リアルスティール

【分析】毎日王冠~甘く危険な人気馬たち~

こんにちは、ぺち(@Pettit0116)です。
今回は第70回毎日王冠(GⅡ)の上位人気馬にフォーカスして特徴を分析しました。
人気上位3頭の特徴と性質を分析をしましたので、どうぞ。

毎日王冠

ダノンキングリー(想定1人気)

・皐月賞、ダービーの敗因
近年の春のクラシックの馬場傾向は以下の通り。
皐月賞:開催最終週なので外差し優位
日本ダービー:当週に内柵を移動するので内枠有利

皐月賞では直線でインに入り、その結果外からの差し馬に敗れ、勝ち馬にアタマ+ハナ差の3着。
直線で外に出せていればと思わせる惜しい内容でした。
勝ち馬と力的には見劣りしていませんでした。
日本ダービーでは有利な内ラチ沿いを走りましたが、勝ち馬は1枠1番で道中2番手追走をしていたロジャーバローズ。
同じく馬場の恩恵を受けた馬に敗れてしまいました。
ダービーではそれに加えて距離もあったように思います。
残り200mの時点でロジャーバローズを射程圏に収めていましたが、そこから差し切るまでに至らなかったのは距離によるスタミナ切れだったように感じます。
皐月賞・日本ダービーともに敗れてはいますが、明らかな能力の差で敗れたわけではなく展開や馬場、枠などの運要素で敗れた側面もあります。
特に馬場状態による影響は、着差を考えるとあったのではと思います。

血統から見てもこの馬の適性距離は1600m~2000m。
今回の1800mという舞台は共同通信杯でのちにNHKマイルCを勝つAマーズも負かしている舞台です。
そして今回は54kgで臨めます。
馬体重が450kg程度しかないので、斤量の影響を今回は良い方向で受けられます。

・血統
父:ディープインパクト、母父ストームキャット、母母父:Honor and Glory
父ディープインパクトは直近3年で5頭の3着以内馬を輩出しています。
さらにディープ×ストームキャットというダノンの配合は2017年の勝ち馬リアルスティール、2着サトノアラジンと同じ配合。
ストームキャットといえば芝ダート問わず短距離で活躍馬を輩出している血統です。
Honor and Gloryは、自身は米国のダートマイラー、産駒には2003年の帝王賞勝ち馬ネームヴァリューや米国のBCジュベナイルF(2歳牝馬GⅠ,1700m)勝ち馬などがいる米国短距離血統です。
血統的にはサトノアラジンに似ています。


アエロリット(想定2人気)

・弱点は輸送と重馬場
これまで着外は6度あります。
そのうち、地元の関東圏でかつ良馬場での着外は前々走ヴィクトリアマイルの5着のみ。
そのVMも3か月以上の休み明けだったとはいえ、海外帰りという特殊なローテでした。
馬場が稍重いかに落ちた場合は(0-0-0-4)と全滅。
つまりは関東圏での良馬場レースにめっぽう強く、中山・東京でのレース成績は(3-6-0-2)、良馬場に限ると(3-6-0-1)と非常に優秀です。
勝利には良馬場が必要条件でしょう。

・安田記念に強くてVMに弱いワケ
相手関係から考えれば逆になるのが普通ですが、この馬は安田記念は(0-2-0-0)、VMは(0-0-0-2)と安田記念の方が結果が出ています。
同じ舞台で行われるこの2レースですが、違いは何なのか。

個人的にはたまたまだと思っています。
今年のVMは海外帰りだったためかスタートからのダッシュが付かずにとりたい位置を取るまでに脚を使ってしまっていました。
昨年のVMでは、こちらもスタートからのダッシュが付かずに中段あたりからの競馬をしようとしていましたが、結果的に折り合いを欠き道中3番手からの競馬となってしまい敗れています。
逆に安田記念の2レースはスタートからのダッシュが上手くいき取りたい位置をすんなり取れていますので、結果も伴ったのだと思います。
この馬は勝負根性がすごいあるので、最後の直線でしぶとく粘る強さがあります。
最後の直線でどれだけ脚を残せているか、そのためには前半でいかにロスなく立ち回れるかが結果につながります。

そうなると枠が重要となります。
安田記念で過去2年で2,4番枠でしたが、VMでは10,11番枠と外目の枠でした。
これは先行馬であるアエロリットにとっては大きな差になります。
前半のスムーズさには内枠の方が明らかに良く、先行馬にしてはテンのスピードがないので、内枠ならばある程度それをカバーできます。
なのでこの馬にとっては枠は重要となります。

・血統
父:クロフネ、母父:ネオユニヴァース、母母父ヌレイエフ
父は芝とダートのGⅠ馬で、産駒は芝ダート問わずマイル以下のレースに強い。
また東京コースにも好相性を見せています。
母父のネオユニは皐月賞、日本ダービーの2冠馬ですが、産駒はダート色が強くパワー型の種牡馬。
ヌレイエフは欧州のマイラーで産駒も短距離馬が多い。
クロフネ産駒の東京巧者ぶりにネオユニのパワーが合わさって、直線の長い東京でも勝負根性で対抗できているのだと思います。

インディチャンプ(想定3人気)

・馬群を割れる強み
重賞初勝利の東京新聞杯ではスタートで出遅れながらも勝利。
前々走マイラーズCではスローのヨーイドンな競馬となり、上がり32.1の脚を使いながらも4着敗退。
そして前走安田記念ではアーモンドアイ、ダノンプレミアムなど超強力メンバーが揃いながらも勝利、GⅠ初制覇を飾りました。
道中はラチ沿い3番手から進み3角~4角時点では5番手からの追走、直線では外に出して上がり32.9の脚を使って勝利しています。
しかも直線では追い出すのに少しだけ手間取っていたので、その分のスムーズさがあればもっと着差は付いていたのではと思われます。
なので着差以上の強さを感じました。

この馬の強みは馬群を割って差せること。
東京新聞杯でもスタートが出遅れたこともあり、道中はラチ沿いを走り直線では馬群を割って勝利していますし、安田記念もそれに加えてスタートも決まったので道中のスムーズさもありました。
馬群を割ることができると道中ロスなく立ち回れるので、差し馬でも届きやすくなります。
加えて瞬発力もあるので、正直歴代でも上位に来るマイラーだと思います。

・血統
父:ステイゴールド、母父キングカメハメハ、母母父:Meadowlake
ステイゴールドはオルフェーヴル、ゴールドシップ、ドリームジャーニーなどを輩出している種牡馬で、クラシックの時期から活躍できる仕上がりの早さに加えて、5・6歳まで活躍できる成長力も兼ね備えています。
自身が引退レースの香港ヴァーズでGⅠ初勝利をしているように、長く活躍できるのが特徴です。
キンカメは芝ダート、距離問わず産駒が活躍している万能種牡馬。
ディープ産駒のような瞬発力というよりもスピードの持続力で勝負する産駒が多いです。
Meadowlakeは、自身は米国の短距離ダート馬で、産駒はダートの中距離馬が多い。
ステゴ、キンカメの産駒は長く活躍できる馬が多いので、インディチャンプはまだ伸びしろがありそうです。
ステゴの瞬発力と勝負根性に振り切った馬な印象です。

以上、第70回毎日王冠~甘く危険な人気馬たち~編でした。
ご覧いただきありがとうございました。

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