【2023年版】UniTalk導入で必要になるライセンスまとめ~UniTalkを理解するための 4 つのヒント~(前編)
2022年、Business Voice ライセンスが廃止となり、Teams 電話スタンダードに切り替わりました。また、2023年4月にはTeams 電話スタンダードの価格改定が控えています。
そこで今回は「2023年版UniTalk導入で必要になるライセンスまとめ」というテーマで、マイクロソフトが提供するTeams電話スタンダードというライセンスについて最新情報を踏まえ詳しく解説します。
さらに、UniTalk導入で必要になるライセンスをシーン別に整理し、ライセンスを通してUniTalkへの理解がより深まるように工夫しました。それでは早速始めましょう!
1. Teamsで外線発着信に必要なライセンス
Teamsで外線発着信に必要なライセンスは次の通りです。
まずは当然、Microsoft 365(Microsoft Teamsが含まれるプラン)。それから電話システムライセンスとして、Microsoft Teams 電話スタンダード。そして最後にUniTalkライセンスとして「UniTalk番号基本料」「SoftBank Calling for O365」または「UniTalk 050番号基本料」「SoftBank Calling for O365(050)」のいずれかが必要になります。(050が付かないライセンスと付くライセンスの違いは次のセクションで説明します。)
尚、Microsoft Teams 電話スタンダードはこの動画を収録している2023年1月時点では定価ベースで1ライセンス月額870円ですが、4月以降円安に伴う価格改定が発表されており、月額1,001円への値上げが予想されています。ライセンス購入予定の方は、3月までにNCEプランで年契約すると多少コストが抑えられます。
UniTalkライセンスの料金
UniTalkライセンスの料金の違いについて説明します。
UniTalkライセンスには0ABJ番号と呼ばれる03や06で始まる固定電話番号を発番するライセンスと、050番号と呼ばれる050で始まるIP電話番号を発番するライセンスの2種類があります。
金額はそれぞれ、UniTalk 番号基本料とSoftBank Calling for Office 365の合計で0ABJ番号で月額800円、050番号で月額300円です。そしてもっとも注目すべき点が、0ABJ番号では国内通話料金を含み、050番号では通話料金は従量課金となっており、別途費用が発生する点です。
ざっくりと、たくさん電話を掛けるユーザーに適しているのが「基本料が高く、しかし通話料固定の0ABJ番号」、ほとんど電話を掛けないユーザーに適しているのが「基本料が安く、しかし通話料が従量課金の050番号」と考えてくださって結構です。
もちろん発番される電話番号が03や06で始まる固定電話番号か050番号かの違いも重要ですが、相手先に表示される電話番号はTeamsの発信者番号通知ポリシーを利用して上書きすることが可能です。なので、外線発信の使用量で割り当てるライセンスを変える運用がおすすめです。
その他発生する費用
その他、次の費用が発生します。
初期費用(0ABJ番号:1,000円/050番号:500円)が発生します。
別途ユニバーサルサービス料2円が必要です。
以上を踏まえ、UniTalk導入には、たとえば通話料固定の0ABJ番号を選択した場合、Teamsライセンスに加えて1ライセンスあたり(2023年4月以降の定価ベースで)月額1,801円(Teams 電話スタンダード:1,001円+UniTalk 番号基本料:300円+SoftBank Calling for Office 365:500円)が必要になります。1人当たりの費用感の目安として覚えておいてください。
尚、先ほど説明した発信者番号通知ポリシーの上書きについては、「【Teams × UniTalk】発信者番号の変更方法をはじめからていねい〜発信者番号通知ポリシーの設定手順を完全解説〜」という記事で解説しています。
050番号利用時の通話料金
050番号利用時の通話料金です。
IP電話ですので、一般的な固定電話料金よりも多少安い通話料金が設定されています。
2. Teams 電話スタンダードとは
次にTeams 電話スタンダードについて解説します。Teams 電話スタンダードとは、通話制御とPBX機能を提供するホスト型の電話サービスです。
クラウド ボイスメール
発信者番号
コールパーク
着信の転送
自動応答
通話キュー
通話転送
発信者番号
などのすべての機能が利用可能になります。そして、Teams 電話スタンダードは外線【発信】するユーザーに割り当てるラインセンスという理解で概ね正しいです。
Teams 電話スタンダードは2種類ある!?
Teams電話スタンダードには、実は2種類のライセンスがあります。ひとつがTeams電話スタンダード。そしてもうひとつが共通エリア電話。
Teams電話スタンダードは①外線【発信】を行うユーザーに付与するライセンスで、②ユーザーライセンスとなります。ユーザーライセンスですから当然、③特定のユーザーのみが利用可能です。
一方、共通エリア電話は①不特定多数のユーザーが利用するデバイスに紐づけるライセンスで、こちらは②デバイスライセンスになります。③不特定多数のユーザーが利用するデバイスでは、ユーザーライセンスであるTeams 電話スタンダードの利用は認められず、共通エリア電話の割り当てが必要となります。
Teams 電話スタンダードと共通エリア電話の違い
Teams 電話スタンダードと共通エリア電話では、どのような機能的な違いがあるのでしょうか。
実はTeams 電話スタンダードと共通エリア電話に機能上の違いはほぼありません。ユーザーに割り当てるか、デバイスに割り当てるかの契約上の違いのみで、どちらのライセンスを割り当てても機能的な差異はありません。
割り当てたライセンスでユーザーインターフェースが異なるなどの情報もMicrosoft Learnにはありますが、UniTalkを1年以上利用してその差異を感じたことは一度もありません。ほぼ同じと考えて良いかと思います。
さらに、Teams 電話スタンダードと共通エリア電話はライセンスの価格も同じです。
ゆえに、すべての外線発信アカウントにTeams 電話スタンダードを統一して付与してもUniTalkの運用にはまったく問題はありません。これは、どちらのライセンスを割り当てるかは紳士協定によるものであり、システム的な規制が行われていないためです。但し、もちろん規約違反になるので正しいライセンスを付与しましょう。
ちなみに余談ですが、共通エリア電話というライセンスは販売代理店の方にはほとんど知られていないライセンスです。「なんですか、それは?」となりますが、「とにかくあるのでこれで見積もってください」とお願いしましょう。
3. シーン別 Teams 電話スタンダードの使い方
続いて、シーン別 Teams 電話スタンダードの使い方の解説です。
シーン1:受付電話として
シーン1は受付電話に割り当てるライセンスについて考えます。
使用環境は、
・オフィスの受付電話として、
・不特定多数の来客者が使用すること
を想定します。
この場合、割り当てライセンスは
・Microsoft Teamsが含まれるプラン と
・共通エリア電話
です。
ポイントを解説します。Teams 電話スタンダードと共通エリア電話は、外線【発信】するユーザーに割り当てるラインセンスという理解で概ね正しいです。但し、今回のように、外線【発信】しなくても、不特定多数のユーザーが使用する場合は共通エリア電話のライセンスが必要になる点に注意が必要です。
シーン2:部門代表電話として(電話あり)
シーン2は部門代表電話に割り当てるライセンスについて考えます。
使用環境は、
・オフィスの部門代表電話として
・Teams Phoneを設置し、
・不特定多数の部門従業員が利用すること
を想定します。
この場合、割り当てライセンスは
・Microsoft Teamsが含まれるプラン
・共通エリア電話
・Softbank Calling for Office 365
です。加えて電話番号の紐付けも必要です。
ポイントを解説します。外線発信するので、Teams 電話スタンダードか共通エリア電話ライセンスが必要になりますが、今回のケースでは複数の従業員が使用するTeams Phoneがあるので共通エリア電話のライセンスが必要になります。また、外線発信を行う場合はセットでSoftbank Calling for Office 365のライセンス割り当てと電話番号の紐付けも必要になります。
シーン3以降は、自動応答機能を使用した場合に必要になるライセンスについて解説します。少し記事が長くなりましたので、今回の解説はここまでにしたいと思います。
本記事はYouTubeでも解説しています。合わせてご覧いただけるとわかりやすいかと思います。それでは後編でお会いしましょう!
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