保護犬ビジネスって?生体販売より儲かると言われた訳。
ペットの実家を始めた当初、あらゆるペット業界の方にめちゃくちゃ言われた言葉です。
この記事クリックしてくださった方の中には、
と思われた方、または
と既に保護犬がビジネスになっていることを知っている方もいると思います。
今回のnoteでは、
について「ペット業界の裏側から」解説していきます。
保護犬ビジネスになっているわけ
実は、今、保護犬ブームなんです。保護犬ブームというと怒られそうな気もしますが、殺処分が行われる状況を受け、多くの人々が保護を支持するようになりました。
そういった飼い主さんが増える一方で、保護犬をビジネスにしている団体も増えています。保護された子に対して高額な寄付金を要求している団体もあります。
今回は、その問題について暴露しようと思っています!
・・・と言いたいところですが、私はその保護犬ビジネスについて否定的ではありません。部分的に否定して、部分的に肯定している。の方があっているかもしれません。全面的に否定できないなーと個人的には思っています。
その理由は、保護団体で活動している人にも対価をもらっていただきたいからです。無給のボランティアさんに時々来ていただくのではなく、保護活動を本業として、ワンちゃんと接していただきたいからです。
みなさんはどう思いますか?
ボランティアの限界
これは私の持論ですが、一般の飼い主さんと、ブリーダーやペットショップ、保護団体などの引き渡す側との大きな違いは、
瞬時に症状を見抜く力だと思っています。
一般の飼い主さんも、ワンちゃんのうんちが健康か見ますよね。軟便だなとか、下痢だとか。
ただ、引き渡す側はうんちを見て瞬時に、「これは寄生虫だな」「パルボウイルスかな」「単なる食べ過ぎだな」と何が原因かと判断する必要があります。
他の子に移さないように、隔離するという判断をしないといけないのが引き渡す側の仕事です。
うんちだけではなくて、咳や呼吸、食欲、皮膚、総合的にみて、ケンネルコフだな、とか、真菌だな、肺炎だな、と判断していかないといけません。
これが一般の飼い主さんと引き渡す側の、健康管理の仕方が圧倒的に違うところです。
この判断って飼育にかけた時間に対しての対価をご家族からいただき、長期で犬ちゃんと触れ合っているからこそ分かるようになります。
しかも保護団体さんはもっと特殊ですよね。人に心を開いてもらわないと譲渡できないのですから。毎日違うボランティアさんがきて、心を開けますか?
ただ、残念ながら今の保護団体さんは、そうやって時間をかけるというのが難しくなっています。
例えば保護犬カフェ。保護カフェは、掃除や食事などの動物のお世話はボランティアさんがメインで行っています。
その間に保護団体運営者は里親さんに保険や契約書の説明を机の上で行って、動物とはあまり関わる時間はありません。(保険の説明は資格が必要で、ボランティアにはできないのです。)
私は、それが怖いなと思います。
「保護犬を引き取ってから病気が見つかった」というようなトラブルは、こういった裏側が原因で起きているのではないかなと思っています。
そのため、私は保護団体さんにも引き渡すまでにかけた時間への対価が入ればいいなと思っているので、保護犬が少々ビジネスになっていても否定的ではありません。
本当に処分しかない?保護犬の種類
ただ、保護犬の中でもビジネスになっている保護犬というのは、保護された経緯が特殊なんです。それって、保護犬なの?と思っちゃいます。
ちなみに保護されるパターンとしては下記があげられます。
そして、①から順番に殺処分されてしまう可能性が高くなりますが、
基本的には④の子は殺処分されるような場所には持ち込まれません。法律上、持ち込まれた場合保健所側が断れるようになりました。なにより純血種の場合が多いですし、人と触れ合ってきた子たちなので比較的家族が見つかりやすいのです。
家族が見つかりやすい・・・つまり「回転率」がいいのです。
ここに目をつけているのが保護犬ビジネスです。
保護犬も、回転率を考えないといけない
保護施設にいるワンちゃんたちの中には、人に慣れていない譲渡までに時間がかかる子や、治療が長引いてなかなか引き渡しができないような子は多いです。
保護された子の多くは「レスキューされて、よかったね」って言われがちなんですが、よかったねとなるのはそこではないんですよね。
レスキューをして、時間をかけて譲渡できるように人にも犬にも馴れさせて、そこから里親さんに引き渡しをして、新しい家族と馴染んではじめて、「よかったね」となるんです。
しかし、里親さんからいただく費用は治療費や避妊去勢手術などのワンちゃんにかかった実費分、数万円程度です。レスキュー後に愛するために費やした時間、つまり人件費は請求していません。請求していてもわずかです。
そのため、引き渡しまで時間がかかるような子だけを扱っていたら、お金も時間も人手も、足りなくなります。これは、しょうがないと思います。
ですから、ブリーダーが手放したような「パッパッ」と家族が見つかる純血種(しかも3~6歳と若い)は、特定の保護団体からみれば都合がいいんです。
保護団体とブリーダーの関係
繁殖引退犬は上記のように説明されることが一般的です。本当にこのようなケースももちろんあります。
しかし、保護団体はブリーダーに「はやく繁殖引退犬クレクレ」と、チラシや電話でセールスすることもあります。悪質なブリーダーにセールスしているのではありません。詳細はこちら。
そうして、里親さんには寄付金という名目で、10万円・20万円を譲渡価格にプラスで請求をしたり、定期フードを義務付けたり、指定の保険会社への加入を義務付けて手数料をもらったり・・・というようなことをしています。保護犬の名を借りたビジネスですよね。
ペットオークションで買い付ける動物愛護も存在するぐらいですから。
こういう風に仕入れたワンちゃんを「ブリーダー飼育放棄!」「レスキューしました!」と書いて里親募集をして、人気だから35万円です!と言ってしまうのは、本当にレスキューした保護団体に対して失礼だなと感じてしまいます。
なにより、保護犬ビジネスについて反感を買っている一番の理由は、家族が見つかりやすい提携したブリーダーから仕入れた子だけを里親募集をして特に審査もせず横流しにしているからなんですよね。
冒頭でお話した通り、「保護犬の方が儲かるのに。」と言われた理由はこういうことです。全うなブリーダーから仕入れれば、ほぼ費用もかからず横流しできますよね。
ペットの実家はなぜそういった保護犬の引き渡しではなく、生体販売をしているのか。ですが、私は親も大切にしたいと考えるご家族様が増えてほしいと願っているからです。
産まれてからあなたと出会うまでの過程までも、愛してほしい。
「ペットの実家」では、実家という場所も大切にしてほしいという想いを込めて、素敵な出産環境を整えているブリーダーを紹介し、生体販売という形式で子犬・子猫を家族に託しています。
生体販売なので否定されることも多いですが、私は親犬に還元したいだけなのです。
もっともっと、ペット業界がクリアになればなと思っています。
このnoteをみて、保護犬を検討している方、どうして保護犬を迎えたいと考えてくださったのか、一度お考えいただきたいです。
どれに入りますか?
殺処分される子を助けたいのであれば、その多くが繁殖引退犬でも、ブリーダーが手放したハンデのある子犬でもありません。
本当に保護された子をお探しなら、どういった経緯で保護されたか、提示してくれる動物愛護団体さんをお探しされることをおすすめします。
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