。
春の夜空に、ぼんやり雲がかかっている月のことを朧月と言います。
菜の花畑に入り日薄れ
そもそも菜の花を見たことのない子どもも多くいます😔
教科書の写真だけでは圧倒的に情報が足りません。
子どもの中には、まだまだ想像力や経験が不足している子がたくさんいます。そんな子どもに「情景を想像して歌いましょう」なんて言っても響きませんよね?
もちろん写真や映像・エピソードを語ったりなんかして視覚的に情報を伝えることも大切なことですが、それだけではピンとこないまま曲を歌って終わりになってしまいます。
そこで、まずは何度もこの曲を聴いてイメージを膨らませることが大切だと感じました💭
2. 何回も聴かせるコツ【参考資料あり】
何も目的なく何度も曲を流したところで、子どもの耳にはスルーされてしまい、ただ退屈な時間が過ぎていきますよね。
そこでどうしたら子どもの興味を惹きつけられるかを何度も模索しました。
子どもの口から積極的に「もう1回聞きたい」「もう1回流して」という言葉を引き出すために思いついたのが下記の方法です。
特に情景を知るためには「歌詞」に注目させるといいでしょう。
そのため、穴あきプリントが1番シンプルで有効だと考えました。
実際に使用していたプリントを例に取り上げます。
このように、歌詞を1枚の紙に収まるようにして下の句を穴あきにします。
いきなり全て空欄にしてしまうと戸惑う子どもが多いと思いますので、下の句のみ穴あきにするのがいいと思います。(もちろん子どもの実態に合わせてアレンジするのもOK)
穴あきに文字を埋める場合は全てひらがなで記入させます。
支援の子もゲーム方式で飽きずに楽しく取り組んでいました。
まずは1番だけを流します。(2番まで流さないのがポイントです)
そうすると、あっという間の出来事に子どもからどよめきが生まれます。
👦「え!早すぎてわからない」「1行だけできた!」「ここなんて言ってるの?」「もう1回流して!」などの声があちこちから聞こえてきます。
ここからは興味スイッチが入った状態ですので、いつもより集中して聴いてくれるはずです。
すぐに2回目を流しましょう。
この時も1番までで留めておきましょう。
おそらく、この後も「もう1回!」という声が上がりますが、私の場合は3回目に流す際、2番まで一緒に流します🙂
そうすることで、聴くことに慣れてきた子の興味スイッチを再び入れることができます。
🗣️「歌詞が完成した人は、横にある歌詞の意味を見て確認してみてください」と指示を出すことで、待機する子どもを作らないように工夫したりもします。
👦「あれ?ヘンテコな歌詞になってた!」「あ!こういう意味だったんだ」というふうに、歌詞への興味や情景につながります。
この興味を持っている時に、歌詞の意味や情景を伝えると子どもの中にストンと落ちます。
いきなり歌って、いきなり意味を説明して〜という授業に比べて楽しく歌う子どもが増えた気がします。
あとは先生の腕の見せ所ですね!たくさん歌わせて、この曲を好きになってもらいましょう♩
3. それでも興味を持たない子どもには・・・
上記にあるように、やはり音楽が苦手な子でも
あの手この手を使ってアプローチをする必要があります。
先ほどの穴あきプリントも有効だと思いますが、1フレーズずつ歌って回して行ったり、ペアで聴き合いっこをしたり、現代の歌詞に直して歌わせてみたりしても楽しいと思います。
いろんな仕掛けを用意して、子どもたちの心に少しでもこの曲の良さが残るといいなと思います。
今回は、おぼろ月夜の授業案を載せさせていただきました。
皆様の参考になれば嬉しいです。ここまで読んでくださりありがとうございました🥕
また、実際に使用していた穴あきプリントをダウンロードすることもできます。有料にはなりますが、業務改善できますのでぜひご活用ください。
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