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ハンドメイド作家 SNS発信に前向きになった方法
Petit écrin étoile(プチエクランエトワール)のeriと申します。ロリータファッションのヘッドドレスやアクセサリーを製作・販売をしています。
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ブランド活動をはじめてもうすぐ丸4年になります。このnoteでは時々文を書く練習や人にものを伝えるトレーニングを目的に作家活動の話を書いたりしています。
今回はSNS発信に前向きに取り組めるようになった方法について書いてみました。
noteの中で何度もお話しているとおり私は活動をはじめて数か月作品が一つも売れず、ブランドや作品を知ってもらうためにはじめたSNSについても使い方があまりわからない状態が続きました。
パソコンの前でプロフィールの見直しを泣きながら行い、SNSアプリを頻繁に開いては通知が来ていないことに落ち込み、夜中に布団の中で[ハンドメイド作家 SNS やらなくていい]など検索したりしていました。
そんな当時の私が今の私の状況を見たらきっとびっくりするかと思います。
なんとこのnoteに加え、X、Instagram、TikTok、YouTube、最近はひっそりThreadsもはじめてしまいました。
今年は超不定期ですがYouTubeの通常動画を作ってみたり、Xのスペース機能でひとりラジオのような発信をしてみたりと、SNS内で色んなチャレンジも楽しんでいます。
自分自身の手でブランドの好きなところを伝える表現の手段が沢山あり、いろんな人と適度な距離を保ちながら関係を作ったりができるところが今の私にとってのSNSの好きなところです。
どの媒体にどれだけの効果があるのかはわかりませんが、今年は初年度の売り上げの4倍を超え、発信全体を通し楽しいだけでなく売り上げ面でもとても貢献してくれていると感じています。
発信を楽しめるようになったとはいえ、自分の数字も他人の数字も評価の数が大ぴらに見えるSNS。
いいねを押してくれた人がいる、フォローをしてくれている人がいる、発信を楽しみにしてくれている人がいる。頭ではわかっていても、見えた・比べた、たった一つ二つの数字が自分自身の価値を評価するものに感じて苦しくなる瞬間は正直今も多々あります。
今回はフォロワーを上手に増やす方法などではなく、作家活動の中でSNSを明るい気持ちで続けていくためのメンタルコントロール的な話が多めになるかと思います。
落ち込みやすいくせにアイディアだけは沢山浮かんでしまう私が今までやってきた・やっているSNSのモチベーション維持方法をできるだけ紹介していきます。何が誰にいくつ合っているかはわかりませんが何かお役に立てるものがありましたら幸いです。
「他人の行動はコントロールできない」を言い聞かせた
他の作家さんの「いいね」がたくさんついた投稿がたくさん目に入り、自分の投稿の「いいね」が圧倒的に少なく感じて苦しくなった、そんな時などに行った方法です。
以前の記事にも書いたことなのですが(終盤の方にあります)、文章力もうちょっとついたであろう今ならちょっとうまく短くまとめられそうなのでもう一回書いてみます。
他人と比較して落ち込んでしまった時に
①落ち込んだその状況について言葉で説明できるようにする
②自分がコントロールできないこととできることに分けてみる
③「コントロールできること」の中から行動・改善できそうなものを(小さなことでも)やってみる
をしました。
落ち込みの内容を理解し、「なーんだしょうもな!」と感じて、徐々に「自分の行動を変えるしかないな」と自覚していく方法です。
最初はしんどいけど慣れていくと短時間で頭の中でできるようになり、コストがかからず前向きに、そして自分の成長にもつなげられる方法だと考えています。
「おしらせはおしらせしないと見てもらえない」を言い聞かせた
ごり押し作戦!
当たり前のことですが「おしらせしなかったら見てももらえないんだよ」と独り言を言っています。
「新作を発売する」「イベントに出展する」「個展を開催する」「クーポンが出た」「キャンペーンを行う」
そんな大事なお知らせが「見てもらえなかったらどうしよう」「いいねがもらえなかったらどうしよう」そんな不安に襲われて腰が重くなることは私も過去に沢山ありましたし、今もたまにあります。
特に「前回のおしらせへの反応がいまいちだったな」と思っている時なんかは投稿をすること自体が無駄に思えたり極端に怖くなることもあります。
こんな気持ちになると私は最近「見てもらえるかではなく見てもらおう」と口で言うようにしています。イベントに出る時も「来てくれるかなではなく行きたいと思ってもらおう」と言いながらお知らせの投稿を数度繰り返しています。
「届けたいお知らせを見てもらう」ための工夫として、一度の投稿で終わらせるのでははなく
・日や時間を変えて
・使用するハッシュタグを見直して
・投稿の写真や文章の雰囲気を変えて
数度投稿する方法があります(多すぎないように気を付けています)。
恋のアプローチといっしょ。タイミングや人によって目に留まる・心に刺さる要素はそれぞれだと考えて取り組むように頑張っています。
4年間、「いいね」を押してくれる人が周りの作家さんより少なく感じても、しっかりするべき発信を続けたことにより販売にちゃんと繋がったという経験は沢山あります。自分の作品の魅力を信じてできることからやっていくのが大切です。
反応やフォロワーが少なくて落ち込む→『多くなること』のデメリットを考えた
半分負け惜しみ作戦なのですが、反応やフォロワーが少ないことで落ち込む・モチベーションが下がるならば『多くなること』のデメリットをなるべく沢山あげてみようと考えました。
これは自分で考えて列挙していった方が効果があるのでここでは2つしか紹介しませんが、例えば
・売れていると思われて模倣のターゲットになりやすくなる
・失言がすぐに広まりやすくなる
などです。
SNSは周りと自分の数字がはっきり出るので『少ないこと』にマイナスな気持ちを持ってしまいがちですが、『多くなること』のマイナス面を考えることによって現状の不満を少なからず緩和することができました。
危険なのは「だから多くならない方がいい」と思ってしまうこと。自分に呪いがかかってしまい、いざフォロワーさんやお客様が増えた時に不安が強くなってしまうことです。
私は「今の私にはこのリスク・デメリットを抱える心のキャパシティがないから、まずは現状で一生懸命頑張ろう」と考えるようにしました。
『少しずつ増えていること』を安心材料にした
学生時代の成績って変動が多かった人も結構いるのではないでしょうか。私はクラスで40番から36番になったと思えば36番から急に45番に順位が下がったこともあります(お恥ずかしい話です)。
こういう移り変わりを見るのは憂鬱でしたが、この活動で毎月月末のフォロワー数をエクセルで記録していたところ、『ちょっと増える月』、『急に増える月』、『変わらない月』、『ちょっと減る月』はあっても、『急に減った月』は(当時の)今の段階ではあまりないなと知ることができました。
(これがわかったことは活動と更新を止めなかった頑張りへのご褒美なのかも、とその時思いました)
私は月末のフォロワー数を手帳に書き、いつでも見返せるようにしています。書くのはどこでもいいと思いますが、私が普段紙の手帳で製作の数とペースの管理をしていることからすぐ手元でチェックできるこの場所を選びました。
売り上げは変動が多いのであえて書かず、X・Instagramなど、メインで使用しているSNSのフォロワー数のみを毎月書き記すようにしています。
前月と比べると減る月もたまにはありますが2ヵ月、3か月、半年前と気軽にぱっと見比べて、『少し増えている』という状態を自分に気付かせてあげることができます。
例えばイベント出展の前日に「出展費用より売り上げが少なかったらどうしよう」「宣伝足りていたかな」と不安に襲われたとき、「(同じ系列イベントの)前回の時期よりもXのフォロワーが○○人増えてるじゃん!大丈夫大丈夫!」と心を落ち着かせて夜ちゃんと眠れるようにするための一つの心の説得材料にもなったりしています。
活動をはじめて数か月の方で、初期の私と似たような状況の方がいたらきっと「なかなか気が遠くなる話じゃん」となるかと思います。
影響力や拡散力が少ない状態でもできることは沢山あって
・自分のブランドに関連しそうな流行りのハッシュタグなどを使用し、好きになってもらえそうな誰かに作品の情報が届くようにする
・イベント出展でブースに立ち寄ってくれた方へショップカードを渡しながらブランドのアピールをする
・更新を止めない。新作を定期的に作り、通販やイベントなどのおしらせをきちんとする
など(きっと他にもたくさんあると思います)、
いろんなことを腐らず続けていくことでブランドに興味を持った方の中に「SNSをフォローして情報を追ってみようかな」と思う方が少しずつ増えてくれると信じています。
”承認欲求の強さ”を自覚した
私って結構承認欲求の強い性格なのかもしれません。
落ち着いてSNSに向き合えるようになってきたと口では言いますが、最近も投稿の反応数に敏感になることがたびたびあります。このnoteのメイン、アイテムごとのエピソードの記事(一番気合入れて書いてる)を公開した日なんかはアナリティクスの『リンクのクリック数』を10回はチェックしています(お恥ずかしい話です)。
自分の承認欲求が強いことを自覚し、「いいね」の数に気持ちが左右されはじめたら、日々の生活で十分な数の「いいね」を私にあげてみようと考えました。
急にパンを焼いて「私パンも作れる!超天才!」と言って、
早起きしたら「今日は早起きで超偉い!」
メイクが上手くいった日には「もはやアーティストじゃん!」
と、自分が行った小さなことについて家でひとりごとを言って大げさにほめています。
落ち込み始めた頃におこなって、私は胸のざわざわが落ち着くことがあります。
(超大事:作品製作などでは感覚のブレが生じると考えたため、なるべく活動とかけ離れたところで行うように心掛けています。)
合う合わないは人それぞれですが、何の根拠もなく投稿がバズる奇跡を待ったり勝手に気持ちが回復するのを待つよりも私には合っている気持ちの保ち方かなと思っています。
お客様との関係の"目標"を意識した
ちょうど1年半前くらいの初個展の開催を検討していたくらいだったかと思います。色んな不安からSNSでおしらせや宣伝をすることへのモチベーションが急に下がった時期がありました。
そこで、やる気を出すために「私はお客様とどんな関係になることを望みながらブランドを営みたいのだろう」を漠然と考えてみました。そしてお客様一人がゴールに向かうのにどんなプロセスを経るのか逆算したマップを作成してみました。
私のゴール目標は『個展に行ってみたいと思ってもらう・今回来れなくても次やるなら行きたいと思ってもらう』または『いつかプチエクランエトワールのアイテムでトータルコーディネートができる日が来ることを楽しみにしてもらう』です。
『購入』をゴールにしても良かったのですが、白か黒かの目に見えてわかるゴール設定は結果がなかなか出なかった時に余計に落ち込みやすいと考えたため、自分では簡単に測りにくい『気持ち』のものを私はゴール設定として決めました。
「こんな感じで書いたよ」を表せるよう今の私ももう一回書いてみました。
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書き殴りくらいのほうがぽんぽん進むので私は好きです
マップを作ったことで、ゴールに向かうためにSNSがどんな助けをしてくれるのかについて把握をすることができました。
また、私の目標の「個展やトータルコーディネートを楽しみにしてもらう」ためにはどんな発信をしたらより楽しみな気持ちを大きく大きくしてもらえるのかを考える助けにもなりました。
この頃くらいから自分の製作での気持ちや今後の目標・活動で叶えたいことなど、お客様へ何かを「伝えようとする」ことにより前向きになりました。
きっとゴールやマップの形は作家さんごとに異なるので、向き合い方も、活用の仕方も、発信の内容も、作家さんごとのカラーが出せる手助けになるのではないかと思ってこの話もしてみました。
さいごに
「どれかは誰かの不安を解くものになれば・・・」と思いながら書いていて気付いたのですが
①自分の不安・落ち込みの原因になりやすい状況を理解しておく
②安心や元気を生む方法を自分で複数用意しておく
③ マイナスな気持ちになったらその種類や原因を把握して②の中で最適なものを選ぶ
もしかしたらこの準備を行っておくとSNSに限らず不安や落ち込みからのモチベーション低下をある程度防げるのではと考えました。
なんだか最後レポートみたいになってしまったのですが、いつもよりちょっときれいにまとまったので今回はこれでしめたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。