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2枚の湿板写真

約9cm×6cmのガラス板(湿板写真?)。ここに写っている少年は父方の祖母の弟だと、祖母自身から聞いたぼんやりとした記憶がある。ただ、その記憶が正しいとすれば、撮影時期は祖母が生まれた明治30年より数年は後になるはずだ。すでに紙焼きが普及していたろうに敢えてガラス板にしたのが不思議ではある。

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祖母の妹達(私達から見れば大叔母)は、1人は近所に住んでおり頻繁に行き来していたし、馴染みがあった。しかし、祖母に弟が何人いたかは定かではない。写真の少年も、兄弟なのか撮影時期の違う同一人物なのかよくわからない。

確かなのはひとり、病で20代くらいの若さで亡くなった弟がいることだ。

ある日、遠方にいるはずの弟が突然、勝手口(または玄関)に現れた。弟は血の気の引いた真っ青な顔をしており、祖母が驚いて声をかけると「お姉さん、僕はもう死ぬんです」と言って消えてしまった。
そして弟は本当に、病気で真っ青な顔になって亡くなった。
と、これも祖母自身から聞いた話だ。
(弟が現れた件が体験として語られたか、予知夢の話だったか記憶が定かでない)

この少年が、祖母の早逝した弟かどうか、確かめる術はないのだが。

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