Love 11
年単位でTwitterで繋がってはいたけれども、彼には私とひと回り以上年齢が違う年下の若い恋人が居て、「私に(年上に)興味がないだろう」と思っていたし、「興味をもったらダメな人(ハマったらダメな人)」にカテゴライズしていた。とはいえ、彼の紡ぐ140文字制限の中での言葉選びには惹かれるものがあったし、たまにくれるリプに心が小躍りしていたのは事実で、気になる存在ではあったし、それがきっかけになる凸凹だったりした。
私がTwitterで出会いや別れと経験していた頃、彼がTwitterに中々浮上しなくなっていて、私は彼が彼女と別れたのかもしれないなぁ……と察していた。ほどなくして流れた別れた恋人への幸せを願うツイートが流れ、それは多く拡散されていて、何年かの人生をなぞって今までいた彼女を思うその文章に惹かれ、同時にその別れに羨ましく思ったりもした。
そんな彼を少し経ったある日に、ちょっとしたキッカケ(本当になんだったか思い出せない様なコト)からDMをやり取りをし、やりとりのどこかに好意の感触を感じてみたりしながらも、食事に誘った。
彼と会う約束をした渋谷のオシャレなバルのカウンターで、えんじ色のセーターを着ていた彼は貰った写真と変わりない真面目そうな顔だったし、おかげで直ぐにみつける事が出来た。遅れてしまった私は目を合わせたくて何回も何回も彼に視線と送りながら、店員さんとやり取りして姿を確認したけれども、彼は絶対に入店した私に目を合わせなかった。私に確実に気が付いているはずなのに視線を携帯におとして、あきらかに気が付かないフリをしている彼が私には堪らなくて、可愛くなって愛おしくなってしまった。心が坂を下っていくのが見える気がした。恋へ降りていくのだ。