8年越しのインタビュー企画
こんにちは! ホットリンクのインハウスエディターで、広報などを担当しているピーターです。
新型コロナウイルスによる行動制限がなくなり、ずいぶんと外出したり、人に会ったりしやすくなりました。業務でも少しずつ対面インタビューが増え、プライベートでは4年ぶりに東北の友人に会いに行きました。
そこで「今だ」と思ったのです。
8年前にやりたいと思ったインタビュー企画を再始動させるなら今だ!
8年前と言えば、20歳そこそこ。社会に出たばかりで、やりたいことや作りたいものがなかなか実現できずにいました。
そんな時に「自分たちがやりたいことを思いっきりやろう」という思いから生まれ、後にCoshoCosho(こしょこしょ)と名付けたアイディアがあります。
それを形にするなら今だ! ということで、今回は2015~2017年の思い出ばなし多めでお送りします。
始まりは2015年7月
メールやLINEをさかのぼってみると、CoshoCoshoに関する最古のやり取りは2015年7月のGmailでした。送り先は、冒頭に記載した「東北の友人」ことHちゃんです。
2015年。私は2社目の編プロに転職したばかりで、前職と比べて書く機会が減ってしまったことに悩んでいました。
インタビューを担当することはありましたが、「誰に何を聞くか」はフリーペーパーの発行元が決めていて、インタビュー内容も広告主の意向に沿う必要がありました。
そうやって作る原稿に、私が介在する意味はあるんだろうか。誰がインタビューしても同じなんじゃないか。そもそもこういう媒体で「私が介在する意味」を求めること自体が間違っている…?
でも、今のままでは「編集やってます」とか「原稿も書ける編集者です」とは言えない気がする……
などなど、不安ややりがいを見出せないモヤモヤを抱えていました。
一方、同じ会社の同期だったHちゃんも、Web制作の部署で近しい悩みを抱えていました。
「デザインから提案したいのに、文字修正や画像の差し替えなど、既存のページの改修ばかり。これでWeb制作をやっていますと言えるのかな…」と。
ランチや仕事帰りの居酒屋で、互いに不安や不満を吐き出していました。しかし、私たちはまだ入社したばかりで、社会にも出たばかり。そんなことを求めていい立場じゃないよね。まずは経験を積んで…スキルや知識をつけて……。やりたい仕事をやりたいようにやるのは、まだまだ先だよね……
でも、
仕事じゃなければ「やりたいこと」ができるんじゃない?
書けるけど発信する場は作れない私と、コーディングもデザインもできるけど、コンテンツは作れないHちゃん。
「自分たちが好きなことを、好きなようにやるサイトを作ってみない?」
そんな風に声をかけたのが2015年7月。後にCoshoCoshoと命名される企画がスタートしました。
私がやりたいこと
まずは私が「書きたいこと」のなかから、「今の自分が作れるコンテンツ」は何かを考えました。そこで行き着いたのが、「友人たちに"とってのおきの恋愛の話"をしてもらうインタビュー記事」でした。
なんだかんだみんな、人の恋バナって気になるし、聞くのも話すのも好きなはず。記事化したら「読んでみたい」と思ってくれる人がきっといる……はず。
などと考えていましたが、やはり根底にあるのは「私自身が興味があるから話を聞きたいし、書きたい」でした。
記事の方向性が決まり、次にサイト名を考えました。恋バナという言葉には、女性たちの間だけでこっそり会話される、ドキドキわくわく感があるよな……と思っていて。
大声では言えないけど、誰かに打ち明けたい気持ちはある。そんな感覚を表す言葉として「こしょこしょ」が思いつきました。私の地元では、内緒話(こそこそ話)を「こしょこしょ話」と言ったりするので、そこから着想を得ました。
ドメインの取得やロゴの作成を見越して、表記はCoshoCoshoに決定。「ここだけの、とっておきの恋バナが読めるコラムサイト」というコンセプトのもと、実際に、当時の友人にもインタビューをしました。
「原稿できた~!」と、Hちゃんに共有した文章がGmailに残っていました…! 書き出しはこんな感じ。
大切な思い出を語ってくれた「ももさん」の声や表情が懐かしいです。
Hちゃんのやりたいこと
私の原稿と並行して、Hちゃんは、サイトのワイヤーフレームやロゴ案を作ってくれました。どちらも私の希望をベースに、彼女に自由に作成してもらいました。
こちらは、Hちゃんからもらったロゴ案にリアクションする私。テンションが高くて気持ち悪いですが、本当に本当に可愛かったのです。今見てもニヤけてしまうくらい。
Hちゃんとの話し合いの結果、私が自分で記事を更新できた方が便利だろうということで、サイトはWordPressで作ることにしました。独自ドメインの取得やサーバーの借り方を教えてもらったり、「メールよりもEvernoteでやり取りした方が便利かも」といったアドバイスももらいました。
やり取りの多くはメールやEvernoteでしたが、何度か対面での打ち合わせもしました。印刷した企画書を持ってファミレスに集まり、打ち合わせ後にはメモ書きでいっぱいになった企画書をスキャンして、「忘れないうちに!」とメールで送っていました。
CoshoCoshoの行方
それでも、CoshoCoshoは結局、公開には至りませんでした。
「作業ができるほど、平日も休日も時間がとれなかった」「思うように原稿が書けなかった」などなど、理由はいろいろありますが、一番は「私自身にそこまでの熱意はなかった」だと思います。
CoshoCoshoに関するやり取りが途切れたのは、2017年11月。それ以降、LINEも含めてCoshoCoshoに言及したことはなく、Evernoteも残っていません。
その後、私たちはそれぞれ転職をしました。
Hちゃんは現在、地元(東北)でWeb制作の仕事をしています。デザインを担当した実績も増え、サイト制作の延長でSNS用のクリエイティブを作ったり、紙もののデザインをしたり、最近はディレクションも担当しているようです。
私はnoteやTwitterで発信している通り、現在はホットリンクのインハウスエディターであり広報として日々奮闘しています。
原稿を書く機会は現在も少ないのですが、仕事を続けるうちに、私は"書く"よりも"情報をわかりやすく届けること"が好きで、書くことにそれほど強いこだわりがないことに気付きました。
餅は餅屋の精神も身に付き、自分だけでなく他者も含めて「得意な領域で戦う(一緒に戦っていただく)」と考えるようになりました。
世の中だって、進化も変化もしている
当然ながら、変わったのは私たちだけではありません。
CoshoCoshoを着想した8年前と比べると、文章もデザインもずいぶんと作りやすく、発信しやすくなったと感じます。
当時は、対面でインタビューをして文字起こしをして原稿を書いてアイキャッチを作って入稿して…となると、なかなかに時間がかかりました。
書き手は私一人なので、サイトをオープンしてもコンスタントに記事を作るのは難しいかもしれない……と、尻込みしていた部分もありました。
しかも、がんばって記事を書きあげても、どうやってサイトに人を呼べばいいのかも分からず、選択できる手段も少なかったように感じます。
だけど今は、ChatGPTやNotta、NotionAIなど、文字起こしも執筆もアシストしてくれるツールがいくつもあります。デザインやコーディングが分からなくてもnoteがあるし、SNSだって使えます。
技術の進化を鑑みても、「プライベートの時間でインタビュー企画をやるなら今だ!」と思ったのです。
私のやりたいことは「人となり」にフォーカスしたインタビューへ
転職や技術の進化だけでなく、私自身の興味関心の矛先も変化しました。
「恋バナがしたい! 聞きたい!」ではなく、私の身近にいる人たちの「今」が、どんな経験や価値観に基づいているのかを深堀りしたいと思うようになりました。そのなかで、恋愛観に触れることもあるかもしれません。
私が友人や知人に話を聞くという枠組みはそのままに、これから始めるインタビュー企画には「HITOTONARI」と名付けました。
HITOTONARI
私が話したい人と「インタビュー」というちょっと改まった形で会話をさせていただき、noteで公開していく企画です。
テーマはずはり、あなたの【人となり】。人となりとは、持ち前の人柄や生まれつきもっているもの。あなたの「今」から、その根底にある資質や感性にフォーカスしていきます。
例えばこんな質問
・いま、どんなことをしていますか?(自己紹介)
・いま、一番思いを注いでいることは?
・そこに思いを注ぐことになった経緯は?
・「これから」として、見据えていることは?
などを聞いていきます。
ゴールデンウィーク中に一人目のインタビューを実施しており、近いうちに公開できそうです。お楽しみに~!
最初のインタビューが終わった数日後、Hちゃんに会いにいきました。このnoteを書き始めたのは、東北新幹線のなかでした。
福島県の郷土料理を味わえる落ち着いた雰囲気のお店で夕飯をとりながら、「実はいま、インタビューをして自分のnoteで公開していく企画をやろうと思っていて。その根底にあるのって、CoshoCoshoなんだよね……覚えてる?」と話してみました。
Hちゃんは「もちろん!」と言って、原稿が完成したらぜひ教えてほしいと笑ってくれました。CoshoCoshoに関するやり取りを振り返っていたら、ふと気付いたことが。
「そういえば、私たちって知り合ってそろそろ10年?」
「そうだね。お互いいつの間にか30代…」
「はや~~~~~~~~!!!!!!」
美味しい日本酒を飲みながら、大人になったねと笑い合う。やっぱり、人と会って話すって大切だ。
改めて感じたこの思いを胸に、8年越しのインタビュー企画、始めます。