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お気に入りたち

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ちょっと前の私がかいた、今の私がいいなと思える、noteたちです。もし読んでくださったら、とっても嬉しい!
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#コラム

ライブ、ライブ、ライブ

ライブ、ライブ、ライブ

一気に温度が上がる。
思い思いの挨拶を観客に向けると、彼らは自らの楽器を携えて定位置に着く。
もうすぐだ、もうすぐ。
期待がぐんぐん膨れ上がる。全員の思いが一致している。
耳馴染みのあるメロディラインが演者たちから紡ぎ出されて、観客は感情を叫びや、手に込めて精一杯応える。
最高の空間の始まりだ。

音に合わせて自由に体を動かす。やりたくないことはしなくていい。やりたいことだけすればいい。音に乗っか

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夕暮れの羽根

夕暮れの羽根

毎夏毎夏、私は、誰に言われることもなく、蝉が鳴き始めていることに気づいていた。今年はあの子の言った「蝉、鳴き始めたね」という何気ない言葉に、始めて蝉が鳴いているのに気づいた。

私は私を取り巻いている世界について、鈍くなっているかもしれないし、これは年齢を重ねたことの正しい反応かもしれない。よくない変化なのかもしれない。
別段、何も示唆していないのかも。
蝉が鳴いているなんて、夏が本格的に始まった

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短歌とか短歌とか⁸

短歌とか短歌とか⁸

トイレカバーベーコンきゅうり 走り書き 拾って渡したあの子の生活

暮らしに必要なものは意外と多い。
最初は物が少なくて、簡素で美しかった部屋も、次第に物であふれていく。

生活とは、物を買ってそこから何かをエネルギーや快楽として得て、残ったものを捨てて、また買っての繰り返しなのかな、とふと思う。

生活のサイクルを止めないために、働く。
生活に彩をつけるために、友達と会って、趣味に没頭する。

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息もできなくなっていた

中学生や高校生時分、自意識の権化のようになって苦しくなることがなかった人なんているのだろうか。

私がよく目にした漫画や小説やエッセイの主人公たちは、みんな肥大する自意識に苦しめられていた。(穂村弘さんのエッセイなんて、自意識についての話がとても多くて、どれだけ助けられたかわからない)
肥大する自意識を仮にもくちゃんと呼ぼう。もくもくとわき上がっていくからだ。もくちゃんは色んな形でやってくる。

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みんな夏フェスになっちゃえ

みんな夏フェスになっちゃえ

先日野外フェスに行ってきた。所謂夏フェス。
私は音楽の野外フェスが大好きで、これまで6回程参加している。

今回行ったものは、4年連続で参加しているフェスで、とても好きなフェスだ。勢いのある若手バンドから、会場を沸かせるのはお手の物、なお兄さんバンドまで揃っている。

夏フェスと言われても、あまり想像がつかないなぁという方に向けて、私の偏った経験から、夏フェスの様子を少しだけお伝えしたい。

まず

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お団子でも食べたい気分です

お団子でも食べたい気分です

この前、ふっとしたきっかけで、20年前くらいの凄惨な事件のことを知ってしまった。
その事件を知ってからというもの、どうにか忘れたいと思いながらも、被害者加害者のことを想像してしまう。

悲惨な事件なんてそこかしこに転がっている。
見るたびに怖いと思う。

無差別な悪意にとらえられ、痛みや恐怖の中で死んでいくこと。とても怖い。怖くない人なんていないんじゃないか。

できるならば、凄惨な事件をこの世か

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