ここへきてやむに止まれぬサンサシオン
こんにちは。あるいはこんばんは。おしゃま図書です。
先日、ようやく行ってきました。
アーティゾン美術館の山口晃展。
旦那と美術館に行くのはとってもレア。なぜなら「アートとかようわからん」という人なので。
(私もみるのは好きだけど、特になにかわかってるわけではない)
時々混じり合う「好き」の領域
旦那は鉄ヲタ。そして若干ミリヲタ。
悪の女幹部が好きだというオジサンです。
しかもフランス人のことが大キライ。
そして「アーティゾン美術館て、ブリジストンのことなの?」というくらい美術館に疎い。
フランスが好きで、映画やアートが好きな私とは、興味の対象が驚くほど違うのですが、時々、二人の興味の輪が重なるところがあるのです。
山口晃の作品は、そのうちの一つ(大河はほとんど見ないのですが、タイトルバックを山口晃がやってたこともあり、いだてん~東京オリムピック噺~は見てました!)。
新作が見れるとあって、誘って行ってきましたよ、日本橋へ。
ジャム・セッションシリーズが面白いのは、今の作家に、アーティゾン美術館所蔵作品からインスパイアされて作品をつくってもらって、展示するから。
ジャム・セッションですから。
山口晃からの、アーティゾン美術館所蔵作品へのアンサーソングがどんなものか、興味がありました。
ちなみに、タイトルにもある「サンサシオン」とは、感情にいたる前の感覚のこと。ポール・セザンヌが制作について話す時によく用いた言葉だそうです。
パラリンピックのアートポスターの依頼から出来上がりまでの経緯が面白すぎた!!!
会場は、撮影自由&スケッチも自由という太っ腹。
なのに、写真撮り忘れました。
と、思っていたら、オリパラのときの美術手帖の記事発見!
色が淡くてキレイでしたけど、儚げでもありました。作品の静けさとは裏腹に、なんでパラリンピックのポスターをやることになったのか、事細かに説明してくれていて、とても面白かった。宮田亮平さん(元文化庁長官、元東京藝大学長)から推薦されていて断れなかった背景とか、超セキララ!!!
アーティゾン美術館の所蔵作品とのジャム・セッションが面白い
たとえばセザンヌ。山口さんがアーティゾン美術館所蔵のセザンヌのサント・ヴィクトワールを見て描いた絵自体が批評のような佇まい。解説も面白い。
「趣都 日本橋編」の単行本はないの?
これ、まじで面白かった。私のフランスというか、ヨーロッパ好きは、古い建物がいまも使われているところ。東京は、昔の面影ってそれほど残ってないけど、道はけっこう昔のままだったりするでしょ?(池波正太郎の江戸切絵図散歩が好き!)
で、いっときは私も、日本橋の上に首都高なんて野暮なモノ作っちゃって、ほんと日本人てわかってないよね! なんて思っていたんだけど、あの、スクラップ・アンド・ビルドな感じ、日本橋の上に首都高作っちゃうあたりが、むしろ「東京」なんじゃない? と、旦那に言われてハッとしたの。
その考え方面白いじゃん! て。
そしたら、山口晃もおんなじようなこと、言ってた。
月刊モーニング・ツーで連載してたんですね。
単行本探したけどなかった。
ぜんぶ読みたいね、と旦那と話した。
もし、山口晃が描いたような日本橋が実現出来たなら、日本は(色んな意味で)豊かな国になるよね、とも。
違うけど、面白がるところが似てるから、わたしたちは夫婦なんだな、と改めて思いました(別にノロケではなく)。
とにかく!山口晃展は19日までなので、観に行けてよかったです。
すゞしろ日記もちゃんと読み返したくなりました。