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公園カフェだけじゃない、Park-PFIでできた個性的な公園たち

公園の中にカフェなどナイスな施設をつくって、その収益で公園を整備しようという制度「Park-PFI」。前回のどんな制度なのか?に続いて、今日はどんな事例があるのか?を書いてみたいと思います。調べていたら、結構ものすごいことになっておりました。

地域に根ざしたカフェレストラン

たとえば、南池袋公園(豊島区)Racines FARM to PARKや、千里南公園(吹田市)のレストランbird treeは、地元の企業が運営するカフェレストラン。地域の会社が、地元の公園にお店を出して、みんなで公園を良くしていくって、良いことだなあ。

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個性的なカフェも!

そこだけで完結せずに、街とつながっているのがカフェの良さなんだよなあとしみじみ思ってしまうのは、この秋にオープンした中池袋公園(豊島区)アニメイトカフェ。近くにある大手アニメショップとのコラボでアニメの聖地池袋ならではのイベントが開催されたり街全体で盛り上がっているんだとか。ステキです。

とにかく気軽に、普通にカフェ。

おそらく一番よくあるパターン。スタバやタリーズ、コメダなどの全国チェーン系もあれば、地元のカフェもあったりして。

こちら今月オープンした別府公園(別府市)のスターバックスもPark-PFIでできたもの。そのほかにも、スターバックスは、浜松城公園(浜松市)蓮華寺池公園(藤枝市)などいろいろあります。「公園にスタバ」は結構見慣れた風景になりつつありますが、それぞれお店のつくりにもこだわりがあっていいですよね。パークフルにはこんな記事も。

勝山公園(北九州市)のコメダ珈琲、青い森公園(青森県)のセブンイレブンなんかも同じ系統かな。

遊び場をもっと充実!

のんびりする場所も、もちろん良いのですが、公園でもっと遊ぼう!と言わんばかりに遊び場を充実させているPark-PFIの事例もあります。

泉自然公園(千葉市)横浜動物の森公園(横浜市)には、自然共生型アウトドアパークのフォレストアドベンチャーが。年齢に合わせて森の中で冒険できちゃう、これは間違いなく楽しそう。

安満遺跡公園(高槻市)は、弥生時代の遺跡が眠る歴史遺跡を活かした公園の中に、ボーネルンドの大型室内遊び場があったり、様々なイベントが開催できる広場、こどもも遊べるせせらぎなど、いろいろな楽しい場所がつくられています。

食べて、買って、遊んで、あれこれ複合施設

ひとつのカフェやレストランだけでなく、複数のお店が入るパターンもあります。名城公園(名古屋市)は、北園エリアで、カフェレストランのほか、スポーツショップや、ランニング・サイクルステーション機能をもつ複合施設tonarinoをオープン。マルシェやイベントなどもやっています。

天神中央公園(福岡県)は、公園内の西中洲エリアを西鉄グループと再整備。旧福岡県公会堂貴賓館の歴史的な佇まいと、那珂川の水辺と公園の緑に、福岡らしい飲食店を4店舗入れて、HARENO GARDENとして今年の8月にリニューアル。

公園内に動物園や美術館がある天王寺公園(大阪市)は、駅近くのエントランスエリアに大きな芝生広場(てんしば)を近鉄不動産と整備。飲食や物販のほか、フットサルコートでのサッカースクールやペットのための施設、また宿泊できるゲストハウスまで。もう盛りだくさん。

泊まる公園

愛鷹運動公園(沼津市)は、林間学校として利用されていた沼津市立自然少年の家をリノベーションして、泊まれる公園INN THE PARKとして再生。球体テントやステキな宿泊棟、そして食事も楽しめる宿泊施設。もはや公園だってことを忘れてしまいそう。

公園全体が野外劇場

池袋西口公園(豊島区)は、クラシックコンサートやダンス、演劇に対応し、大型ビジョンや高性能の音響スピーカーを備えた野外劇場GROBAL RINGとして先月リニューアルオープン。隣接する東京芸術劇場や、池袋エリアの他の公園(南池袋公園、中池袋公園、造幣局跡地の新公園)とともに、ひとつの公園の中だけではなく、街と公園がうまく繋がりながら、その境界線をゆるやかにしながら、人々の暮らしをより豊かに面白くしている感じがします。

豊島区が進める池袋駅周辺4公園の整備「まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市」(豊島区HPより)

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公園は地域のみんなで一緒によくする

こうやって民間企業の力で公園を再整備していくのはとても良いこと。飲食はもちろん、アウトドアやエンターテイメント、ウェディング、宿泊、保育や介護など様々な分野の人たちが参入していくのだろう。だけど、どの街の公園も同じように、有名な全国チェーン系店舗ができれば良くなる訳ではないし、これをやれば賑わってOKというメソッドがある訳でもない。地域の人たちを置いてけぼりにしてはいけない。出来上がってから、「こんなのできるなんて聞いてない!要らない!」と反対運動が起こるケースも残念ながらある模様。まずはじめに、その公園が地域にとってどうあるべきか?どうあってほしいか?を多角的な視点から一緒に話し合う場が、これからの良い公園づくりには必要なんじゃないかと思う。

そういう点でも、何かと話題の南池袋公園の価値のひとつは、「南池袋公園をよくする会」と名付けられた公園の運営組織があることなんだと思う。それは、地元町会や商店会の代表者、隣接する寺町関係者、学識経験者、豊島区、カフェレストランの事業者代表で構成されていて、みんな自分事として運営に携わっていること。店舗営業する企業だけがやる訳でもなく、自治体がすべてを引き受ける訳でもなく、地域の人や関係者が一緒によくしていこうというスタンスで同じ方向を見て動いていくこと。そうやって独りよがりにならないことって、大切だ。

公園愛護会は、もしかしたら、そういうこれからの良い公園づくりに重要な存在になりうるのかなと思う。その公園を愛して、よくしていこうという会。そう考えると、もっといろんな人が入ってきたら面白いし、いろんな可能性が見えてくる。公園の使い方やルールを自分たちで決めていくこともできそうだし、街とももっと繋がって、新しい仕事だって生まれていくかもしれない。面白くなりそうだね。

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