みんなの公園愛護会、走り出してます
「みんなの公園愛護会」という団体を立ち上げて、最近、ステキな冊子と、ウェブサイトができました。これまで、地味にコツコツ、あれこれ寄り道しながら、粛々とやってきたことが、ここに来て立派な舞台が出来て、パーっとお披露目された感じ。
どんなことをやっているのか、そしてこれから、どうしていこうとしてるのか、団体をつくった目的など、書いてみたいと思います。
どんなことをやっているのか
公園愛護会やその他さまざまな名前で行われている「公園ボランティア」のサポートをする団体です。具体的には、こんなことをやってます&していきます。
・公園ボランティアの現状を調べる実態調査
・調査データをもとに、より効果的な支援をするための、自治体との対話
・公園ボランティア同士で知恵や経験をシェアできるコミュニティづくり
・公園ボランティアがもっと身近になる機会づくり
とくに、最初のプロジェクトとしてやったのが、神奈川県での公園ボランティアの実態調査。はじまりの様子はこちらの記事でも紹介しました。
神奈川県内33のすべての自治体の公園担当課に、アンケート調査をして、市民の公園ボランティアの制度があるか、ある場合どのような内容か、もたらしている価値や抱える課題は何か?など聞きました。
その結果、全体の72.7%の自治体に公園愛護会などの市民ボランティア制度があることがわかり、そのうちの8割は報奨金など活動のためのお金が支給されていて、残り2割は必要な物品を提供するという形の支援が行われていることもわかりました。その他、公園愛護会がもたらしている効果や価値について、行政の担当としてどのように考えているのか?などについても聞いたり。自治体アンケート結果は、みんなの公園愛護会サイト「みんなどう考え、どうしてる? 公園愛護会の今 〜自治体編」で見ることができます。
その後、8つの市と町の協力の下、1175の公園愛護会にアンケートを送付して、活動メンバーの人数や年齢構成、やりがいや、あとどのくらい永続できそうか?などを聞きました。
公園愛護会と自治体のコミュニケーションが基本郵便ということで、アンケートも紙の印刷物をつくって、折って、返信用封筒つけて、切手も添えて、、を大量に用意して、各自治体で宛名をつけて郵送してもらうという作業。返信用封筒で届いた郵便物を開封して、読んで(ものすごくたくさんのコメントがあって感動した〜!)、ひたすら入力(入力サポートしてくれた友よ、ありがとうー!)。そして分析!
担い手の年齢構成としては、70歳代が突出して多かったものの、公園ユーザーである子どもや子育て世代も確実に存在していることがわかったり、「地域でひとつの役割を持てること」や「公園利用者に感謝されること」がやりがいになっていることがわかりました。愛護会アンケートの結果は、「みんなどう考え、どうしてる? 公園愛護会の今 〜市民団体編」で見ることができます。たくさんのコメントの中から一部抜粋ですが、みんなの声も。
これらの調査結果と一緒に、公園や愛護会の未来や可能性について、公園大好き国交省職員の一言太郎さんにインタビューした記事も一緒に、タブロイドにまとめました(インタビューの内容はここでも見れます)。
全体ディレクションは、みんなの公園愛護会の理事にもなってくれている、空気読みの跡部徹さん。デザインはタラコデザインさん。イラストは高安恭ノ介さん。おかげさまで、ステキな冊子とウェブサイトになりました。
これからやっていこうとしていること
愛護会へのアンケートが複数の自治体職員から好評で、愛護会の効果的な支援のために、継続して声を聞いていきたいという話も出てきたので、パートナー自治体と協定を結んで、毎年継続アンケートをしていこうと動き始めています。
あと、いろいろな活動や団体を紹介していく「となりの公園愛護会」をはじめました。ステキな人たちの存在が広く知られることで、ありがとうの循環ができればいいし、楽しさや知恵を共有していけたら。地域の公園にちょっと関わってみようかな〜という気持ちが、みんなの中でちょっとずつでも増えていったら良いことだし、いつもの公園を見る視点が変わって、利用を消費するだけじゃなく一緒に公共をつくるみたいなモードになれたら、公園に愛が注がれて、それってとってもいいことだなと思うのです。
そして、愛護会同士がつながれるコミュニティをつくっていきたい。お互いの課題や経験を持ち寄って、シェアしあう、学び合いのコミュニティ。そんなこともやっていきたいなと思っています。
団体をつくった目的(1):地域の小さな公園が元気であってほしい
あと、団体をつくった目的というか、経緯というか、道筋についても、書いておこうと思います。1つめは、もう何というか、夢の世界に近いけど。
大きな公園はPark-PFIなどで企業が入ってカフェが出来たりして盛り上がっている動きがあります。一方、9万近くある小さな公園はどうかというと、これと言って何もない。公園を管理する地方自治体の予算がどんどん厳しくなっていること、自治会町内会のシステムがだんだん機能しづらくなってきた地域が増えていること、人口減少少子高齢化、いろいろな問題が複雑に絡み合っていて、一発逆転ホームラン的な何かはサッパリありません。
一方で、地域の小さな公園を支えている人たちがいるという事実。公園愛護会というシステムもある。そこを応援したり、必要に応じて何らかのアップデートをしていくことで、地域の小さな公園が元気でありつづける、もしくはもっと楽しんでいくことができるんじゃないかと思った訳です。
団体をつくった目的(2):公園や地域をこえて担い手が繋がれたら
それでまずは、ためしに自分でも公園愛護会をやってみました。近所の遊び場「つくし公園」に、遊び仲間と公園愛護会をつくって、毎月そうじなどしています。やってみると、今まで気にも留めなかったことが見えてきたり、面白いことがたくさんありました。
つくし公園の平和でゆるやかな時間を大切にしつつ、同時に、他の公園ってどうなってるんだろ?夏場の雑草、ベテランさんはどうしてるんだろ?楽しくユニークな取り組みしてる人たちいるよね?という好奇心が湧いてきます。
公園でのボランティアの活動にもっと仲間が増えたら、そして、みんながより充実した活動を続けることができたら、という思いで、設立。名前は、ヨコモジカタカナ系じゃなくて、ひらがなな感じだよね、わかりやすくて親しみやすいのがいいよね、って考えてて、朝自転車こぎながら「ぽんっ」と思い浮かんだ『みんなの公園愛護会』に。
団体をつくった目的(3):全国的に俯瞰して見ている人もいない
公園愛護会のようなシステムは、公園を管理している市町村ごとに設置の有無やルールなどが決められています。その自治体の枠を超えて論じられることもなければ、比較されることもなく、データなども存在しません。そこを繋げてデータを取っていくとかも、おそらく誰もやっていないこと。国もやっていないのです。誰もやってないということは、お金儲けに直結しないということだろうけど、誰もやってないことをやってみる価値はあるんじゃないかと思っています。とはいえ、いきなり全国は無理だから、まずは神奈川県からやってみました。
これらの目的は、はじめからくっきり順序立てて、戦略的に考えていった訳では全然なくて、話し合いながら、やりながら、進んでいったら、なんとなく今こんな感じになったというもの。
ということで、ゆるやかに頑張っていこうと思うので、これからどうなっていくのか、一緒に育ててもらえたらうれしいです。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。
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