『名牝系』華麗なる一族 〜ハッピートレイルズ(Happy Trails)編〜活躍馬まとめ

競走馬の世界には牝系という概念があります。

牝系とは、家族の考え方を競走馬の世界に落とし込んだもので、『母』や『母の母』、『母の母の母』というように母方だけを辿っていく概念になります。

そもそも何故この考え方をするのというと、

サラブレッドには

『thorough』[完璧な、徹底的な]『bred』[品種、育ち]

という意味があり、より優秀なものを生産していくというのが目的であるため、1年に1頭しか産めない牝馬と違い、牡馬は種付けすれば父親になれるので、優秀な馬しか父親になれないという理由があります。

優秀な馬しか父親になれないという事は、父親で大きな差は生まれにくく、母親で差が生まれることになります

それは何代続けても同じ事が言えるので、結果的にこの牝馬は、、からこの牝系は、、という考え方になっていきます。

結果的に牝系ごとに評価される事となり、優秀だとかそうでないとかという話になります。

セリなどではその評価の差が価格に反映され、大きな差が出ます。

たとえ母親が競走馬として優秀ではなくても、牝系が優秀だと高値で取引されます

そういった馬から強い馬が現れるのはサラブレッドの世界では日常茶飯事なので、バイヤーはあまり気にしないですし、むしろ活躍していない事から少し安くなるので多くのバイヤーが狙う馬にもなります。

牝系について長々と書いてきましたが、この記事では、ハッピートレイルズ牝系についてまとめています。


ハッピートレイルズについて

ハッピートレイルズ Happy Trails [愛]

父 Posse 母 Roycon 母父 High Top 生年月日 1984年05月29日

通算成績:愛5戦0勝 (0-1-0-4)

現役時は未勝利で引退したが、日本で繁殖入りした後活躍馬を多数輩出し、主に牝馬の活躍馬2頭の枝葉から牝系が広がっている。


牝系の活躍馬

シンコウラブリイ [愛]

父 Caerleon 母 ハッピートレイルズ 母父 ポッセ 生年月日 1989年02月02日

主な実績:マイルチャンピオンS(G1)1着、NZT4歳S(G2)1着、毎日王冠(G2)1着

牝馬ながらマイルチャンピオンSを勝った名マイラーで、繁殖としても同牝系を大きく広げる立役者となった。

  • ロードクロノス

父 トニービン 母 シンコウラブリイ 母父 Caerleon 生年月日 1995年03月27日

主な実績:トヨタ賞中京記念(G3)1着、七夕賞(G3)2着

  • クインズサターン

父 パイロ 母 ケイアイベローナ 母父 クロフネ 生年月日 2013年05月07日

主な実績:マーチS(G3)2着、東京中日S杯武蔵野S(G3)2着

  • ケイアイロベージ セン

父 ヘニーヒューズ 母 ケイアイベローナ 父 クロフネ 生年月日 2018年04月07日

主な実績:ユニコーンS(G3)3着

  • マイネエポナ

父 キングカメハメハ 母 レディベローナ 母父 サンデーサイレンス 生年月日 2009年03月14日

主な実績:フェアリーS(G3)2着

  • レディミューズ

父 ティンバーカントリー 母 ラドラーダ 母父 シンボリクリスエス 生年月日 1997年04月24日

主な実績:チューリップ賞(G3)2着

  • シンメイフジ

父 フジキセキ 母 レディミューズ 母父 ティンバーカントリー 生年月日 2007年02月12日

主な実績:農林水産大臣賞典関東(G2)1着、新潟2歳S(G3)1着

  • ロードマイウェイ

父 ジャスタウェイ 母 フェリス 母父 ジャングルポケット 生年月日 2016年03月04日

主な実績:チャレンジC(G3)1着

  • トレジャー

父 ブライアンズタイム 母 シンコウラブリイ 母父 Caerleon 生年月日 1998年04月28日

主な実績:セントライト記念(G2)2着、目黒記念(G2)2着、ダービー卿チャレンジ(G3)2着

  • ムイトオブリガード

父 ルーラーシップ 母 ピサノグラフ 母父 サンデーサイレンス 生年月日 2014年04月13日

主な実績:アルゼンチン共和国杯(G2)1着、アルゼンチン共和国杯(G2)2着

  • タイセイトレイル

父 ハーツクライ 母 マザーウェル 母父 シンボリクリスエス 生年月日 2015年02月05日

主な実績:アルゼンチン共和国杯(G2)2着

  • タイキマーシャル [愛]

父 ダンスオブライフ 母 ハッピートレイルズ 母父 ポッセ 生年月日 1992年03月21日

主な実績:エプソムC(G3)1着、京成杯オータムH(G3)2着

  • ハッピールック

父 トニービン 母 シンコウビューティ 母父 Caerleon 生年月日 1998年03月22日

主な実績:アルゼンチン共和国杯(G2)2着、ダイヤモンドS(G3)2着

  • キングストレイル

父 サンデーサイレンス 母 サンタフェトレイル 母父 ノーザンテースト 生年月日 2002年02月17日

主な実績:セントライト記念(G2)1着、京成杯オータムH(G3)1着、産経賞オールカマー(G2)2着

  • サンタフェソレイユ

父 アグネスタキオン 母 サンタフェトレイル 母父 ノーザンテースト 生年月日 2004年02月18日

主な実績:フェアリーS(G3)2着

ハッピーパス

父 サンデーサイレンス 母 ハッピートレイルズ 母父 ポッセ 生年月日 1998年06月03日

主な実績:京都牝馬S(G3)1着、フィリーズレビュー(G2)2着、サンスポ阪神牝馬S(G2)2着

同牝系で今最も活力がある枝葉の祖で、母父として優秀な父を持つ後継馬が多いこともあり活躍馬が多くなっている。

現在繁殖入りしているのは3頭だが、それぞれが優秀でこれから活躍馬が多数出てくるだろう。

  • サブライムアンセム

父 ロードカナロア 母 パストフォリア 母父 シンボリクリスエス 生年月日 2019年01月26日

主な実績:フィリーズレビュー(G2)1着

  • コディーノ

父 キングカメハメハ 母 ハッピーパス 母父 サンデーサイレンス 生年月日 2010年02月15日

主な実績:札幌2歳S(G3)1着、東京スポーツ杯2歳S(G3)1着、朝日フューチュリティ(G1)2着

ハッピーパスの仔として新馬戦から圧倒的1番人気に支持され圧勝すると、2戦目は重賞の札幌2歳に出走しそこでは3強という形成になるが、このレースを完勝したことでクラシック有力候補となった。

次戦の東スポ杯ではメンバーレベルが上がったものの1倍台に支持され、このレースでも余裕の勝利を見せ、続くG1朝日杯FSでは1.3倍の圧倒的1番人気に支持された。

しかし後の皐月賞馬であるロゴタイプに迫るもクビ差届かず2着に敗れた。

その後は善戦するものの精彩を欠くレースが続いた。

4歳5月に仙痛を発症し、手術を受かる事になったが、6月11日に容態が悪化し、安楽死処分となった。

  • チェッキーノ

父 キングカメハメハ 母 ハッピーパス 母父 サンデーサイレンス 生年月日 2013年02月08日

主な実績:サンスポ賞フローラS(G2)1着、優駿牝馬(G1)2着

コディーノの全妹として期待されていた本馬だが、その大きな期待に添える素質の持ち主で、新馬戦では2番人気で2着だったものの、相手は後のオープン馬だったので悪くはない結果だった。

次戦の未勝利戦は完勝し、そこから休養に入り復帰したのは桜花賞トライアルのアネモネSだったが、そのレースでも完勝したが桜花賞には向かわず、オークストライアルであるフローラSに向かった。

フローラSはメンバーが揃っており、今までとは異なる格段に強い相手だったが3番人気と実績以上に支持されたが、その相手に3馬身差を圧勝という結果になった。

その結果を受け、本番のオークスでも桜花賞2着馬のシンハライトとの2強オッズという形になったが、両馬とも後方からレースを進め、最後の直線で猛追したがハナ差の2着に敗れた。

その後クイーンSに向かう予定向かう予定だったがレース週に屈腱炎を発症し、長期休養に入る。

約2年ぶりにオープン戦で復帰したものの7着に敗れ、続戦し関屋記念にも出走したものの同じく7着と本来の姿はなく、その後再び屈腱炎を発症したため引退となった。

本馬以外の同世代のクラシックを沸かしたシンハライトやジュエラーも脚元の怪我で引退しており、能力は間違いなく高かった世代だったが、脚元に泣いた世代だった。

  • ノッキングポイント

父 モーリス 母 チェッキーノ 母父 キングカメハメハ 生年月日 2020年1月30日

主な実績:

  • グランデストラーダ

父 ハーツクライ 母 レジェンドトレイル 母父 フレンチデピュティ 生年月日 2016年05月04日

主な実績:スパーキングレディー(G3)3着


まとめ

いかがだったでしょうか。

キレよりも持続力を武器にする牝系でスタミナがあるため、距離適性が長めに出やすい事と小回りが得意というのが同牝系の特長です。

歴史のある牝系ですが主に活躍馬が出ているのが2頭に絞られており、その2頭から広がる枝葉が大きくなっています。

特にハッピーパスから広がる枝葉は優秀で頭数は少ないものの活躍馬が見られます。牝馬が多くこれからの枝葉なので要注目です。

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