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ママ おかあちゃん かか

「ママー!」と呼ぶ声がする。
母を呼ぶ声ではない。
次女(1歳10ヶ月)が、私か妻に歯磨きの仕上げを依頼するときの声。

「おかあちゃん」と泣きながら呼んでいる。
やはり、母を呼ぶ声ではない。
『おかあさんといっしょ』をテレビで見せてくれと訴える次女の声。

「かか」と呟きながら始まる朝6時のベッドでの探検。これは正真正銘、母を探す次女の声。

わが家には「ママ」「おかあちゃん」「かか」という同じ意味を持つことばがそれぞれ違う意味で使われている。「ママー!」は『おかあさんといっしょ』の親子歯磨きコーナー?でテレビの中の子どもがお母さんに仕上げをお願いする呼びかけに起因している。長女(7)と長男(5)も小さなときにそんな呼びかけをしていた。三者三様だなと思っていたが、ここばかりは共通だったのは不思議。

小さな子と暮らしていると、彼らのことばにならないことばを理解することが必要になる。「とと」「かか」で父母を呼ぶ我が子が突然「ママ」と呼ぶのはなぜ?と疑問が歯磨きの仕上げの依頼であることがわかったときには極上のアハ体験となった。伝えたいのにボキャブラリーがなく伝えられない彼らの気持ち。知るための想像力を身につけていきたい。そして、確定的に「わかってやった感」で悦に浸るのではなく、適度な余白や余韻を残しておきたい。

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