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お気に入りたち

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ちょっと前の私がかいた、今の私がいいなと思える、noteたちです。もし読んでくださったら、とっても嬉しい!
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2018年9月の記事一覧

変、目にとめる世界

地下通路の端っこに、スーツ姿の男性が横になっていた。

倒れているようにも見える。息をしているのかわからない。スーツだし、もしかしたら熱中症か何かで倒れているのかもしれない。

地下通路を歩いている多くの人は、横目でちらっと見てそのまま歩いていく。今はまだ夕方の6時くらい。酔っ払いを見るには少し早くないですか?

けれど自分も、素早く行動できるわけではなく、とりあえず立ち止まる。観察する。眠ってい

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タイトル、未、設定

タイトル、未、設定

私の体温ですらメルカリで売れるのなら捨てて
綺麗なこと汚いこと、だららららってキーボード叩く
それだけでこんな文字が見えるの
それだけで生きている理由になるの?

歌を歌うなら声を出さないで
誰にも気づかれないまま終えて
触りたくて触りたくて絶対触れたくないの
こんな相反する気持ちは詩にしてしてしまうほかない、シに?

寒いね、冷えてきたね
こんにちわって書く人きらい
そんな狭い狭い心で今まで生き

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愛しのベルーガ

愛しのベルーガ

休日には水族館に行った。とても近いのに、一度も行ったことのなかった規模の大きな水族館。

雨の日曜日だったので、当たり前のようにたくさんのお客さんがいて、子供連れやカップルもたくさんいた。そうだよね、水族館、楽しいもんね。

けれどまあ、ご存知のように、水族館はあまりにも人が多いと見物しにくいところでもある。

子供が多く、親御さんも疲弊しているのか、前に強引に割り込んでくる子供や、水槽をどんどん

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ライブ、ライブ、ライブ

ライブ、ライブ、ライブ

一気に温度が上がる。
思い思いの挨拶を観客に向けると、彼らは自らの楽器を携えて定位置に着く。
もうすぐだ、もうすぐ。
期待がぐんぐん膨れ上がる。全員の思いが一致している。
耳馴染みのあるメロディラインが演者たちから紡ぎ出されて、観客は感情を叫びや、手に込めて精一杯応える。
最高の空間の始まりだ。

音に合わせて自由に体を動かす。やりたくないことはしなくていい。やりたいことだけすればいい。音に乗っか

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短歌とか短歌とか¹⁷

短歌とか短歌とか¹⁷

秋晴れの空見上げれば潮の匂い台風で海が近づいたのか

台風の次の日、海なんて近くない大学構内で、潮の匂いのようなものを感じた。なぜ。台風一過の晴れた空、ふんふんとずっと辺りを匂っていた。

潮の匂いがたまに訪れるときがある。
潮の匂いは、生きてるのかもしれないなぁと思わせる匂いである。

いつでもすぐに、この世界はすべて幻想とか、ゲームとか、誰かの想像とか、そんなもので、実は実態も何もなくて、神様

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光にまみれている

光にまみれている

窓から見える景色がどんどん緑を増してきて
私は息をしている

こんな時間に電車に乗っている人の
その服装とか態度とか髪型とかで
人生を類推するのは、ちょっと無理だということを知ってる

だって、私のことも誰もわからないでしょう?

誰にも分かられないような気持ちで電車に乗っている。心地いい。

眠っている人
音楽を聴いている人
明後日の方角をぼうっと眺めている人
スマホを触っている人

かくいう私

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