アロマテラピーの歴史『クレオパトラの香り使いのテクニック編』
こんにちは!アロマ心理学開発者大島鶴枝です。
今回は、アロマテラピーの第一人者とも言われるクレオパトラの香りづかいと恋愛テクニックをお伝えしていきたいと思います。
プトレマイオス王朝最後のファラオ『クレオパトラ7世』
紀元前69年ごろ、エジプトのアレクサンドリアでプトレマイオス朝王家に生まれたクレオパトラ。
18歳の頃、8歳年下の弟プトレマイオス13世と結婚してファラオになるものの、統治の観点の違いによって、弟と衝突。
それによってエジプトを追放されてしまいます。
エジプトにどうしても戻りたいクレオパトラは、ローマの英雄シーザー(カサエル)を誘惑する計画を立てます。
当時21歳だったクレオパトラは、アレクサンドリアでシーザーに出会い自らを贈り物として進呈します。
当時、エジプトでは贈り物を絨毯に包み、送るという習慣があったのを活用し、シーザーの前に絨毯に巻かれたクレオパトラが登場。
その時の香りの演出がとても魅力的だったことから、シーザーは一瞬でクレオパトラに恋にしたのではないかとも言われています。
アロマで誘惑(シーザー編)
部下との会話に夢中になっているシーザーに、クレオパトラが巻かれた絨毯が登場します。
その時のクレオパトラの体には、ローズやジャスミン、サンダルウッド、フランキンセンス(乳香)などの香りが鼻を刺激するほどつけられていました。
①ローズ
モノテルペンアルコール類のゲラニオールが含まれていることにより、香りによってホルモンバランスをとる効果効能があります。
脳下垂体(視床下部からの指令によってホルモンを調整する器官)から卵巣にエストロゲン(女性ホルモン)を分泌するように指令がいき、血中にエストロゲンが増えることによって、心が穏やかに優しさが増し、肌艶が綺麗になる作用があります。
②サンダルウッド
セスキテルペンアルコール類のサンタロールによって、ほのかにエストロゲン様作用のある精油です。禁忌とまではいかないですが、血中のエストロゲンと同じ働きをすることによって、女性性が高まり、穏やかな心へと導く作用があります。瞑想にも使われる精油です。
③フランキンセンス
乳香と呼ばれ、木の樹脂が、白く固まった姿が母乳に似ていることから乳香と名付けられました。樹脂の精油は、木の精油の共通作用を含んでいることで、婦人科系に有用な精油が多くあります。フランキンセンスも、鎮静作用があることから出産を円滑に進むように促す効果があります
④ジャスミン
ジテルペンアルコール類のフィトールを含んでいることから、エストロゲン様作用のある精油です。香りを嗅ぐことで、催淫作用があるため、男女の営みを促進する効果があります。
クレオパトラの有名な言葉にこんな言葉があります。
「クレイパトラの鼻があと1センチ低かったら、世界の歴史は変わっていただろう」
日本人は、こじんまりとした鼻の人が多いため、ヨーロッパの文化が入ってきた頃から、鼻の高い人=美人と思う節がありますが、逆にヨーロッパなどの白人圏では、鼻は小さい方が美人とされていて、大きくて鷲鼻だったクレオパトラは決して美人とは言われていないのです。
では、なぜ、時の権力者を虜できたのか。
それは、クレオパトラの第一印象の演出に他ならなかっただろうと思われます。
そんなシーザーがクレオパトラにハマっていくことで、ローマの民衆は、違和感と危機感を持つようになり
シーザーは、暗殺されてしまいます。
再び、エジプトが植民地にされる危機に陥るのですが、そこでまたも、ローマの英雄アントニウスを誘惑する作戦に出るのです。
香りで誘惑(アントニウス編)
アントニウスと、広場で待ち合わせをしたクレオパトラ。
数時間経っても未だ現れず、アントニウスは自分からクレオパトラに会いに行きます。
クレオパトラは、アントニウスがくると、室内を全てかぐわしいバラの花で飾り迎え入れ、薔薇の香りのワインでもてなしたと言われているのです。
女性の身体的魅力が最も映える瞬間は、腰のラインを見せることだと言われています。
クレオパトラは、ソファーに足を滑らせ、女性らしい腰のラインを見せながら、
「私、あなたを誘惑しているの」と無邪気に告白します。
そして、こういうのです。
「あなたならどうする?自分の国が、侵略される相手と急に合わなければいけないと言われ、手ぶらで会える?私と同じように、誘惑したはず」
誘惑している相手に、素直に誘惑してると言いますか?
第一印象がアロマの香りを纏う、セクシーで魅惑的な女性。
でも、話すと素直で無邪気な面がある。
男性が親近感を持てるように、そのように振る舞ったのでしょう。
クレオパトラは、自分の体臭を薔薇に変えようとした最初の女性とも言われており、かぐわしい薔薇の香りと、魅力を最大限に見せるパフォーマンスで、アントニウスを一瞬で虜にすることに成功したのです。
ここから見える香りの恋愛テクニックは、現代の女性にも通じるものがあるのではないでしょうか。
一目惚れは演出で起こせる
美しい人は、世の中にたくさんいます。
でも、異性を夢中にさせる女性は、そんなに多く存在しません。
クレオパトラは、美人ではなかったのに、アントニウスがローマを捨ててまで、そばにいたいと恋こがれた女性です。
そこには、第一印象を重要視した『出会いの演出』があったからだと私は思っています。
実は、人間には、初頭効果というものがあります。
最初の出会いでのインパクトで、その人の印象はほぼ決まる。
一度ついてしまった印象を変えるのは難しく、良い印象を持ってもらうことが出来れば良いですが、逆に悪い印象を持たれると、その後に良い印象に変えることは難しい。
クレオパトラはそのことをよく理解していたのですね。
だから、第一印象をよくする最大限の演出を行って、異性を虜にしたのだと思います。
美人を横に並べれば、どの美人でもいいと思ってしまうのが男性。
でも、そこに、魅惑的な服装と香りを纏った女性がいたとしたら、いくら美人でも、第一印象で負けてしまう可能性ってあるのです。
香りは、それだけ印象に残ります。
今は、人工香料を上手に活用して、香りの演出を行う日本人も少し増えたように思いますが、天然の香りは、催淫作用などを含め、ダイレクトに脳に働きかけますので、
まるで天然のばらを纏った女性のように、エレガントな花の香りを纏い、男性と出会う演出をすると
どんな女性でも、男性からは魅力的に思われるのかもしれません。
クレオパトラはアロマテラピーを広げた第一人者
フランス17世紀の画家『クロード・ロラン』は『クレオパトラの上陸』(ルーブル美術館)を書いています。
シェークスピアはこう言っています。
『彼女が乗った船は、艶出しした玉座のように、水の上に燃えたっていた
帆は紫、風さえも恋にわずらうほどに香が焚き込めてあった
船からは妖しい目に見えぬ香りが近くの波止場の者たちの鼻をうつ』
クレオパトラは、ギリシャやローマとの貿易を行い、エジプトの経済を繁栄させた女王でもあると言われているのですが、
私は、このクレオパトラの上陸が、その後のローマやギリシャのバラ中毒(この後、歴史では、市民が高級な薔薇に心囚われ、バラ禁止令まで出るという騒ぎになるという歴史があります)を引き起こしたのではないかと思っています。
クレオパトラの船の帆には、丁子(クローブ)の香りがつき、船の中には、大量のキフィの材料が積まれていたといいます。
クレオパトラは、アロマテラピーだけ広めたのではありません。
インドとの交易があったことからも、インドの代替療法であるアーユルヴェーダも、クレオパトラが第一人者であったと言われているのです。
偉大な女王クレオパトラ。
神が使わした植物、大地のめぐみをふんだんに使って、心身ともに美しさを磨いたエジプト最後のファラオ。
クレオパトラの香水レシピが、もし、今なお、存在するのなら・・・。
現代のアロマテラピーの現状も、もしかすると変わっていたのかもしれません。
お読みいただきましてありがとうございました。
https://petit-bon-aroma.com/guidebook/
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