アロマテラピーの歴史〜キリスト教の誕生と香り〜
こんにちは!アロマ心理学開発者大島鶴枝です。
本日は、アロマテラピーの歴史宗教編『キリスト教の誕生と香り』をテーマにお伝えしていきたいと思います。
ユダヤ人から生まれたキリスト教
キリスト教は、ユダヤ教から生まれた宗教で、神(ヤハウェ)への信仰がが一緒ですが、キリスト教では、神を(ゴット)と呼びます。
ユダヤ民族が暮らしていたのは、豊かなエジプトと豊かなメソポタミアの間の、とても貧しい砂漠の地域砂漠という過酷な環境だったため、飢饉に見舞われ続けるユダヤ人の心の中に、生まれた民族宗教として誕生しました。
そのため、ユダヤ教はたくさんの縛りがあり、神(ヤハウェ)はユダヤの民にカナンの地を授けることで、厳しい戒律を守らせようとした、だからユダヤ教は、とても厳しい戒律があるというお話なのです。
しかも、ユダヤ教は、ユダヤ人のみ神に守られる、ユダヤ人は特別なのだという思想のもとの宗教なので、
ユダヤ人ではないものや、罪深いく貧しいものなど、全ての民に救いを与える宗教ではありませんでした。
そこで、イエスと名付けられたユダヤ人マリアの下に生まれたユダヤ人が、
「神は、信じる者全てを救ってくれる。たとえそれがユダヤ人でなくても』
と伝えたことで、
たくさんのユダヤ人以外の民に救いを与えたことから、この宗教が広がっていきった、そんな宗教なのです。
受胎告知(マドンナ・リリー)
ローマの賊集として扱われていたパレスチナに住むユダヤ人に、マリアという女性がいました。
その女性の元に、大天使ガブリエルが表れ、男の子を妊娠すると告げられます。
ルカの副音書1章26節では
「6ヶ月目に天使ガブリエルはナザレというがラリアの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフという許嫁である乙女のところに遣わされたのである。その乙女はマリアといった。天使は彼女のところに来て言った。」
『マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子をうむが、その子をイエスと名付けなさい。その子は、偉大な人となり、いと高き方のこと言われる・・・。』
かの有名なレオナルド・ダ・ビンチが、この受胎告知を絵にしていますが、多くの画家が、ガブリエルの受胎告知に、ゆりを書いています。
この百合は、マドンナリリー。
美と繁栄、実りなどを表し、キリスト教では精神的な純潔さ、神聖さ、復活のシンボルのように使用されているそうです。
ゆりと呼べるものは、中国に生息するゆりただ一つであり、そのほかは、百合(球根が百に重なっている様を表す花)と呼ばれ、ゆりと呼んではならないと言われています。
日本に生息している百合はゆりとは呼べないんですね。
マドンナリリーは、ナザレ地方に自生するのは貴重であったことから、どうも幕末にシーボルトが日本の百合の求婚を持ち帰ったことによって、
キリストの復活祭(イースター)のシンボル的な花として、イースター・リリーと呼ばれるようになったと言われています。
マドンナリリーと呼ばれる白いゆりは、ナザレのものではないことから、トルコやシリアなどに生息するカルケドン・リリーと呼ばれる日本のオニユリに似ている品種のものであった可能性があると言われています。
東方の三使者(乳香・没薬・)
家に入ってみると、幼な子は母マリアと共に、おられた。
彼らは、ひれ伏し、幼な子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として捧げた(マタイの副音書2章11節)
神からの贈り物であるキリストに、人間の学者(博士ともいう)が誕生を祝い、贈り物を捧げるというシーンです。
アロマテラピーの歴史には、必ずと言っていいほど出てくる精油の名前が、乳香(フランキンセンス)没薬(ミルラ)ですね。
黄金(偉大な商人のシンボル)
フランキンセンス(偉大な預言者のシンボル)
ミルラ(偉大な医者のシンボル)
イエスは、その3つの中から、偉大な預言者のシンボルであるフランキンセンス(乳香)を選んだと言われています。
マグダラのマリアがイエスに振りかけた香油
ヨハネによる副音書12章、マタイによる副音書26章、マルコによる副音書14章、ルカによる副音書7章に出てくる名シーンです。
ある罪深き娼婦マグダラのマリアという女性は、周りの人たちから、汚れた女と言われていました。
ユダヤの教えがそうだったのかわかりませんが、キリスト教のカトリックでは、離婚できないという思想があるので、
女性は、多くの男性と性行為をすることによって、汚れる、罪と言われていたのでしょう。
イエスが食事をしているとき、一人の女が純粋で非常に高価なナルドの香油の入ったツボを割って、その香油をイエスの頭に降り注いだ。
300デナリオンもあった香油を全てイエスに振りかけたため、なぜこんなに香油を無駄遣いしたのか!この香油を売って、貧しい人を施すことができたのに!と厳しく叱られました。
当時1デナリオンは、ローマの通貨で1日分の労働賃金と言われています。
たとえば、日本で1日日当1万円だとしたら、その300倍、300万円もする香油となりますね。恐ろしい。
マリアは泣きながら、イエスの足にキスをして、自分の髪で香油を拭ったとされています。
イエスはユダヤ教に出てくる救世主?
ユダヤ教の中に、存在する救世主伝説があります。
もし、世界の終わりが近づいてきたら・・・。
やがて救世主が現れる・・・。
ただ、それはまだ表れていない・・。
イエスは、ユダヤ人ではなくても、神は信じるものを救ってくれると唱えた人です。
それによって、多くの民が救われ、キリストを讃え、信仰していったわけですが、ユダヤ人からすると面白くないわけです。
イエスの弟子であったユダを買収し、ローマに売り渡し、十字架にかけることになるのですが、
イエスは、最後の晩餐で、ある飲み物を渡されているのです。
鎮痛剤を渡されていた(ミルラの葡萄酒)
マルコの副音書15章23節では
『没薬を混ぜた葡萄酒を飲ませようとしたが、イエスはお受けにならなかった』
とあります。
このミルラ入りの葡萄酒には、鎮痛剤の役割があり、当時、ローマの死刑は、十字架に手に釘を撃ち、貼り付けをし、ひどい拷問の上、殺されるというあまりに残酷なものだったため、
この葡萄酒で、イエスの痛みを取り除こうとしていたのだと思います。
まとめ
ユダヤ教からキリスト教まで、宗教の歴史とアロマテラピーの歴史をお伝えしてきました。
当時は、現代の精油のように、しっかり油と水を分けて抽出する方法も確立されていなかったため、今のようなエッセンスではなかったものの
神に関する逸話には、アロマテラピーに使われる精油の素となる植物や香油が登場する場面がたくさんあります。
それだけ、香りは、神に捧げるもの、神に近い存在でもあるのです。
香りを身に纏う事は、神様に見つけられやすくなり、守られる存在に近づく行為。
私は、そう、歴史から学んだことで、より一層、アロマの香りを身にまとっていきたいとそう感じました。
お読みいただきましてありがとうございました。
https://petit-bon-aroma.com/guidebook/
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