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主夫のお小遣いは?妻の年収は?【主夫マガ#4】

先日、こんな質問をもらった。

ご質問、ありがとうございます

「なんでも質問してください」と言いつつ、妻の年収を公開することに抵抗感がないといえば嘘になる。そこで、ChatGPTに助言を求めてみた。

妻の許可があるなら年収を公開してもいいけど、慎重にね。

プライバシーや特定されるリスクもあるし、ネットは予想外の反応が怖いから、具体的な数字じゃなくて曖昧にした方が安心だよ。

あと、年収の公開は他人の嫉妬や反感を買うこともあるから、その点も気をつけて。

ChatGPTの助言

注意とお願い

助言をもとに、次の点を踏まえて回答する。

  • 妻の許可を得たうえで記事を公開する

  • 具体的な数字は控えさせてもらう

  • 事実をもとに素直な考えを書く(嫉妬や反感は自己処理してください)

年収は、あえて回りくどく、わかりにくい形で公開する。文章を読む気がある人だけが知れるように配慮(嫌がらせ)したつもり。サクッと年収だけを知られるのは、なんとなく嫌なので。

あと、ハッキリ言って妻の年収は高い方だ。変に謙遜するのも好きじゃないのでストレートに書く。嫉妬しそうな人は「夫の年収でマウントを取るダサい妻」の男女逆バージョンだと思って、心の中で見下しながら読んでくれて構わない。


主夫の妻の年収

公開方法

妻の年収は「二重のぼかし」を入れて公開する。最終的には、労働者全体の中での妻の年収の位置を明らかにすべく「偏差値」などの相対値を示す。

ぼかし①:年収を100万円単位の概数で表す(10万円の位で四捨五入する)
ぼかし②:賃金に関する統計をもとに、概数を偏差値に変換して公開する

「偏差値」と聞くと受験を想起する人が多いと思うが、ここでは単なる統計指標として使用する。優劣を示すのではなく、あくまで労働者の年収分布をもとにした相対的な位置付けを目的とする。

ただ、偏差値がわかれば、統計をもとに年収を逆算できてしまう。そこで、二重にぼかしを加えることで、仮に逆算しても概数しか得られないようにした。賃金に関する統計は数種類あるが、どの調査を参考にしたのかも明言しない。

少し細かい話だが、年収は正規分布ではなく、高年収者に向けて右に長く尾を引く対数正規分布になっている。平均値と中央値が乖離しており、偏差値の信頼度が低いのでパーセンタイル値も公開する。

パーセンタイル値とは、データを小さい順に並べたときの相対的な位置を示す値。例えば、50パーセンタイルはデータの中央値、90パーセンタイルなら全体の上位10%に位置する値を意味する。

参考:賃金関連統計の比較検証に関する調査研究(総務省)

結果

偏差値やパーセンタイル値は母集団によって変動する。今回は代表的な母集団として「労働者全体」「妻と同い年の男女」「妻と同い年の女性」で調べた。なお、労働者とは雇用された労働者を指し、個人事業主や自営業者を含まない。

母集団ごとの結果は以下の通り。

労働者全体
→ 偏差値58、81パーセンタイル
2*歳の男女
→ 偏差値69、97パーセンタイル
2*歳の女性
 偏差値75、98パーセンタイル

年齢の一の位をぼかしている

偏差値でみると、全体の中ではやや高い水準であり、年齢や性別を加味するとかなり高い水準だとわかる。ただし、受験で登場する「偏差値」とは前提が異なるので、必ずしも受験のイメージとは合致しない。

パーセンタイル値をもとに考えると、全体では上位20%ほど、年齢や性別を加味すると上位2〜3%に位置している。日本は若年層よりも中高年層、女性よりも男性の方が給与が高い傾向にあるので、妻の年齢や性別を考慮すると偏差値、パーセンタイル値ともに高くなる。

感想

年収1万円(偏差値16)の私からしたら、とんでもなく高い数字。親世代は「女性が稼いでいる」という事実に驚いていたが、統計を見て男女差を再認識した。これでも昔よりは差が縮まったというから驚きだ。

ただ、妻と同じ部署の先輩社員(男性)がマイホームを構えて妻子を養っていることを考えれば、単に男女が入れ替わっただけとも考えられる。正直、私も妻も賃金の男女差を主観的には認識していない。むしろ「男女差がある方がおかしい」と感じているので、親に驚かれることに驚いている。

とはいえ、男女の賃金格差は依然として存在している。そんな中、妻がこれだけ稼いでいるのはすごい。私からしたら「いくら稼いでいるか」という以前に「会社員として働いているだけ」ですごい

主夫のお小遣い

私のお小遣いについても具体的な額は公開しない。ただ、私は妻と全く同額のお小遣いをもらっている

お小遣いについては、夫婦で話し合いを重ねてきた。その過程を記事にまとめてあるので気になる方はどうぞ。

お小遣いは千差万別

お小遣いは家計管理によっても変わる。例えば、私たちは「共同出費」と「個人出費」を厳密に区別している。

医療は個人が受けるサービスだから個人出費。贅沢ではない必要最低限の衣類も個人出費。最安レベルのレトルトカレーは共同出費だが、少し高めのレトルトカレーは個人出費。お菓子や酒などの嗜好品は個人出費だが、コーヒーは夫婦共に飲むので共同出費。こんな具合に区別している。

同じ出費でも、ある家庭では「家族の生活費」から、別の家庭では「個人のお小遣い」から支払ってるかもしれない。お小遣いの額だけを比較しても、あまり意味がないように思える。

お小遣いの使い道

比較的高年収で夫婦二人暮らしをしていると、余剰金が多く、お小遣いもたっぷり貰っていると想像されるかもしれない。ご想像の通り、実際に充分な額を貰ってはいるが、大半は貯蓄に回している。

貯蓄には明確な目標があるわけではない。私はお金が大好きなので(お金があれば大嫌いな賃労働をせずに済むから)貯蓄が増えるのが単純に嬉しい。このことについて語り出すと長くなりそうなので、非常に共感した文章を引用して締めくくりたいと思う。

わたしは現在、四二歳。後厄だ。年収は二〇〇万円ほど。定期的な収入は週一日の大学非常勤講師。あとは部屋でテレビをみたり、好きなだけ本を読んで、好きなだけ文章を書いている。安心ひきこもりライフだ。座右の銘は「はたらかないで、たらふく食べたい」。はたらきたくない。

誤解しないでほしいのは、もらえるカネはいくらでももらうし、ひとに褒められたらそれはそれでめちゃくちゃうれしい。チヤホヤされたい。それにはたらかないといってもなにもしないといっているのではない。

わたしは文章を書くのが好きだ。嫌いなのはあくまで「賃労働」。自分のやったことがカネで枠にかけられるのが嫌なのだ。この文章は売れるからよい、売れないからわるい。そんなふうに他人の評価にさらされるのは嫌だし、それを内面化して売れるものを書かなければいけないとおもわされるのはもっと嫌だ。

栗原康『サボる哲学——労働の未来から逃散せよ』

あとがき

額だけ見れば「やや高いかな?」くらいだったが、相対的な位置で捉えると予想以上に高かった。ただ、私たちの生活水準は「生活保護の受給対象世帯と同等」だし、その水準で満足している(詳細は下の記事)。経済的に余裕がある現状は大変に幸運なことだと思う。

ここまでの話を「マウント」や「自慢」と感じた人もいるだろう。ただ、最初に言った通り、私は事実をもとに素直な考えを書いたまで。イライラした人は「嫉妬しました」とでもコメントして、どうぞ発散してください。


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