文語文で作文書かされてた小学生
父の作文。学年や日付がないが、昭和10年(10歳)くらいに学校に提出していたらしい日記も文語文で書いているものがあるので、たぶんその頃。
原文。
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暴風雨
時は八月夏休のさい中の時の事なり。外におそるべき物おとがして、ぴかりぴかりと雷光はしやうじにうつれり起きてべん所にゆかんとして、がらす戸のカーテンをひらきて見れば、木葉をまく、れつ風に雨は斜めとなりて、庭中にふりそそぎ、庭のくぼ地は池のごとくなれり。屋根からはたきのごとく雨だれが落ちて石をもくだかんばかりなり。後でききしことなれど其の日もラヂヲ体さうありて、じつこうしに來る物二十餘人なりと言ふ。うちではラヂヲが「ぶつん」となりて、ぴかりと光れりそれきりラヂヲのおとはきこへなくなれり。僕はあの日一どラヂオたいさうに行かなかつたのはざんねんなり。
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そして先生の赤が入った原稿。
「文語文はなか/\むつかしいものだ。」