暇つぶしとしての資格勉強
資格というと、多くの人はキャリアアップや昇給を思い浮かべるかもしれない。しかし、私にとって資格勉強は娯楽。「役に立つかどうか」は二の次で、実益を求めない純粋な趣味として楽しんでいる。いわば、栄養価ゼロのジャンクフードを貪るように、私は「資格収集」という自己満足の世界に浸っている。
この「趣味としての資格勉強」を始めたのは、約4年前、コロナ禍で大学が休校になったときのこと。まだまだ資格マニアを名乗るには程遠いが、今回は私の「資格収集」について書いてみたいと思う。
資格収集の楽しさ
学びの快楽
新しいことを理解し、発見する瞬間には何とも言えない興奮がある。この種の興奮には中毒性がある。「これが学びたい」という明確な学習欲が湧くときもあれば「何でもいいから知識を吸収したい」というジャンキーな学習欲が湧くこともある。
資格勉強は、こうした「学びの快楽」を手軽に味わえる方法だ。資格のカリキュラムは体系化されており、学習しやすいように整理されている。有名な資格なら、参考書やWEB解説も豊富で勉強環境も充実している。何より、試験を通じて自分の習熟度を確認できるのが魅力だ。
資格に縛られず、興味のままに学ぶのも楽しいが、学びの深さを確認する方法が少ない。そのため、学習成果を感じづらく、継続するのが難しいと感じることもある。資格勉強はその点、勉強の区切りが明確で取り組みやすい。
実生活とのつながり
「学んだこと」が「実生活」とつながる瞬間も楽しさの一つ。実生活とのつながりなんて言うと少し大袈裟だが、ちょっとした発見でも嬉しい。
たとえば、最近、企業が支払う法人税は利益(益金と損金の差額)に対して課税されることを学んだ。企業は利益を減らすために「損金」を増やそうとし、その一環でカレンダーや手帳などを無料配布している。こうした費用は「広告宣伝費」として損金に算入できるので、至る所で見かける会社名入りカレンダーは節税対策の一環だとわかる。
法人税や損金のことなんて、資格の勉強をしない限り知り得なかった。こんな小さな発見でも嬉しい気分になるし、日常生活の見え方が少し変わる。
コレクションとして
これはオマケ要素だが、合格証をコレクションしている感覚にもなる。ゲームでトロフィー(ゲームソフトにおけるやり込み具合を表す指標)を回収している感覚に近い。ゲームにて、メインストーリーとは無関係なやり込み要素を追求するのが好きなので、同じように資格をコレクションする楽しさも感じている。
勉強方法
私は勉強という娯楽を楽しむ枠組みとして、資格試験を活用している。そんな私の資格勉強の方法を書いてみる。
簡単な資格から始める
何か明確な目標があるわけではないので、できるだけ簡単な資格から挑戦している。難関資格に挑んでも、勉強のモチベを維持できる自信がないので。
効率よりも理解
「最短合格」を目指した効率的な勉強方法には興味がない。私は勉強する過程を楽しみたいので、効率よりも理解度を重視している。
独学
資格を取るための通信講座は山ほどあるが、私は「授業」が嫌いなので独学している。自分のペースで、自分のタイミングで、勉強するのが心地よい。趣味でやっているので、できるだけお金を掛けたくないというのもある。
収集したい資格リスト
最後に今後収集したい資格リストを列挙する。
・FP2級
勉強中。去年の秋に3級を取得し、その流れで2級の勉強をしていたが、プロ野球シーズンが始まると野球優先になり中断。シーズンが終わったので、25年1月の試験に向けて勉強している。
・統計検定2級
勉強中。統計検定は初挑戦。レベル感が不明なので準1級以上は保留。
・数学検定準1級&1級
準1級は高校数学の学び直し、1級は大学数学の学び直しとして受験したい。
・基本情報&応用情報
妻が勉強していて興味を持った。趣味としての資格収集は、これらの下位資格である「ITパスポート」を取ったのが始まりだった思い出もある。
・電験三種
友人が勉強していて興味を持った。
・簿記2級
大学卒業間近に3級を取り、その流れで2級の勉強もしていたが、会社員になった途端に勉強習慣が断たれた。仕事しながら勉強している人は尊敬する。
・仏検3級
大学の第二外国語でフランス語を履修していたが、すっかり忘れてしまった。大学2年次の単位取得目安が「仏検3級レベル」だった。忘れてしまって悔しいのと、フラ語を勉強した証を残しておきたい。
・アクチュアリー
FPの勉強をしていて年金や保険の数理的なメカニズムに興味を持った。ただ、かなりの難関資格らしいので「将来の夢」として据えている。統計検定や数学検定はアクチュアリーへの布石でもある。
あとがき
「資格マニア」と検索すると、趣味で資格を収集する人のブログがいくつかヒットした。なかには、200個近い資格を収集している人もいた。資格収集は趣味として一定の地位を確立しているようだ。
ただ、往々にして「役に立つかどうか(=金になるかどうか)」という尺度で測られるのは残念に思う。資格の価値を換金性に見出せば、資格勉強が「金を得るための苦行」に成り下がってしまう。資格取得や勉強を、純粋な娯楽として捉えてもいい気がする。